派遣先は魔法世界でした。その7
パッと見では人の手が入っていない自然の山々かと思ったが、そんな事は無かった。
むしろ、人の手はだいぶ入っていた。
というのも、山の中の道は開拓されていてその上、歩道まで整備されていた。
岡田「これは、楽そうですね。道はきちんと整備されているしそれにほら」
そうして指差す方向にあったのは道案内の看板。
そこにはこう書いてあった。
"道なり3km地点にて、フォルドコアトル有り。挑戦者待つ"
やはり、付近の住民からも迷惑がられているのかよくよく見ると賞金までかけられていた。
正直、お金に限っては支給品がある。
それで困ることは無い。
まあ、協会に寄付でもすれば解決なのだが…
ジョン「まあ、使い道は倒した後で考えましょうよ。」
岡田「それもそうね。」
時間を使いすぎるのもあれなのでいち早く向かうことにした。
木々が屋根になっているため、道中はとても快適だった。
これが自然か!!と感動さえした。
だが、一つだけ気がかりがある。
不自然な程に生き物が居ないのだ。
何故なのだろうか、それは今の自分に確かな事は分からない。
ジョン「おかしいですね、生き物の気配が全くありません。」
岡田「やっぱりそう思うよね。となると、それだけ強いってことかな?」
強かったとしても、自分たちに後戻りは許されない。
勇者派遣され、この世界に来た以上倒す他はない。
ジョン「どうも、心配ですね。先に見てきます。あとからゆっくり来てください。戦闘準備はそれまでにお願いします。」
ジョンの緊張感からただならぬ雰囲気を感じて手持ちの銃全てに弾丸を込める。
一度詰めてさえしまえば、切れることは無い。
実際に使った訳では無いがそう聞いている。
準備をしている間にいつの間にかジョンは行ってしまっていた。
万全の体制で向かってこいってことか。
岡田「そろそろ行くかな」
久々の戦闘、それに楽しみを感じているが、また殺し合いをしないといけない恐怖。
こんな気持ちに囚われてる場合じゃない。
早く、一秒も早く終わらせなければ。