俺の記憶はゲームと共に ~デイトナUSA編~
最近はゲーセンにすら行かなくなった。
これは、
ゲーセンに行ってた時の楽しかった思い出を
綴っただけのお話である。
デイトナUSA
当時は、「俺」は「フレ」とよくゲーセンに行ってた。
俺もフレもゲームが好きで、車も好きだった。
従って、カーレース物のゲームは大好きである。
バーチャレーシングから、バーチャフォーミュラ
リッジレーサーときてデイトナUSAにもハマらなかったわけがない。
自分の中では「リッジレーサー」はストイックにタイムを出しに行くもので
デイトナUSAはタイムというよりバトルを楽しむものだったように思う。
これは、単に自分の周りにリッジの対戦台が少なく
デイトナの対戦台が多かった(6~8人対戦台とかもあった)のも
一因とかも思う。
いわゆる
辻対戦のような感じではよく遊んだが
ゲーム大会 といったものには参加したことがない。
そんな中
家の近居のゲーセンで「デイトナUSA大会」が開かれるという情報をゲットした。
「フレ」に確認すると参加したい意向だったので
俺は2人分の参加登録をした。
試合当日
こういう大会には出たことがなかったので
割と緊張するかと思ったが
フレも一緒にいたこともあり
楽しみな感じの方が勝っていた。
レース前に1~2回の練習走行を行い
トーナメント方式による勝ち抜き戦で行われた。
俺とフレは組が離れてしまい、戦うのは決勝のみ。という
ありがちな組み合わせになってるのには苦笑した。
一回戦
緊張の中 スタートの一瞬を待つ。
- START -
アクセルを踏み込む俺
「いっけえええええええええ」
隣で大声が聞こえるとともに
俺の画面の前に何かが横切って行った。
この瞬間、俺は2つのことを理解した。
あぁ…俺 今 車ぶつけられるところだったんだな。
というのと
このレース終了 ということだ。
実際、このままクルージング状態でゴールし、勝利した。
まあ、逆に変にミスすることがヤバイ状態でもあったので
おとなしく走った。という方が当たっていた。
そんなこんなで
特に苦労することなく決勝まで進めた。
だが俺は、レースゲームは好きだが、
上手いと自信をもって言えるほどではない。
少なくとも決勝戦ではフレが来れば激しい戦いになるのはわかってた。
しかし
フレは決勝には来なかった。
フレは、通称「ライバル」に負けてしまった。
フレは準決勝でライバルに負けたが、
その後の3位決定戦を勝利し
3位になった。
通称「ライバル」
俺は彼を知っている。
昔から知っているわけではなく
練習走行でたまたま一緒に走って
「コイツ上手いな」と思ったのだ。
俺はライバルに勝てるかどうかわからないなと思った。
いや
勝たなくてもいいな、と思ってしまったのだ。
問題は景品だ。
3位までは景品が出るのだ。
3位のフレは何かわからない置物をもらっていた。
2位はコンパクトCDプレイヤーだった。
2位の景品は、当時CD再生環境の全くなかった俺にはかなり魅力的だった。
決勝前に
「やべえ。俺、負けてCDプレイヤー欲しいな。」とか
フレとしゃべってしまうほどだった。
だが
ゲームが始まってしまえば、そんな気持ちも吹き飛んでしまう。
- START -
スタートダッシュは互角
コーナーでどちらが前に出るかが勝負だった。
当時はまだ、ゲーメスト等のゲーム雑誌で
デイトナの攻略が発表される前で
ゲーム的なコーナリング方法(アクセル全開のまま4→2→4とギアシフト)が
確立される前だったので
普通にアクセルワークとハンドルでコーナーをクリアしていく方法でやっていた。
コーナーで前に出れば直線では抜かれない自信はなんとなくあった。
頭を押さえて(物理?)抜かせない作戦だった。
実際、ライバルを覚えてたのはこの作戦のせいで、
練習走行時に練習に(一方的に)付き合ってもらっていたのだ。
ライバル側のモニターを直接見つつ、
ライバルカーの動きに合わせて、
ライバルカーの前に来るようにコノトロールし
ライバルの加速を「コツコツ」当てることで相殺していった。
コレ、自分でやられたことないので
やられたらどんな気持ちなのかわからないが
以前、フレに
スタート直後のコーナーで
ゆっくり横につき
そのままじわじわとコースアウトに誘導して
コーナー直後のトンネル入り口にぶつけてみる。というのをやってみたことがあるのだが
ちょっと茶目っ気が出た程度の感覚だったが
隣で、本気モードのジェノサイド状態 だったので、
本人にはいまだに「俺がやった」とは言ってない(苦笑)
ごめんね フレ
そんなこんなで
ストレートで俺が間に出たら抑え込んで(物理?)
コーナー勝負 という感じになっていた。
そのまま、2週 3週とデットヒートを繰り広げ
ファイナルラップの最終コーナー前。
俺が前にいた。
俺がいつものように頭を押さえ、
コーナーをクリアーした時に、
俺が前にいたら、そのまま終わりだ。
仮に前に出られても
その時まで同じように頭を抑えられることはなかったので
まだ勝てるチャンスはあった。
最終コーナー
ずるっ
あ
終わった。
やってしまった。
俺のマシンはそのままコースアウトするまで止まらず、
そこからの挽回は、ありえなかった。
「あああぁぁぁぁ~~~~~」パチパチパチパチ。
俺は、しくじったことへの落胆の声と
そこまでのバトルを楽しめたという拍手。と理解した。
俺は負けた。
そして同時に勝ったことに気が付く。
俺は、景品として欲しかったCDプレイヤーを手に入れた。
ライバルは
俺もフレもいらないと公言していた「マウンテンバイク」が贈られた。
ただ、
「いりません」と店員さんに言ってたライバルの声が、少し哀れだった。
最後に滑ったのはわざとじゃないから!(苦笑)