4話 一般的には強めのボスらしいです。
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あれから、神からもらった空間把握のスキルオーブを使い、空間把握を覚える。
すると、今まで感じていた感覚が、広がったような、見てないのに見えてる様な、そんな、感覚的には気持ち悪いんだが、なれると凄いのがわかってしまうスキルを手に入れてからは、戦闘がかなり楽になった。
今までは、背後を取られない様に、一体ずつ確実に倒していたのが、今では、群れの中に突っ込んで行っても、攻撃を食らわない自信があるほどには戦闘が楽になっている。
そして、1層ではスライムと30cm程の大きさのねずみ
2層では中型犬程の大きさのウサギと30cm程のバッタ
3層では1m程の蛇と50cm程の蟻
4層では爪が少し発達したネコと翼の先が切れる様に発達したツバメ
と、レベルを上げつつ階層を進んでいくが、5層になってようやく人型の魔物、ゴブリンが出てきた。後、中型犬よりちょっと大きめの狼。
なので、ココでしっかりとレベル上げをしようと、その日は5層でキャンプをする事にした。
次の日、1日かけてレベルを上げたが、わかったことがある。
スキルを覚えて、そのスキルにも経験値アップが作用したのはいいのだが、俺にはどうやら刀の才能がないらしく、スキルは覚えられなかった。
他のスキルは、棒術1、盾術1、格闘術1、投擲術2、空間把握3、火魔法2、水魔法1、風魔法1、土魔法2、光魔法1。
と、色々覚えたのだが、この日は一旦諦めて明日もう一度頑張って刀スキルを手に入れようと思う。
無理なら諦めよう。
翌朝、この日は丸1日使って刀だけの戦闘に拘ってみよう。
結果だけ言うと、刀のスキルは手に入らなかった。
それだけじゃない。刀を使っていたのに、見切り2、体さばき1、急所突き2、刺突2を覚えたのだ。
これはもう、刀を諦めなさいと運命が言ってる様な気がしたので、これを機にすっぱり諦めようと思う。
レベルも結構上がって、65になり、装備品も進化していて、刀なんかは、ほんのり青みがかったミスリル鋼っていう材質にまでなっているが・・・諦めよう。
ものすごくかっこいいけど・・・・・・諦め「ぶおぉぉぉ!!」「ふぁっ!?」
空間把握スキルで気配を探ってみると、この階層には明らかに不釣合いな魔物の気配がするので、そっちへ移動してみる。
移動してみると、醜い豚野朗がフゴフゴ言いながら、他の冒険者と戦ってるのが見えた。
邪魔にならない様にしながら観戦してるとよく分かるが、やはり感じた気配どおり、この階層に居るにはおかしい強さだった。
どれくらいおかしいかといえば、小学一年生VS大学一年生(ボクシング部)くらいおかしい。
ちなみに、このVSというのは学力って意味じゃない。殴り合いでの力の差である。
そうこうしてる内に、戦ってた冒険者達は、勝てないと悟り逃げていく。
逃げていく時に「やっぱ俺たちじゃまだ早かったか」と、言ってたので、強いという事はわかった上で戦っていたのがよく分かる。
そしてオークが居る小部屋から冒険者達が出て行くと、オークは追う事をせずに部屋の中心まで戻っていきたたずんでいる。
そして、負っていたかすり傷もいつの間にか綺麗さっぱりなくなっていた。
ちょっと興味がわいた俺は、この日最後の戦闘に、この豚野朗を選んでぶちのめす事にした。決して刀スキルが覚えられないからという事への八つ当たりではないということを刀の刺突しょうめいしてやるのだしねぇぇ!!
はぁー。スッキリスッキリ。
やっぱりむしゃくしゃしたら八つ当たりが一番だよね。
気分がスッキリした後に、部屋の真ん中に目を向けると宝箱が出現していた。
中を見るとスキルオーブが入っていた。あとついでにミスリル鋼のインゴットも。
スキルオーブの鑑定結果は
「刀術のスキルオーブ」
ふおおおぉぉぉぉ!!!
豚野朗愛してるぜええ!!今だけな(ぼそっ
早速使って刀スキルを覚える。
刀術1
これ以上、スキルレベルは上がらないかもしれないけど、それでも良い。後はレベルを上げてごり押しすればいいだけだし、倒すのが目的なら上がりやすい棒術や魔法でも問題はないのだ。ただの自己満足なんだから。
気分良くなったので、この近くでキャンプにしよう。
この辺りは、階段から1番離れているから、誰もこないだろうし、時間的にももうすぐ夜になろうかという時間帯だから、さっさとご飯食べて体を拭いて寝よう。
いや、まてよ。
今日はいつもの保存食じゃなくて、ご飯を作ろう。
これまでのレベル上げで、魔石は沢山回収してるので食事分くらいなら安いものだろう。何せ今まで100体や200体は確実に倒してきているのだ、武器を買ったり爆弾を買うわけじゃないからそれ・・・くら・・・い?!
肉や魚、野菜や塩なんかは高くない。むしろ良い物を選ばなければ安いくらいだ。だが、米が高い。現代日本でたとえるなら、100g当たり肉で50円くらい、アジくらいの魚で1匹100円くらい、塩田と100g100円くらいパンもテーブルロール10個で100円くらいなのに対して、1kg10,000円くらいなのだ。
馬鹿げた値段設定だ、こんなものを買う奴の気が知れないね。(ポチポチポチッ)
いやー、このお米が炊ける時の香りの素晴らしさといったら例え様がないくらい凄いね!
そして、マヨネーズを作るこの辛さも後の事を考えたら逆に楽しい。
ツナの作り方がわからないから、マグロの赤身をゆでて、マヨと潰した胡椒(道具がないので、親指と人差し指でグリッてした)を混ぜておく。
鮭は塩を振って焼いたあとほぐしておいて、準備完了。
炊けたご飯に鮭をたっぷり入れて握る、鮭を入れて握る、鮭を入れて握る。
ツナマヨを入れて握る、ツナマヨを入れて握る、ツナマヨを握って入れ・・・食べる。ツナマヨを「入れて」握る。ツナマヨを、「入れて」握る。
出来た。
ホントは味噌汁か、お吸い物でもほしい所だが、米で全部の魔石ポイントがなくなったので、これ以外ない。
厳密に言えば、お茶は無料であるからいいのだが・・・。
いただき
ました、ご馳走様です。
お米の偉大さがわかったので、明日からはもっと先に進んで魔石回収を頑張ろう。
お米の為なら魔物の千や二千・・・ちょろいせ。
でも、今日のところはもう寝ます。
お米が1粒、お米が2粒、お米がszzzz
おにぎりって何であんなにおいしいんでしょうね。握るだけなのに。
作者的にツナマヨは空気みたいな存在です。
ごめんなさいウソ付きました、なければ生きていけないみたいな表現するほどツナマヨに飢えてませんが、あればつい手が伸びる具です。買いに行って品切れだと、一分くらい悩みます。鮭にマヨネーズ入れるかどうか・・・。