魔物と勇者
〜ノウパ村〜
朝の掃除を終えて少し休憩。
私はルレア、16歳。この小さな村に住んでるの。
最近この世界に魔王が現れた...いや、復活したみたい...この村は"セカイのハジメ"と呼ばれる場所で魔王の城と最も距離が離れていて安全なんだって。
こんな所じゃ勇者様どころか魔物1匹来ないわよ。
ズズ...
なんの音...?
グオオオオオオオオオオオオオオオ!!
きゃあ!ま、魔物!?
その"魔物"は私の身長の2倍程ありこちらに向かって走ってきた。
私を...食べる気なのね。
深呼吸して落ち着く。距離は70m...あと4秒といったところか。
周囲を見渡す。あるのは草、草、草、、、なるほどね。
私は火炎魔法で周囲に火をつけた。
これで辺りは火の海、私の"エリア"になった。
「大地よ、我に力を。グフラレウインムド!!」
ゴオオオオオオオオオオオオ!!!
魔物を骨になるまで焼いた。私の勝利だ。
このとても言い難い魔法は私の得意技。"エリア"内の生物にとてつもない炎を浴びせることができるの。
あれ?魔物以外の骨と...ヨロイ?もあるわね。
ヨロイを手に取ると見慣れた紋章があった。これは...勇者の紋章だ。
わ、私はいつの間にか勇者も殺してしまったのね。
魔王軍に寝返るのもいいと思ったが...魔物も殺してしまった。そのうち"臭い"でバレるだろう...。
ま、まずは仲間を作らなきゃ。
私は歩き出す。魔力の暴力で人を手懐けに行くのだ。