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拝啓、高木様  作者: dede
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白雪姫


「いやーもう一輪忘れるところだった。危ない危ない」

「ですからもう、なんであれを耐えれちゃえるんですか!?」

「すごいでしょ、この服?じゃ、はい、これはタカネ嬢の分」

そう言って私はタカネ嬢に一輪目の薔薇を手渡す。

「え、いいんですか、私何もしてないのに。!!……すごい、甘い匂い。こ、これ、舐めてもいいんですか?」

「いいんじゃないですか。納品は私の分でしますから」

そう言って私は自分の分の薔薇を指先でくるくる回す。

「で、ではお言葉に甘えて……」

タカネ嬢は人差し指を薔薇の中に差し込んで蜜をすくい取ると、ペロッと口に咥えた。

「!?や、やばい、これ!あ、甘すぎて顎の付け根が痛い……、幸せ過ぎる!」

理性がやられるレベルの甘味は、刺激が強すぎたようで、指を咥えたまま身悶えしている。

「あ、ところで、タカネ嬢?」

「ええ、なんです?」

「私たち会ったの今回でまだ2度目ですよね?」

「そうですね」


「知らない人についていってはいけませんと、ご両親に習いませんでしたか?」


私は持っていたウクレレでタカネ嬢の頭を殴りつけた。

殴られたタカネ嬢は、頭から血を流してその場で倒れた。

ちなみに私は両親からそんな事を言われたことはない。


私は地面に白目を剥いて気絶しているタカネ嬢を見下ろすと右手を翳して呪文を唱える。

『スリープ』

右手が光って効果が発動する。荒い息が寝息に替わる。が、血は相変わらず流れており髪を汚し地面に吸われていく。

続けざまに次の呪文を唱える。

『ヒール』

頭の傷もこれで塞がったハズ。そこでようやく私はタカネ嬢をひきずって血溜まりから移動すると、体勢を整えて彼女の後頭部を太ももの上に乗せた。

『スロウ』『スピード』『ナーフ』『パワー』『スランプ』『マジック』『レジスト』……

そうして私は思いつく限りの治癒魔法、支援魔法をバフ、デバフ関係なく片っ端からタカネ嬢にかけ続けたのだった。


ぺちぺち

「……うーん?」

『スリープ』

「……すーっ」

「ちょっとミドリ?まだやることあるんだから起こさないでよね?」

私からの注意も気にせずに、不貞腐れたようにその場からスゥーっと離れた。

「まったく……。じゃ、最後。『ホーリーフィールド』!」

私は少し魔力を多めに込めて呪文を唱えると、私達からファインティングローズまでの範囲に清らかな空間が出来上がった。

これでこの空間には、今中にいる者に対して危害を加える存在は数週間は近寄れなくなった。はず。

ファインティングローズが、心なしか嬉しそうに葉っぱを揺らしたように見えた。

さて、じゃ、次だ。

「おーい、誰かこの娘、気にいった子、いる?」

すると、私の目の前の空間が歪んみ、メラとスイが現れるとタカネ嬢の胸の上に座った。

「へぇ、二人?やっぱ聖女ってすごいんだ?ま、オーケー、いくよ?」

私は気合を入れて呪文を唱える。


『ホアコクア』


すると、二人は胸の中に吸い込まれていく。

「二人とも、よろしく」

メラは大きく、スイは澄まし顔でサムズアップするとタカネ嬢の胸の内に消えていった。

じゃ、最後!

「クロ、アカ、アカリとハッパ、出てきてくれる?あと、ミドリも戻ってきてー」

クロ、アカ、アカリが光とともに現れた。ハッパがタカネ嬢の足と足の間の地面から顔を出した。

と、現れて早々アカリから頭をはたかれる。そしてタカネ嬢に近寄ると気遣うようにまだ血の乾ききってない頭を撫でた。

どうやらタカネ嬢をいきなり殴りつけたことを私は怒られているらしい。

「あー、悪かったとは思ってるって。まあ、魔法を見られたくなかったとか、色々言い訳はあるんだけどさ。うん、ちょっとこの子、油断しすぎ。今痛い目に遭ってた方が後々良いって」

と、言い訳は並べたものの、アカリの不満は晴れないままだった。

「いや、見られたくなったんだよ魔法。でも一度その身で体験した方が習得しやすくなるし、妥協点というか」

それでもジト目でこちらを睨みつけるアカリ。

「……わかったよ。あとでちゃんと怒られるから、ねえ今はそのタカネ嬢のために協力して?」

不満顔なのは相変わらずだけど、一息ため息を吐くとコチラに寄ってきてくれた。そこにフラフラしてたミドリも戻ってきた。


「……ん」

太ももの上で頭を寝転がせていたタカネ嬢が目を覚まし出したのでウクレレを鳴らす手を止める。

ミドリ達はしばらく前に帰った。久しぶりに大所帯だったので、賑やかに歌って踊っていた。

ファインティングローズはハッパのファンだったようで、彼女のダンスに合わせて茎を大きく揺らしていた。

ミドリとアカリはそれに妬いていたが、当のハッパは困惑して踊りにくそうにしていた。


「目が覚めましたか?」

「……ビィ、さん?」

「無防備すぎますよ、タカネ嬢?それじゃ、何をされても文句言えませんよ?」


するとタカネ嬢は一瞬考えたあと、耳まで顔を真っ赤にして、口元を手で押さえた。



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