派遣先は魔法世界でした。その5
あの技は超高速であの尻尾をふるったことによるものだろう。
そのスピードは脅威だが、装甲となる鱗を捨ててスピードに重視した今、防御力はほぼ皆無。
なにせ、あの鱗が邪魔で、完全に切り切れなかった。
完全に振り下ろす隙さえあればほぼ当たれば勝ちとみて間違いない。
正面に刀を構えなおし、ヘルリザードの攻撃にいつでも対処ができる様に集中をする。
お互いに見つめ合う時間が続く。
エリサはその陰でこっそりと鱗を全回収していた。
エリサ「あのぅ・・・出来れば体も欲しいです。」
先ほどから思うが、この女には緊張感というものが足りないのではないか?
五十嵐「細切れにしてしまえば、持ち帰りも楽だろう。」
どうせなら圧倒的勝利を収めたい。
この会話で少しだが気が抜けた。
いつまでも見つめ合っていてもキリがない。
こちらから動くことにした。
上段から振り下ろし相手の足元の地面を斜めに断つ。
ヘルリザードの重量と、斜めに切られた地面は滑り溶岩の中へ滑り込んでいく。
すると、ヘルリザードが大きく飛んだ。
狙い通り、降り立つまでの間に再び刀を鞘に納める。
これを好機とみて、ヘルリザードは自分めがけて全速力で落ちてくる。
常人なら、瞬きをする間に死んでいたであろう。
その速さだけは認めてやろう。
だが、しょせんは獣、頭が回っていない。
降下してくる体をめがけて、切り上げるような形で抜く。
刀を抜く速さとその鋭さ、ヘルリザードのスピードと重量が相まってその体は横隔膜のあたりから真っ二つ。
そして、遺体が落下しきる前に完全に切り刻む。
地面には、大量の正四角形に刻まれた肉片が転がっている。
エリサ「切りすぎですよォ!!これじゃ研究できないじゃないですか!!」
やりすぎてしまったようだ、エリサに叱られた。
だが、そういうなら自分でやればよかったものを。
責任転換はやめてほしい。
五十嵐「想像以上に弱かったな、これが本当にA級なのか?」
エリサ「はぁ・・・あくまで力だけでのランク付けなのでこういうこともあります。」
五十嵐「鱗だけでも拾えたからいいだろう。」
それだけでも満足してほしいものだ。
そういえば刀はどこへ?
五十嵐「ところで、刀はどこだ・・・?」
エリサ「しりませんよ、私は雪子さんのところへ戻ってます。」
五十嵐「おい、待て!・・・行ってしまったなどうするべきか。」
あきらめる?
いや、そういうわけにはいかない。何とか探し出さなければ・・・
そうだ、あの魔法があったじゃないか。
まがいなりにも魔法剣士だ、少しずつ慣れなければ
五十嵐「”サーチ・スペシフィック蜥蜴丸”」
---魔法使用マナ5×(術者ゲート15+強化アイテム5)、よって100の特定サーチを開始します。
あった。
よかった。
大事に刀を鞘に納めて皆のもとへ走って向かった。
またあらためてエリサには謝らなければ・・・