三話
「フーッ…、朝だ。この7年間で、最高の目覚めだ。」
まだ、夜明け前、ほとんどの村人が目を覚ましていない時間帯だ。
「(少し、身体を動かすかな…。)」
ガラガラ!僕は窓を開け、外に出た。
「(“転移”!)」
僕は、村の近くの荒野に転移した。
「(“模倣投影”!)」
投影像のモデルは、森で戦った猫又だ。自分が本気で戦い、且つ相手はまだ本気でなかった、それでも、やっと互角でしかなかった相手で、少なくとも、彼と余裕で戦えなければ、実力向上に繋がらないと思う。
「(来る!)」
何の前触れもなく、仕掛けて来る猫又…、避けて攻撃、避けられ攻撃…、一方的な攻撃受ける等を繰り返すこと30分、
「(“消去”!)」
投影像を消して、訓練を終了する。
「フーッ、まだまだだ。とりあえず、“水流”!」
水流で汗を洗い流し、
「(“乾風”!)」
乾いた風を起こし、水気を飛ばす。
「(“転移”!)」
僕は、宿の部屋に転移し、戻った。
「(さて、そろそろ、朝食の時間帯だな…。)」
僕は、ストレッチをして、朝食を摂る為に食堂に向かった。
「おはようございます。お早いですね。」
女将らしき女性が挨拶してきた。
「おはようございます。昨夜はよく眠れて、すっきり目が覚めましたので。」
僕は、挨拶を返した。
「そうですか、それはよかったです。少々、お待ちくださいませ。」
「はい。」
「いただきます。」
僕は、合掌して、食事に手をつけた。堅めのロールパン、オークの肉と野菜のソテー、ヤギのミルクであった、まあまあおいしかった。
「ごちそう様でした。」
再び、合掌して、食事を終えた。
「御粗末様です。」
女将さんが挨拶を返してきた。
「おいしくいただきました。」
僕は笑顔で、感想を伝えた。
「ありがとうございます。」
女将さんも笑顔で返してきた。
「(さて…、とりあえず、村長さんに話をして、娘さんの寺子屋的なもの、に読み書きの勉強をさせて貰うこと頼まないといけないよな。今日からいきなり受ける、というのは無理だろうから、挨拶程度だよな。その後は、魔物狩りに勤しむかな。ということで、早速、村長さんの家に行こう。)」
僕は、本日の予定を立てると、早速村長さんの家に向かった。