番外編 オリヴィアが来る前のハワード家
これはオリヴィアがまだハワード家に来る前のお話である。
ある日、ルーカスとエマとノアは父親であるジョン・ハワードから呼び出され、父の仕事場でもある書斎に来ていた。
「あの、お話とは?」
兄弟の中で1番年長であるルーカスが尋ねると、ジョンはふむと口を開いた。
「実は再婚をしようと思っていてな」
それを聞いて3人はびっくりする。
「つまり、新しいお母様がやってくると言うことですか?」
ノアがそう尋ねると、ジョンはそうだ、と返事をした。
「更に、向こうにも娘さんがいてな、お前達に義理の兄弟が出来る」
「え? 娘!?
いくつくらいなんですか!?」
エマは瞳を輝かせながらジョンに食い気味に質問する。
というのも、エマは男兄弟に挟まれている為、ずっと姉妹というものに憧れを持っていたからだ。
「歳はちょうどエマ、お前と同じだそうだ。
ただ、誕生日は向こうが少し遅いので、義理の妹になるな」
「まあ! そうなんですね!」
それを聞くや否やエマはキラキラと瞳を輝かせた。
「あの、そちらはいつ来られるのですか?」
ルーカスはそうおずおずと尋ねる。
「ああ、来月には来てもらう予定だ。
急で申し訳ないし、強制をするつもりはないが、出来れば仲良くしてやって欲しい。」
ジョンからの頼みを聞いた後3人は書斎を後にした。
「妹か〜!
可愛い子だといいなぁ。
一緒にドレス着たり、髪の毛いじったり、恋話したり!
きゃー楽しみだわ!」
エマは大層喜んでおり、それに軽くノアも返事をする。
「まあ、可愛い子だといいですけどね」
一方ルーカスはというと、少し顔色が青ざめていた。
何せルーカスは許嫁であるシーラを始め、数多の女性から幾度となくアプローチされたり告白されたり、しかもそれは自身の外見と家柄しか見ていないことを知っている為女性に対する苦手意識が高いからである。
「はあ、せめて大人しい子なら良いのだが……」
ルーカスはそう呟く。
社交界や舞踏会でも女性から追いかけられるというのに、家でまで女性に追いかけられるなんてたまったものじゃない。
それを他所目にノアは少しそんなルーカスを同情していた。
ノアも美形な為多少女性に気に入られるが、次男ゆえにルーカス程モテはしない。
それにノア自身童顔のせいで、歳より更に若く見られる為でもあるだろう。
そんなルーカスを羨ましく思うこともあるが、大変そうだなと同情することもある。
「はあ、ノアはどう思うんだ?
もう1人姉が出来ると考えると」
ルーカスはノアにそう尋ねる。
「うーん、まあ結局どんな人が来るか次第ですよね。
無害な人であればいいんですけど」
「まあ、そうだよなー」
ノアはそう答えるも、内心ちょっとだけ期待もしていた。
というのも、昔気になる下町の娘がいたからだ。
もしかしたら、とあり得るはずのない淡い期待をノアは抱く。
「もう! 2人ともそんな顔して!
お父様が選んだ方の娘なんだから、きっと良い子に決まっているわ!」
エマはそう言って2人に怒る。
確かにジョンは人を見る目に長けている。
余程可笑しい人は来ないだろうとはエマは勿論、ノアやルーカスも思ってはいるのだが。
「俺は逃げ回る生活は嫌だな」
そうルーカスは宣言する。
「まあ、ほどほどに仲良くしてればいいんじゃないですか?」
そうノアもニコリと答える。
「うふふ、楽しみだわ!」
そしてエマも満面の笑みで答えた。
その一ヶ月後、オリヴィアに3人ともハートを射抜かれて追いかけ回す側になるという事は、この時は誰一人として思ってもいなかった。
因みに1番女性にモテるのがルーカス。でも1番女心を理解出来ていないのもルーカス。
どうしてこんな残念イケメンになってしまったんだ。
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