派遣先は魔法世界でした。その11
二本目の爪痕を見つけた。
ちょうと一本目の100m先に
こういう距離を測ることなら私には歩幅で測るという技術がある。
もし、等間隔にあるならいまこの位置から100mの所。
三本目の木を見つけさえすれば何となく円状に爪痕があるはず。
というか、爪痕だけでさえ100m置きだ。
縄張りとしたらどれだけ大きいんだ?
1度はこの爪痕は遥か昔の物なんじゃないか?
なんて思ったが、どの爪痕もまだ真新しいものばかりだった。
その後も順調に爪痕を3つ見つけた。
現時点で5つ、これら全てを中心に向かって直線上に伸ばした時の交わった点。
そこに向かってゆっくり進んで行った。
もし、自分の事を敵だと考えられた場合が一番怖い。
どんどん中心に向かって進む。
すると、山に入った時とは大違いで鳥の声、虫の鳴き声が聞こえてきた。
これは…この縄張りの持ち主のおかげか…?
そうだったら知性を持ち合わせている可能性が限りなく高い。
始めは微かだった可能性が色濃くなってきた。
中心に向かうにつれて多くの生き物の気配を感じた。
そして、ここが中心と思われる所にまできた。
だけれども、その中心だけ何の気配も音も何も無かった。
えっ?ここまで来たのに肝心の長がいない…
こんな状況に酷く落胆していた。
「今すぐここから立ち去れ。この山の生命をこれ以上絶やさせん。」
偉大で巨大な存在が背後に現れた。
思わず、恐怖で体が固まってしまった。
が、地面に映る影には猫と言うにはあまりにも巨大な影が映っていた。




