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level 4  作者: 主道 学
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プロローグ

水漏れ その1


 ジーン……。リーン……。ジーン。リーン……。


 真夏の騒音で耳から頭まで痛かった。


 こりゃなんだ。虫と電話のベルと、後なんだ?


 座っているだけなのに。


 ただ座っているだけなのに。


 一番うるさい電話の音から消してやる。


「はい。深山工務店です」

「あのー、水漏れが酷くて……」

「ええと、うちは水漏れの修理とかはしてないんですが?」

「住所は……」

「はいはい。わかりましたよ。もう一度、住所を……」


 ベニヤ板の壁に立て掛けてある靴を履いて、外へと出た。外の暑さは工務店の中よりも暑い。


「太陽はいつもカチカチに燃えてるってか?!」


 そう文句を言い放ちドアを開けて、さっき聞いた住所へとバンを走らせた。バンの中には工具が入っている。

 恐らく水漏れなんてすぐに直るだろう。


 深山工務店からはバンは快走していた。交通量はこの時間でも思いの外あまりない。バンの中はクーラーは新品だし快適だった。電話で聞いた住所を目指して川岸へと向かう。

  

「ふふーん。ふーん。おっと、確かここら辺で……。あー、案外近いんだな。あれ?……あれか?」


目的地周辺でバンを脇に寄せると、静かな住宅街のほぼ中央にある一軒家。そこにだけゴミの山ができていた。


「うーん。住所当ってるからなあ。やっぱここだ」


 呼び鈴を鳴らすと、ポーンと軽い音が家の内外に力なくなった。


「すいませーん……深山工務店ですー」


 静かだった。まるで誰もいないかのような生活音の無さ。


「すいませんー。岩見さんいらっしゃいますーー? 水漏れの修理に来ましたーーー。……??」


 しばらくしても、誰もでなかった。

 まさかここで、ずっと立っているわけにもいかない。

 さあ、どうする?


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