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level 4  作者: 主道 学
4/34

プロローグ

 と、エレベーターのような降下音と共にぼくの視界を暗闇が覆う。

 地下へ。更に地下へと部屋が降りていく。


 ぼくはそこで、気を失った。




 水漏れ その3


「暑い。暑い……。麦茶ーーーー!! 俺は飲み物なんて持ってきてないんだぞー!」


 水漏れの酷い二階の洗面台を見つけて、ひとまず不満をぶちまけた。

 

 なんで、誰もいないんだよ。


 電話では切迫詰っていた感じだったのに……。


 それより飲み物だ!

 あ、違う! 修理だ!

 さっさと、終わらせてこんなところ帰ってしまおう!


「うーん……。と、原因はゴミの汚れだな?」


 洗面台の水漏れの原因は配管の詰まりだった。


 配管にゴミが入り蛇口が開けっ放しで、洗面台は水道水が溢れ出し床へと滴り落ちていた。


 なんだかわざと水漏れにしている感じだ。


「ま、いっか……」


 配管の中のゴミを洗浄するのに、予めバンから用意してあるパイプクリーナーと工具箱から取り出す。


 そこで、一階からお湯を沸かすポットの音がした。


 どうやら、住人が戻って来てお茶を用意してくれているのだろう。だが、どうしても冷えたお茶が飲みたかった。


「うーん……」


 後はパイプクリーナーを入れるだけだし。

 

 下へ行って冷たいお茶を頼もうかと思っていると……。


 ガゴン!


 何故かこの家には不釣り合いな大きな作動音がした。

 まるで、何かの巨大な金属製の物体が降りた音。

 スイッチの入った音だった。


「な……なんだこの音?!」

 恐る恐る辺りを見回すと。


 グーーーーン……。

 

 巨大なウインチの巻かれる音と共に、立っているのもやっとの振動が部屋全体に広がりだした。


「う!!」


 部屋自体が怖いぐらいの速さで勢いよく降りだし、パイプクリーナーと工具箱を持つ手に力を入れる。ハッとして天井を見上げた。グングンと天井は空の高さまで上がっていった。


「な! なんだこの家ーーー!!」


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