3・5
「え?俺を呼んだ?どうやって?」
俺はあたふたと分かりやすいほどに困惑した。
っと、今俺はこの状況に困惑しているのとは裏腹に、ワクワクしていた。
何でかって?そりゃー決まってんだろ。
だって、異世界ってやつだろここ!しかも、呼ばれたって事は俺に、何かすごい力があるって事だろ!
まさか俺って、勇者とかだったり。
俺は、あこがれていた異世界に来て、
顔には出さないが、心中ではずっと胸に夢を膨らませワクワクしているのだ。
取り合えず、まず最初にやるべき事は、情報採取だ。
、聞いてみないと何も始まらない。
他にも聞きたい事が山ほどあるが、なぜ俺をこの世界に呼んだのか。
ワクワクしているのを悟られないように、ファルに聞いた。
「なんで俺を呼んだんだ?俺じゃないとダメなのか?」
「わかりません!」
んんん?分かりませんだと?
ファルは笑顔で言ってきた。すがすがしいほど直球に。
「分からないって、ファルたちが呼んだんだよねんだんだよね?」
「はい!そうですよー」
やばい、意味が分からない。
本格的に困惑してきた。
まぁいい質問を変えよう。どうやってこの世界に俺を呼んだか聞いてみよう。
やっぱり魔法のたぐいだと思うんだけど、気になる。
ここは、好奇心のままに聞いてみよう。
「じゃあさ、どうやって俺をこの世界に呼んだの?」
俺が質問すると、笑顔だったファルもずっとツンツンしていたレンズも
真剣な顔に変わった。
え?どうした?何で真剣に、、なんか地雷でも踏んだか?
「この話を聞いたら後戻りできませんが、よろしいですか?」
ファルが放った言葉が俺のワクワクを一瞬にしてかき消した。
これから危ない取引をするかのような、緊張感が俺になだれ込んできた。
「ああ、話してくれ」
「いいんですね?」
「聞かないと、先には進まないだろ?」
「わかりました」
ファルはその場で片手を上げると、水が出てくるなり俺たち三人を水で覆い、話し始めた。
「この国には、12の秘宝が存在します。秘宝は、一つ一つがこの世界を180度変える力を持つと言われています。その力を求めて、争いが起こました。
今は、8つの島に分かれていますが、元は1つの島でした。」
なんか俺の思っていた話と全く違う
なんか、スケールがでかい。ついてけねーーー!
っと思いつつも、俺は頷きながら話を聞いた。
「人はもちろん、いつしか魔族も力を求め殺し合いました。」
ん?魔族?
えーーーこの世界魔族いるの!
「次第に人口も減り、緑も枯れ始めていました。」