神様論議、もしくはプライバシーの問題、またはただの説明回
「どういう事?神託では聖女はタカネだけのハズ」
「……ああ、やっぱり今代の聖女と面識があるのね?」
モヨコはずっと領主の顔色を伺いながら、顔を上げずにそう答えた。
「それは今どうでもいいじゃん?それより、あなたってば本当に何者?」
うん。今日何度目だこの問いかけ。
モヨコがようやく顔をあげた。
「聖女。さっきも言った通り、よ」
「それがどういう事って聞いてるのさ?」
今代の聖女、タカネ。死に損なってる、私。これだけでも異例のハズで、でもこれでお終いのハズだ。ハズだった。
でも彼女は高位の回復魔法を使った。あの身体能力で武闘家じゃないというのもありえない。それでも回復魔法を使った。たぶん、聖女。それに嘘はなさそう。なさそうだから戸惑っている。何がどうなれば更に聖女がいるんだ?
「ねえ、ビィ?私の前世での戦いってどう思った?」
「え?どう思ったって?」
「不自然さ、感じなかった?私の存在、おかしくなかった?」
「おかしさ……」
いや、ごめん。私が一番おかしかったから他の不自然さなんてナチュラルに目を瞑ってたよ?
「……うん、モヨコ、おかしかったよね!(私が一番だけどな!)」
モヨコが遠い目をして語る。
「私だけが、あの時異質だったの。あの時、中途半端に私が召喚されたみたいだから問題なかったけど、本来ならアレ」
侵略戦争、だったのよ?
「は?侵略?魔族からの?」
「いいえ?異世界からの」
「異世界」
「そう。異世界」
うん、分からん。
「……えーと、それでモヨコが何で聖女?」
「私は他世界の神の聖女なのよ。まあ、今のモヨコの身体はこっちのモノ、なんだけど」
「他の神」
「そう。違う神。あなたの事を色々教えてくれる存在でもあるわ?」
「……神様って一柱じゃないんだ?」
「唯一なら『柱』なんて単位なんてある訳ないじゃない?そういえば、こちらの神様って教会の方に神託するのだった、かしら?」
「そうだね」
「回りくどいわね?うちの神さまは私に直接神託卸すわよ?」
何それ。直通で楽そうなんですけど?あれ、いや、でも?
「え、それで伝わる情報が、私の個人情報?」
「……『あなたが王都にいたこと』そして『最近王都で勇者と今代の聖女が出現したってこと』」
「そう、それ。それってあなたの神様が」
「……教えてくれたことよ」
なんかごめんなさいね?、っとモヨコはすまなそうな顔をした。
「まあ、そこは」
神様の言う通り、だから。
「じゃ、やっぱ聖女なんだね?」
「そうよ、聖女」
「……ま、じゃ、同じ聖女同士、よろしくね?」
「ええ、よろしく」
本来、同じ時期にたくさんいていい存在じゃないんだけどなぁ?
「ちょっと!?もっと大声で話して貰えませんかーっ?私、超重要そうってのは分かるんですが聞き取れてないんっですよ!?」
「うっせー!!お前は黙ってろ!!」
勘の鋭いおっさんは嫌いだよ!




