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謝罪と罰

「あら、ルイスお帰りなさい。


それと……ノア君?」


 ハンネル家に着くと、シーラが2人を出迎えてくれた。


 てっきりルイスのみが帰ってくると思っていたシーラは不思議そうな顔をして2人を見やる。


「珍しい組み合わせね?

2人とも、仲良くなったの?」


「「別に仲良くなんてなってません」」


 シーラの問い掛けに2人は声を揃えて宣言した。


「あらそう?


ところでノア君は急にどうしたの?」


 シーラにそう訊かれて、ノアは小さく深呼吸した後、ゆっくりと口を開いた。


「その、実はシーラ様にお話がありまして」


「……ノア君から、私に?」


 シーラは全く何事か分からずにキョトンとした顔をする。


「僕とオリヴィア姉様が付き合ってるって事、本当は嘘なんです」


「……え?

嘘?」


 全く予想外なノアの言葉を聞いてシーラは目を丸くする。


「はい。

シーラ様がオリヴィア姉様の事を観察というか警戒されていたので、それなら僕と付き合ってる事にすればいいと僕の嘘にオリヴィア姉様を無理矢理付き合わせたんです。

長い事騙してしまって本当にごめんなさい」


 ノアは深々と頭を下げながら謝罪した。


「……じゃあ、2人は付き合ってないの?」


 それを聞いたシーラは確認する様にノアに問い掛ける。


 ノアは頭を下げたまま答えた。


「はい。

付き合ってないです」


「そんな……!

待って?

その事、ルーカス様は知っているの?」


「僕達が付き合ってない事なら、ルーカス兄さんも嘘を吐いた後日にバラしたので知っています。

シーラ様に伝えるのが遅くなってしまい申し訳ございません」


 ノアは恐る恐る顔を上げてみると、そこにはなんとも怪訝そうな表情をしているシーラの姿があった。


「じゃあ、私だけ騙されていたと言うの?」


「その、本当にごめんなさい。

もっと早く伝えなければいけなかったんですけど……」


「……そう、なの」


 シーラは少し怒ってる様な、しかしどことなく悲しそうな顔をする。


「……ずっと嘘を吐かれていたなんて……」


 シーラは目に涙を浮かべて、部屋の方へと走って行ってしまった。


「あ!

シーラ様!」


 ノアはそれを見て、内心しまったと思い急いで追いかける。


「あーあ」


 それを横から見ていたルイスは溜め息を吐いた。



 シーラを追いかけてノアはシーラの部屋の前まで来たものの、当然部屋の扉は固く閉ざされていた。


「シーラ様、本当にごめんなさい。

謝っても許されないとは思いますが」


「……」


 ノアは扉越しにシーラに語りかけるも、しかし反応は返ってこない。


「全部僕が言った事なんです。

だから、叱るなら僕だけにして下さい。

オリヴィア姉様の事は巻き込んじゃっただけなので」


「……」


「罰でもなんでも受けます。

僕の事は一生許さなくても結構ですから、なので、その……」


「……」


「ノア君、一旦その辺にしといたらどうだい?

シーラ姉さんも突然の事でまだ整理が出来てないだろうし」


 ノアが贖罪の言葉を言っている途中で、後から追いかけてきたルイスがノアにそう提案した。


「……分かりました」


 ルイスの提案に、ノアは苦々しい顔をしながらも渋々頷く。


 正直、どうすればいいのか今のノアには分からなかった。


 ノアにもエマという実の姉がいるものの、エマはすぐに怒り出したかと思えば本人の気が済んだらすぐに許してくれる、というか忘れてくれるさっぱりとした性格な為扱いやすいのだが、シーラは同じ様にはいかない。


 かと言って、ノアが昔から知っているシーラも割とすぐに怒るというか暴走しだしたのに、今回は妙に冷静だった事にノア自身も少し困惑していた。


「……」


 そしてルイスも最近暴走しなくなったシーラをノア同様不思議に思っており、ルイスは少し不安気にシーラの部屋の扉を眺めていた。


 一方、シーラはベッドに潜り込んでノアの話を聞いていた。


 ……ノア君はオリヴィア様を庇って自分一人のせいだと言い張っているが、きっとそれは私がオリヴィア様を責めてオリヴィア様が傷付かない様にする為なのだろう。


 だけど、私は。


「……酷いわ。オリヴィア様と少しは仲良くなれたと思ってたのに」


 オリヴィア様は良き恋のライバルでもあり、そして、純粋に友達としても仲良くなりたかった。


 しかし、前から薄々心の壁があるとは思っていた。


 どこかよそよそしいというか、遠慮がちというか。


 でも、まさかずっと嘘を吐かれていたとは思わなかった。


 それが、悲しくて堪らなかった。


「……よし、決めたわ」


 シーラはそう呟くと、部屋を出た。


 そして、ノアとルイスのいる広間へと入る。


「ノア君」


「シーラ様!」


 私の姿を見てノア君は椅子から立ち上がってこちらへと駆け寄ってきた。


「本当にごめんなさい!」


 ノア君はそう言ってすぐ様また頭を下げる。


 私はしゃがんでノア君の肩にぽんと片手を置いた。


「顔をあげて」


 私の言葉に恐る恐るノア君は顔を上げる。


「私、ずっと騙されていただなんて悲しいわ。

さっき、罰を受けるとか言ってたわよね?」


 私の言葉に、ノア君は覚悟した様に顔を強張らせた。


「罰として、ノア君には今度うちにオリヴィア様を連れて来て欲しいの」


「……え?

あの、それは!」


「シーラ姉さん、まさかオリヴィア様に手を上げるとかしないだろうな!?」


 私の言葉にノア君のみならずルイスまでも反応すしだした。


「あら、ルイスは私が簡単に手を上げるとでも思っているの?

大丈夫よ、少しお話がしたいだけだから」


 私はなるべく笑顔で言うも、2人はあまり信じていないのか、硬い表情をしている。


「その……」


「ノア君が連れて来れないと言うのなら、私が勝手に押しかけるだけよ?」


 私はなるべく笑顔でそう言った。


「……分かりました」


 ノア君は悩んだ末諦めた様な表情で渋々了承してくれた。

 オリヴィアのいない所でどんどん話が進んでいってます。

 果たして、オリヴィアはどうなる事やら。


 そしてやっとシーラにネタバラシ出来ました。

 調べたら167話程騙され続けてた様です。月日にしたら半年ぐらいでしょうか。

 結構長くてびっくりしてます。


 読んで下さりありがとうございます。


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