派遣先は魔法世界でした。その8
さすが元FBI諜報員と言うべきかいなくなったのにもきがつかなかったし、足跡を探すも見つからない。
ふと後ろを見て足跡を探すが、ここまで足跡一つ付けずに来ていたらしく、私の足跡のみが点々と続いていた。
あくまで予想だが、ジョンは普通の山道を通って居なさそうだ。
この道で行けば、確実にそれも安全に迎えると思うが、木をかき分けて行けば最短で行けそうである。
「でも、早く行きすぎても情報収集の時間なくなりそうだしな。」
それでも少しは急ごうと駆け足気味で走り出す。
タッタッタッタッ
こんな世界にもこれだけ走りやすい道がある物なんだ。
ついつい気分が乗ってしまい、もう少しスピードを上げる。
ダッダッダッ
走っている内に水の臭いがしてきた。
山の中だから川があってもおかしくない、その上のどが少しだけ渇いてきた。
近くに川があるというならそこで水を飲もう。
道から少しだけ外れ他所に川があった。
色は澄んでいて、飲めそうなほどに綺麗だった。
私の故郷にあった川は、ある意味栄養満点と言えるほどに濁っていた。
工業用水とかそういうわけではなく、苔や藻など、そういった類いが多くある。
ここの水は、透き通っていてそこの地面がよく見える。
だが、やはりというか生き物が居ない。
魚一匹住んでいない。
それはつまり、餌と鳴生き物も住んでいないと言うわけだ。
川にも、空にも、木にも、地面にも生き物一匹居ない。
ここに住む、フォルドコアトルという鳥人。
鳥という生き物は、必要によって、植物も食べるし、肉も魚をも食らう。
それがこの場所の生き物を根絶した原因と考えている。
何時から生き物が居なくなったかは分からないが、、それがごく最近のことであれば、これからは人を食らう可能性が否めない。
少なくとも人が襲われたという話は耳に入っていない。
今更ながら、勇者という存在の重要さが分かった。
そんな中、
ガサッ
一本の木が揺れた。
木が音を立てるほどの風は吹いていない。
ジョンか?まさか、もう見つかった!?
音の中心に狙いを定め、銃を構える。
ガサッガサッ
出てきたのは、リスに酷似した現地の生き物だった。
なんだ、生き物か。まだ居たのね、早く逃がさないと。
生き物が居なくなっているという状況を知ってしまった故の使命感。
リスらしき生き物の居る木に近づいてそっと捕まえようと思った。
野生の生き物が捕まえさせてくれるはずもなく、木から飛び降りようとした。
木から足が離れ、地面に降りようとした瞬間にその姿が消えた。
!!?
何が起きたのか見えなかった。
だけど、なんとなくは分かった気がする。
アレが、フォルドコアトル。
姿は見えなかったが、あのスピードは銃でとらえきれるのだろうか。
突如、ものすごい勢いで風を切って近づいてくる音が聞こえた。
とっさの判断で、伏せる。
「いっ!」
少し間に合わなく、背中をかぎ爪のような物でひっかかれた。
あともう少し遅かったら、おそらく捕まっていただろう。
だけど、今度は確かに見えた。
鳥人と言われてぱっと来なかったのだが、今姿を見て分かった。
どう猛な鷲のような体に、整っている女性の顔。
それぞれを見れば、美しいがその二つが合わさった醜い姿。
あれは、フォルドコアトルは、ハーピーだ。