1話 カプリス散策準備
文字数:1967
功が試練を攻略した同時刻15:17
特大試練のあるカプリオでは、騒ぎが起こっていた。
街の中心部にある試練が、攻略者の誕生を知らせる様に試練が光り輝いていたのだ。
その光の意味を知らないのは、今まさに試練を攻略していた男ただ一人である。
その頃、試練内部最奥では
「腹いっぱいになったら眠くなってきたな・・・・・・。寝るか」
暢気に眠っていた。
外がどれだけの騒ぎになってるのかも知らずに。
「おい、誰も出てこないぞ。確かに光ってたよな?!」
「間違いねぇ!ここにいる皆見てたんだ。誰だって英雄の姿をひと目見たくてウズウズしてるんだ、見逃す奴なんかいるわけねぇ。」
「だよなぁ。じゃぁ間違って光った・・・なんてありえねぇよなぁ。」
次の日
「・・・ん゛ん゛~~」と、伸びをして固まった体をほぐす。
「朝は何食べようか・・・これからの生活、ずっと勝ち続けると言う意味で、ドラゴンのカツでカツ丼にするか。そうと決まれば、味見あじみぃ~。」
ドラゴンの肉は、鶏肉の様に弾力のある食感に、和牛の様なほんのり甘い香りのする不思議な味だった。
この肉に負けない様、出汁強め甘さ控えめで頂く事にした。
満足のいく食事を済ませて、デザートにシャーベットを食べてゆっくりしてから転移魔法陣へ足を運んだ。
転移魔法陣に乗ると、どこからともなく声が聞こえてきて、10層毎の階層を選ぶように言われる。
なので、1階・・・ではなく、10層を選んだ。
すると、あっという間にボス部屋の手前まで移動した。
そこからは、他の冒険者に見つかると、移動速度が速過ぎてびっくりされると思ったので、見つからない様に目的の階層である2層に向けて走っていった。
到着してからは、ひたすらウサギを狩り続けて、肉の回収に励む。
勿論、肉の味や質に関しては、上の階層にいる魔物の方が旨いのは当然だが、から揚げみたいなB級グルメを楽しもうとしたら、これくらいの肉質のほうが都合がいいのだ。
そんな事を1日続けて、日が暮れようかという頃合になって、ようやく試練から出たのだが、ここで初めて異変に気付く。
何故だか分からないが、入り口に人が大勢集まっているのだ。
「邪魔だなこいつら」などと思いながら、人混みを掻き分けて通り過ぎ、町の外へ向けて歩いていった。
その頃、「攻略者はまだ出てこないのか」「英雄はまだか」「何で出てこないんだ?事故でもおきたか?」等色々言われていたが、功は興味がなかったので聞く耳を持ってなかった。
街の出口に着いた功は、門から出ようとしたが、門兵に「ここはもう閉めるから、急ぎじゃないなら明日の朝一番に来てくれ」と言われ、門兵に宿屋の場所を聞いてその場を立ち去った。
宿屋に向かう途中、金を持っていないことに気付いたので、ギルドでドロップ品を低階層のものだけ提出して、宿代を捻出した。
低階層のものだけ出したのは、フラグと言うやつを回避するためだ。
オーガとか出したら、どうせ厄介事を頼まれるんだろう。用心はし過ぎる位が丁度良いってラノベでは言ってた。
そして、金を捻出してから、教えてもらった宿に行くと、最後の空き部屋だと言われて案内される。
可もなく不可もない部屋だが、どちらかと言えば不可な部屋に入って、魔神の加護をもらってから使えるようになった、浄化の魔法をベッドにかけて寝る・・・前に晩御飯を食べた。
個人的には、塩味しかしないのは不可だったが、こっそり胡椒をかけて何とか食べきった。
これからは、質の良い宿以外では食事は取らないでおこう。
部屋に戻ってから、口直しにシャーベットを食べて、口の中を浄化してから眠りについた。
朝。というか、日の出にもならない深夜に近い時間に目が覚めた。
眠りについたのが早過ぎた為、目が覚めたのも比例して早くなった。
時間を潰すために、食材各種の処理をしていった。
から揚げ用、ステーキ用、すき焼き用、カツ用、焼肉用、ハンバーグ用といった肉関連(ドラゴン肉含む)
野菜も、千切り、微塵切り、ざく切り、使いそうなものを処理していった。
肉も野菜も、何か別の料理がしたくなった時用に、2割ほど残して全部処理した。
スマホの加工ホント便利。
そして、自前の朝食を食べた後、ゼリーを食べ終わったくらいに、朝日が昇り始めたので、食休みを挟んで宿を出る。
ふと、この街は何が売っているんだろうと気になる。
ちょっと買い物をしようと歩き出すが、金がない事に気がついたので、またギルドへ向かう。
これからの事も考えて、オークの魔石やウルフ系のドロップ品など、少し多めにドロップ品を提出し換金する。
ゆっくりと散策しながら街をぶらつく。
露天商が少しづつ商売を始める。
だが、どの店も欲しいものが見つからない。違うな、目に留まるようなものがないのだ。
結局、野菜類しか買わなかった。
この街でやる事もなくなったので、昨日の門から街を出た。




