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結果発表と罰ゲーム

「ふー、狐や兎を間違えて狩りそうになるのは気をつけなければ……」


 ルーカスは上空を舞う鳥に照準を合わせる。


 バーンッと言う音の後、ボトンッと弾が当たった鳥が落ちてきた。


「しかしオリヴィア様の為にもこの勝負、負ける訳にはいかない!」

 

 そうルーカスは自分を鼓舞した。




 一方オリヴィア達の元にも、銃声は響いていた。


「どっちも頑張ってるわね」


「まあ最早何の勝負か良く分からないですけどね」


 ルイスはノアを負かしたいという思惑のはずが、結局ルーカスと戦う羽目になってる辺り、確かに何の勝負なのか良く分からない。


「それより私これで上がったわ」

「僕も上がりです」


「うわぁぁん!

何で毎回私の所にババが来るのよ!

しかも二人とも全然ババ引かないし!」


 そうエマはガーデニングテーブルに顔を突っ伏している。


 もう既にババ抜きを三戦して、エマが全て負けていた。


「エマ、あんた表情に出すぎなのよ」

「本当に嘘つくの下手ですよね」


「二人が顔に出さなさすぎなのよ!

こうなったら大富豪で勝負しましょ!」


 こうして今度は大富豪で勝負したのだが。


「私大富豪ね」

「僕平民です」


「何でまた私が大貧民なのよぉ!」


 大富豪を三戦し、またエマが全敗した。


「ノア、まさかあんたこれを見越して勝負にのったの?」


「言ったじゃないですか、()()()()()()()()()()()()だって」


 成る程、つまりエマがいる限りビリにはならないと。

 だからあんなに自信満々だった訳か。


「こ、こうなったらブラックジャックで勝負よ!」


 エマはどうやらまだ諦めていないらしい。


 もう既に6敗してるのだけれど。


「私18」

「僕は20」


「……26。

何でこうなるのよー!」


 ブラックジャックは割と運要素が強いのに、それでも勝てないのは中々不運というか、何というか……。


「じゃ、じゃあ次はポーカーよ!」


「エマ姉さん、もういい加減負けを認めませんか?」


「うぅ! まだ負けてない!

というより何でもいいから一勝したい!」


 どうやらエマももう意地になっているらしい。


「私ツーペア」

「僕フルハウス」


「何で全然揃わないの!?

私だってキメ顔でロイヤルストレートフラッシュとか言いたいのに!」


「何でそんな難しい役を揃えようとすんのよ、だから揃うもんも揃わないんでしょ?」


「逆にここまで負け続けるのも一種の才能ですよ」


 どうやらエマは相当勝負事に向いていない様だ。


「二人ともイカサマしてるでしょ!

じゃなきゃおかしいもの!」


「してないわよ」

「言いがかりはよして下さいよ」


「第一これだけやって一回も勝てないとかおかしいしあり得なくない!?

マジふざけんなよ!」


 ダンッとエマがガーデニングテーブルに拳を叩きつける。


 そこにはミシミシとヒビが入った。


「あれ? 何かエマがヤバそうなのだけれど?」


 私はこっそりノアに尋ねる。


「負けすぎたショックで荒れてきましたね、このままだと(命が)危ないので、何か一回は勝たせないと」


 そうノアも身の危険を感じ取ったらしく、すぐ様エマに提案する。


「あ、それじゃあエマ姉さん、神経衰弱はどうですか?」


「いいよ、やってやろうじゃねーか!」


 こうして変に緊張感が走る中、神経衰弱をしていた最中にどうやらハンティングが終わったらしくルーカスが戻ってきた。



「オリヴィア様ー! 見て下さい!

4羽撃ち落としてきましたよ!」


 そうルーカスは仕留めた鳥をこちらに見せようとしていたのだが。


「ルーカス兄様ちょっと黙ってろ!」


「え、何でエマが荒れてるんだ!?」


 エマに思いっきり凄まれて、ルーカスは困惑していた。


「ルーカス兄さん、今は危険なので向こうで待ってて下さい」


「え、あ、ああ」


 すると、逆方向からルイスもやって来た。


「オリヴィア様! こんなに鳥が獲れたよ!」


「煩いな! 気が散る!」


「え? エマお嬢様何かありました?」


 流石に普段メンタルが強いルイスですらたじろいでいた。


「あー、ルイス君、ちょっと俺達向こうに行っとこうか」


「え、ああ、はい」


 こうしてルーカスとルイスはすごすごと退散していった。


 というか、元は二人の勝負がメインのはずだったのだが。


「あ、アーマタマチガエチャッタワ」

「あー僕も覚えてないな~」


「あら? なら全部私が頂くわ!」


 こうして、エマは無事に神経衰弱に勝つ事が出来たのだった。


「うふふ! やったわ!

二人に勝ったわー!」


「いやー、良かったわ」

「良かったです本当に」


 あんなに心臓がハラハラする神経衰弱、出来ればもう二度とやりたくない。


「じゃあ私が二人に罰ゲームを出すでいいかしら?」


「良いわけないでしょ」

「今まで散々負け越してて良く言えますねそれ」


 エマは少し不貞腐れるも、どうにか機嫌が直った様でほっとする。


「あ、二人とももういいですよ」


 ノアが少し遠くに離れていたルーカスとルイスに声をかける。


「あ、ああ。もう大丈夫なのか?」


 二人はエマの様子を窺いながら恐る恐るこちらへとやって来た。


「ん? 二人とも様子が変ね?

どうしたの?」


 元凶であるエマは自分のせいとは毛ほども思っていない様だ。


「ああ、いや何でもない。

と、ところでほら、俺は4羽撃ち落としたんだ」


 そうルーカスは撃ち落とした鳥を見せる。


「俺も4羽だ。まさか同点になってしまうとは……」


 余程ルイスも自信があったのか、悔しがっている。


「まあそもそも俺はノア君と戦いたかったのだが……。

まあ時間も時間だし、またの機会にしておくよ」


「そうですか、なら今度は僕の得意な物にして下さいね」


 そうノアはニコニコと笑う。


「それは駄目だ。

まあせめてフェアな物にしてやるよ」


 そうルイスは苦々しく答える。


「やっぱりあの二人仲が良いわよね」


「うーん、そう言われればそうなのかしら……?」


 こうしてルイスとのハンティング勝負は幕を下ろした。


 そして無事お屋敷に帰ってきたのだが。


「そう言えばエマ姉さん、罰ゲームどうします?」


 ノアがニコリとエマに問いかける。


「え? ええ~何のことかしら~?」


 エマはとぼけようとしているのか、必死に目を逸らす。


「元はエマ姉さんが言い出した事でしょ?」


「う、うぅ、オリヴィアちゃん!

ノアが虐めてくるわ!」


「いや、自業自得でしょ」


 何故か私に泣きつかれるも、これは完全にエマの落ち度である。


「はぁ、肩が凝るなぁ……」


 そんな中、一人狩猟を頑張っていたルーカスがボソッと呟いた。


 それを聞いて、ノアはニヤリと笑う。


「じゃあエマ姉さんの罰ゲームは、お疲れのルーカス兄さんの肩揉みをするって事で」


「なーんだ、それくらいなら全然いいわ!

ルーカス兄様! 肩揉みするから座って!」


 そうエマはルーカスを無理矢理椅子へと座らせる。


「え? いや、大丈夫だエマ、気持ちだけで充分だから!」


「じゃあいきますね!」


 そう満面の笑みでエマはルーカスの肩を容赦なく揉み出した。


「あ! あぁ! い、痛い痛い!

もういい! もういいから!」


「いけませんわルーカス兄様!

結構凝ってるみたいだし、しっかりほぐさないと!」


「ギ、ギブ! ああ! やめ……あ!

肩が、肩がなくなる!」


 そのエマとルーカスのやり取りを見た後、私はノアの方を向くと、ノアはニコニコと笑っていた。


「いやー、ルーカス兄さん肩揉んでもらえて良かったですね」

「あんたは悪魔か」


 ノアだけは敵に回したくないなと思うオリヴィアなのだった。

 トランプは学生の頃好きで色々とやってました。

 今回書いてないけどスピードとか好きでした。

 後ルーカスはMですがエマの力には耐えられなかった模様。


 読んで下さりありがとうございます。


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 もちろん星1でも構いません!


 ブックマークもして頂けたら今後のモチベに繋がります(^^)


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