五話
「(さて…、時間が空いたことですし、魔物狩りをしますかね。)」
僕は、村の門に向かった。
「おはようございます、おじさん。」
僕は、門番のおじさんに声を掛けた。
「おお、昨日の坊主か。」
「門の外に出たいんだけど?」
「ん…、魔物狩りか?まあ、夕方前には戻って来いよ?」
「了解です。」
僕は、村の外に出た。
「(さて…、どちらの方に魔物がいるかな?お?東の方に、集団が出来ている。魔素溜まりでも出来ているのかな?)」
魔素とは、魔物を発生及び強化するとされているエネルギーで、魔素溜まりとは、魔素が多く濃くなっている場所である。
「魔王軍とやらに、嫌がらせをしに行くかな。(“神速”!)」
神の如き速さで駆け抜け、魔素溜まりの近くに着いた。そこは、魔素の影響で、木や草がほとんど生えていない。
「さあて、時間が限られているから、ね…。(“マルチロックオン”!10000位いるな…。捕捉完了。“大炎球、追尾”!)」
巨大な炎球が魔物達に向かって行く。
「グギャーッ!」
「ギャギャーッ!」
「ブヒーッ!」
「(“大・爆・発”!)」
叫び声を上げる魔物達、は、詠唱と共に爆破四散した。
「ここで終わらないんだよね。“魔素吸花”!」
魔物達の発生源足る魔素を栄養として吸い上げ、浄化された空気を排出する植物である。これを百本程、植えつける。魔素溜まりを放置すると、魔物が大量に発生したり、強力な魔物が発生したりする為危険である。
「魔族の方々や悪意ある人間に邪魔されないように、防御機能を十二分につけているから、よほどのこと無い限り、大丈夫だろう。さて…、今度は、北の方だな。」
僕は、早速、違う場所に向かった。
結局、4カ所回って、今日は終わりにすることにした。特段、疲労した訳ではない。
「(一番強いやつで、オークキングとキングワイパーンだった。一般の人達にしたら、危険な存在だ。定期的に討伐続ける必要があるな。僕自身の訓練にもなる。)」
僕は、村の門の前に戻ってきた。
「おう、坊主。無事に戻ってきたか。」
「はい。門番、お疲れ様です。」
「大したことねえよ。ずっと立っているだけだし、ここ暫くは、魔境の森から、魔物達が出て来ることなかったから暇なもんだ。ありがたいことだが。」
笑って話す門番の男、名はアルフというらしい。
「それはよかったですね。(まあ、魔境の森にいた僕に向かって来ていたのだろう。)それでは、アルフさん失礼します。」
「おう、またな、坊主。」
僕は、アルフさんと別れ、宿に向かった。