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少女駆ける  作者: 嶽gac
7/7

嬉しさ、そして怒り

なんかよくある展開になっちゃいました。

 買い物も済んで、時刻は4時を過ぎた。


「今日は付き合ってくれてありがとうございました。」


「いやいや、大した事ないよん。結局、天ちゃん振り回したのはこっちだし。」


たしかに、いろいろと振り回され、いろいろ着せられた気はする。


「でも、おかげで楽しめました。」


「そお?ならいいけど。」


そう言って、猫さんはニコッとした。この顔をした猫さんは本当の猫みたいだ。


「さて、それじゃあそろそろお別れとしますか。のんびりしてたら天ちゃんの帰り、おそくなるもんね。それに私、こっちだから。」


といって、駅に続く道と反対の道を指差す。大きな電波塔が、視界の隅に映った。


「そうですね。それではまた来月の会議のときに。」


「天ちゃんはお堅いわねぇ。友達なんだから普通にバイバイとか、またじゃあね、とかでいいわよ。」


友達……


「ふふ。じゃあね天ちゃん、また今度っ。寂しくなったら、いつでも連絡ちょうだいね!」


「は、はいっ、また今度っ!」


私の言葉を聞いて猫さんは、最後にニコッとして背を向けた。その背中も猫みたいにスラっとしていて綺麗だった。


***


 駅のプラットホームで電車を待ちながら、今日一日を振り返っていた。

報告会議があって、その後猫さんと買い物して……。

あれ、そういえばあのとき感じた視線は結局なんだったんだろう。

振り替えったときにはすでに気配は感じられなかったが、あの身体の奥を刺すような眼光。少し身震いすらする鋭さ。

私は、あの視線と似たものを少し前にも見た事がある気がする。そうだ。それは報告会議が終わった後の……。


「っ!」


そうか!「ホークス」!あの鋭い眼光は鷹の瞳で間違い無い。

しかし、なぜあの人がこちらを睨むような真似を?私はあの人とは初見同士だ。何かあるとしたら猫さんだが……。

……そういえば猫さんはあの男に対し、何か因縁めいたものを持っているように思えた。とすると、ホークスにも猫さんに対する何か因縁があるのでは?


そんな推理をして、私は居ても立ってもいられなくなり、猫さんに電話してみることにした。


プロロロロロ、プロロロロロ……


これで何もありませんでした、だったらどうしよう。


プロロロロロ、プロロロロロ……


その時は事情をはっきり話すまでだ。


プロロロロロ、プロロロロロ……


おかしい、出ない。別れてから10分くらいしか経ってないのに。


プロロロロロ、プロロ、…………


コールが鳴り止んだ。しかし猫さんは電話に出てこない。


「猫さん?猫さん⁉︎」


呼びかけるも、返事無し。では他に、誰が猫さんのスマホにかけた電話に出るというのか。突き当たる人物など、一人しかいない。


「ホークス…………っ!」


『ひはっ、いいねぇその怒り心頭って感じ。そうですオレですホークスさんですよお、トカゲちゃん。』


舐め回される様な気色悪さと怒りと共に、自分のスマホがミシッと音を立てた。


「猫さんに、何をした…。」


「別に何も?ただちょいと寝てもらってるだけだ。」


「っ!」


画面にヒビが入った。


「ハハッ、今すぐにでも殺してやりたいって感じだねぇ。そういう単純なのは嫌いじゃない。」


「……どこにいる。」


怒りで血が沸いている感じがする。力も抑えきれているかすらも分からない。


「フンッ。トカゲちゃんはもうちっと考えて動くタイプかと思ったけど、そうじゃなかったみたいだな…」


「どこにいるのかと聞いている!!」


「聞いたところでどうする。あいつを助けれるとでも?」


「ああ。そしてあんたをぶっ潰す。」


「ハ、少年漫画の主人公みたいなセリフ吐いちゃってまあ。大体お前みたいな雑魚がオレに敵うとでも?」


「敵うとも。そんな下衆みたいな手を使う奴には少なくともね。」


電車が到着するときの音楽が、遠くに聞こえる。


「フンッ、雑魚がよく言った。なら教えてやろう。オレとこいつがいるトコを。」


聞きながら、私はホームへの階段を駆け上がっていた。


「……駅出たら見えるだろ?でっけえ電波塔。そこで待ってるぜ。トカゲちゃん。」


 最後の言葉を聞きながら、私は駅を飛び出た。スマホが左手の中でバリィと音をたてて、その破片を撒き散らした。

作者は絶賛宿題に追われております故、また次回まで間がしばらく空くでしょう。まあ、学生なんで。そんなものです。ちゃんと書きますので、待っていてください。よろしくお願いします。

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