一話
あれから、4年が経ち、僕は12歳になった。明日、この村を旅立ち、王都を目指すこととなった。王都への道中には、商都メルクリアークがあり、そこの冒険者ギルドで冒険者登録をする予定。少年少女兵団とも呼べる訓練生達は、人数を増やし、80人程になった。総人口が1000人程、15歳以下が150人程、の村である。農業改革や農地改善にも取り組んだ結果、かなり豊かになった。まあ、関係ないことだ。僕は、将軍とか指導者の類は向いてないと思うし、なりたくもないので、初期メンバーがリーダーとなったというか、任せた、押しつけた。まあ、訓練生達は少年少女ばかりでなく、大人達も入った。その為、自警団といった方が正しい具合になった。老人や妊産婦、8歳未満の子供以外、村の人口の6割程が自警団に加入している。
「レイ、とうとう、明日に出発するんだな。まあ、僕達のことは心配必要無いさ。自分達の村は自分達で守る。それが道理さ。国は、こんな小さな村を重視するはず無いし、領主たる貴族もね。まあ、貴族は税金を取っていくだけの奴ら、全員じゃないだろうけど。しかし、ここの領主は当てはまるから。そんなことより、気をつけて行けよ。」
ルークが語る。
「無理はしなくて良いからな。僕にとって、も大事な村だから、何かあったら助けを求めてくれよ。」
「ああ、そうする。頼むぜ、隊長さん。」
「隊長さんとかやめろ、つうの。それより、ルークは、ミナとよろしくやれよ。」
「わかってるって。」
「じゃあ、皆によろしくな。僕は、朝早く出るからさ。見送りも要らないよ。」
「ああ、伝えとくよ。(まあ、無駄だろうけど。)」
「じゃあ、またな。」
「ああ、またな。」
僕は、ルークと別れた。