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名もない花  作者: 林 秀明
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電気2 Kの性格

Kはとても真面目だった。有名私立大学を卒業後、新入社員として入社し、2年が経っていた。その性格ぶりは感情は表に出すが、誰にも文句は言えない。要領が悪く、仕事を抱えすぎるとテンパッてしまう。


また真面目さゆえに怒られ易いという性質だ。田んぼにアメンボがいるように、なんとなくそこにはいるのだが、踏みつけられるとそこに居たのかと思うような気質をKは持っていた。


「なんでお客様に連絡入れへんねん?」上司はKに怒鳴った。


「すいません、バタバタしていて入れるの忘れていました」


「クレームになってるんやぞ。得意先から問い合わせ入った時なんで入れへんかったんや?」


「すいません……」


「すいませんじゃない。なんでやって聞いてるんや」


「……」


こういうやりとりを何度か目にした事がある。トラが獲物を狩猟し、目的物を捕獲した。目的物は様々な行動(言い訳)をして、難を逃れようとするが、トラに身を剥がされる。人間社会での食物連鎖というべきものなのだろうか。誰も助けてはくれず、平然としている。人間社会の合理的行事なのか。


「もういい!! やるから仕事しとけや」


最後はバンっと扉を閉められたように急に会話が遮断される。言いたいことがあっても急に閉められたらどうしようも出来ない。


呼び鈴を押そうにも押す勇気が出ない。そうしてショボショボと帰路(自分の席)へKは帰っていくのである。


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