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砂の焔  作者: 南雲司
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卵滅の刃

はい、戦闘回ら

[飛竜]

 旧イェードゥの領地を過ぎると砂漠の領域だ。砂漠と言ってもこの辺りはまだ極端に緑の少ない荒れ地で湖の近い性もあり、放牧に使える草地も広がっている。

「この辺畑とかに出来ないのかなー」虎治。

「時間を掛ければ行けるかもしれないが、問題は塩らしいぞ」

 あまりにも退屈なものだから、ミーティアも虎治に付き合う。

「塩?」

「塩気が強くてまともな作物が育たないらしい」


「隊長!太陽から黒点!」マリコから急報。

「ブレイク!バイザー下ろせ!」

 第二分隊は手筈通り急降下で取り敢えず速度を稼ぐ。

 ミーティアと虎治の第一は緩やかな上昇旋回で敵を牽制する。

「あれ?風竜?」

 敵は航空機ではなくて竜種だった。

「風竜より大きい!飛竜だ!虎治はさらに上昇、他にいないか確認してくれ。これはアタシがやる」

「うへーい」

 ミーティアは艦橋とも連絡を取り、飛竜の注意を引くために銃弾を放った。


[強襲艦から飛空挺母艦へ]

 強襲艦には三つのタイプがある。最初期の搬入口が艦首についているタイプ、これは強襲の名が示すように、敵地に強行着陸しての兵員の展開を目した物で、実はこの戦法は実戦では使われたことがない。

 と言うのも直ぐに降下布を使った空挺部隊が、実用化されたからである。

 此処で不具合が発生した。航行中に前扉を開くのは極めて危険で、時速を大気速度で50キロ以下に落とす必要がでた。有力な対空兵器の展開されている場所ではとても運用できない。


 其処で登場するのが、後扉型である。これは高速で航行しながら空挺の展開をする事が出来た。

 しかし飛空艇の運用には向かない。艦を飛び出した飛空艇は浮力を切って急降下で速度を確保した後、速度の減衰の無い、浮力での上昇で位置に着く。

 この速度とは、大気速度の事である。高速で航行する後扉型から飛び出した飛空艇は、大気速度がマイナスから始まる加速を試みねばならない。

 200キロならマイナス200キロである。これは十分な機速を得るのに時間が掛かるのみ為らず、後方からの極めて強い風を受けることを意味し、危険である。


 此れに対してはワイアーで牽引する形で後ろ向きに投下し、風に乗ったところでの発動、切り離しの実験が行われているが、細かな解決しなければならない問題が多く、まだ実用化されていない。高速航行時の離艦が可能な有力な技術ではある。


 三つ目は[木目]シャオが乗艦している旗艦で前後に搬入口がある。発艦と着艦を同時に行える為、飛空艇母艦の主力になりつつある。ちなみに、牽引式高速航行時離艦の設備も搭載されている。


[騎士団航空隊]

「アサミとサスケラはまだ出せないか」ミーティア。

「艦速を落とせない為、牽引離艦の準備中、まだ暫く掛かります」指揮担当員。

 訓練もしていない、ぶっつけ本番になる。止めさせるべきか。そう思った時、飛竜の背中に爆炎が上がった。竜の翼を掠め、二機の鷲型が急降下していく。騎士団だ。

「艦橋!騎士団が応援に来た。増援は中止で良い」

 本音を言えば、多ければ多い程良い。だが、無理をして貴重な候補生を失うリスクは避けたい。

「了解。サーちゃんが残念そうですわ」

 元太子にちゃん付けはどうなの。


 二機の鷲型はインメルマンをコンパクトに決めると飛竜の後背を取った。

「うちのひよっこ共が三勝したと聴いたが…」

 この二機が相手なら三敗だな。

「きょーかーん、もう突っ込んじゃって良い」

 虎治だ、上空の確認を終えたのだろう。

「いいぞ…まてっ」


 飛竜が翼を畳んで落下した。

 独特の急降下姿勢だ。

 こうなれば人の機体に追い付けるものはない。

 離脱していく飛竜。

「状況終了だ、騎士団の助力に感謝する」


[人形と模型]

 コアは森にある方の空技厰に来ていた。牽引離艦の実験のため人形の提供を求められていたからである。元来[人形使い]は虎治のギフトであるのだが、アーカイブ内にタスクプロセスを複製し解放せずに、そのまま自分で使っている。

「マスターが使うより、私が使った方が効率的ですから」

 とはコアの弁。虎治も楽でいいやと、了承している。


「何処迄小さいのが可能なのか分からなかったんでな」

 担当官はドワーフのじ様だ。二メートル程の鷲型の模型とそれに乗る人形を示す。虎治製の雑な人形とは違いかなり精密な動きが出来そうだ。

「この精度なら、この十分の一程でも実用上差し支えないのが出来そうですね」

「ほほう、精度が肝か」

 じ様は興味を引かれたようだ。小さくどんな隙間にも潜り込める工作兵なら、使い道は無限だ。


「取り敢えず飛ばしてみましょうか」

 空技厰前の広場に見物客が鈴なりになった。小さな鷲型飛空艇が超低空で曲技飛行を披露していたからである。

 人形を数体起動すると、コアは指揮権をじ様に渡してダンジョンに帰った。後は空軍が勝手にいじりり倒すだろう。


[卵滅のリュウコ]

「今日は乗らなくても良いの?」

「クヮ」

 飛竜のリュウコはそう返事して、猛然と飛び出した。

 軍府の周りを周回するタイムトライアルのつもりらしい。

 ちゃんと時間を測ってねと眼で訴えていた。


「結構はやいな」

 軍機なので数字は明かせない。

 翌日、飛竜に怯えて鶏が卵を生まなくなったと苦情が来た。

 マリーとツノウサは出番がなくて詰まらなさそうだ。



一生懸命なリュウコちゃんに名前が付きました。

リュウコちゃんはリュウコちゃんって言うんだよ。

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