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level 4  作者: 主道 学
15/34

ガソリン

ガソリン その2


「待てーーー! コラ―――!! あんた誰だーーーー!!」


 ガソリンがぶちまかれた通路を俺は男を追いかけていた。

 徹くん! 無事でいてくれ!!


「ゼエ、ゼエ、ハア……徹くん……」

 

 もう、何がどうなってやがるんだ!

 徹くんをどうするつもりなんだ!

  

 きっと、ポリンクは重かったからそんなに遠くへは行っていないだろう。 


 ちくしょう!


 一体ここはどこなんだよ!


 道に迷った……。


 缶詰だらけの貯蔵庫から出た俺たちは、扉から出た奴を追ったが、男はいきなりポリタンクのガソリンを狭い通路にぶちまけた。それから姿を忽然と消したんで、急いで貯蔵庫へ戻ろうとしたら、途中。今度は徹くんの叫び声が辺りに響き渡って、男に連れ去られた。俺は仕方なく奴を追いかけたんだ。


 俺は身体をやっとのことで捻じ込みながら狭い通路を歩いていた。息苦しくて、なんだかネズミの気持ちが少しだけわかった気がした。天井も低くて、頭擦れ擦れで、何もかも金属でできた通路だった。暗くて……心細いよ……。

 

 これは、さっきまで走っていたが手探りで進むしかないな。

 徹くんは無事だといいが……。


 トンネルの隠れた扉の中は全部、貯蔵庫だった。ちょっと目を離すと見えなくなってしまう取っ手が付いている。


 狭い通路からトンネル内に出てしまうと、たちまち工場扇の強風で叩き潰されるし……。


 徹くんは無事なんだろうな?

 あのガソリン男は? もし……徹くんの身になにかあってみろ! 必ずこれでもかって殴ってやるぜ!


 一体あの男は……? まさか、ここに住んでるんじゃないだろうな?

 だから、ここの通路に詳しいんだろうか?


 うん?

 あれ……?


 こっちの隠れた扉はガソリンの臭いがかなり強いな。



ガソリン その3


 ぼくはガソリンを持ったメガネのおじさんから逃げていた。


「ひーーー!」


 ジグザグに通路の見えにくい扉から扉へ逃げ込むと、ここがどこだかわからなくなった。


「ここどこーー! おじさーーん!」


 右脇に並ぶ見えにくい扉の内に、一つだけガソリンの臭いが強い扉があった。


 ぼくは全速力で走って、勢いよくその扉を開けた。


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