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名もない花  作者: 林 秀明
13/19

電気13 ジャッジメント

「窓を開けたら良い感じに温度がなるんじゃないの?」


僕は中立的な立場で返答した。


「窓を開けたら家の中の声がご近所に聞こえるじゃないか! 何という模範解答だ」


模範解答でも何でもない。むし父さんの声が何よりもうるさかった。


「扇風機で十分いけるわよ。エアコン1台よりも扇風機2台の方がよっぽど涼しいわ」


父さんと母さんの火花が僕の目の前で繰り広げられていた。何でどうでもいい事に全力でこの人達はぶつかりあっているのだろう。


「いっそ立ち位置を決めたら?」僕は投げやりな回答をした。


「立ち位置!?」二人は目を見合って僕の方を向いた。


「そう立ち位置だよ。父さんはエアコンの近くに母さんはエアコンより遠くに立っていれば体感温度も違うだろ?エアコンの温度は25度で決定します!! これなら文句ないだろ? 暑くなったらエアコンに近付けばいいし、寒かったら離れたらいんだよ」


「そっか……そうだよね」二人は少し恥ずかしそうな目で見つめ合った。


「俺達がエアコンの冷暖房みたいに感情的になってどうするんだ。これからは快適な『スムーズ』を自分たちで作っていったらいいんじゃないか」


「あなた……素敵」


僕の目の前が真っ白になり、気付いた時には門の外へと立っていた。


「何だ、、あの試練は……」



少しばかり風がどこからか吹いていた。

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