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教導

愛の技の神殿で愛の技を学びます

終わった後で驚きの展開が

 ローランの屋敷に戻ってから、宝物庫の装備品をもう少し調べた。『力の籠手』という装備が、装備者の腕力を上昇させる、強化魔法の効果を持っているらしく、有望そうだった。その他に、『砂塵のワンド』と『霧の盾』という装備も、興味深い能力を備えているようだったので、後でもう少し調べてみることにした。

 『治療者のワンド』はアベリアにも使わせてみたところ、思った通り知識の流入が起こった。今回は、私、アベリア、レスリー、ローズの4人が、あらかじめペンと紙を用意して、知識を書き留める準備を整えてから始めたので、半分以上の知識を書き留めることに成功した。しかし、やってみて分かったのだが、流れ込む知識は、ワンドを使用した者によって異なるようだった。

 その後、レスリー、ローズにも使わせてみたところ、どうやら使用者の知らない知識が流れ込むらしいことが分かった。もしかすると、このワンドは知識を授け、学習させるために作られたのだろうかとも考えたが、そうすると『ワンドに使い手として認められる』必要があるという条件に違和感がある。


 翌日は朝から愛の神の神殿に行った。ダリルとターボは関心がないようなので別行動だ。たぶんまた武器工房にでも行くのだろう。

 神殿ではまず、教導室の案内役に、1人ずつ別の個室に連れて行かれ、問診を受けた。教導内容で希望すること、希望しないこと、好きなこと、嫌いなこと、これまでの経験、健康状態その他、数百項目に及ぶ詳細なものだ。

 私は話術がうまくない実感があったので、教導内容は会話術、交渉術、観察術あたりを希望するつもりだったが、女達から思念伝達で注文が入った。私に夜の運動の技術訓練の他、着こなしの技術や、誘惑術の訓練もさせたいらしい。普段の私の服装は、何かおかしかっただろうか?しばし思い返していると、私の服装についての女達の感想が伝わってきた、どうやら茶色っぽい冒険者風の服ばかり着ていることが、不満だったようだ。もっとしゃれた服を着ろと言うことか。そういえば、冒険者の服って、作業着で運動着だから、作業服やジャージでうろうろしている、オッサンみたいに見えるのかも知れない。着心地いいんだけどな。こういう感想がそもそもオッサンなのかな?

 着こなしの技術はまだしも、誘惑術はさらに分からなかった。私に何をさせたいのだろう?しゃれた格好をして、誘惑しろとでも言うのか?どうやら、そうらしい。良く分からないが、女達から強い要望が感じられた。難易度は高そうだが、女達が希望するなら、出来るだけの努力はしてみよう。

 ちなみに、教導は内容によって、無料で受けられるものと、通常は有料のものがあるらしいのだが、我々は全員、すべて無料で受けられるように、神官長が手配しているらしかった。

 レスリーとローズからは、『練習相手は自分のパートナーを希望』して欲しいという注文も入った。言われてみて初めて気がついたが、教導師を相手に夜の運動の練習をすることも出来るらしい。3人プレイでも大丈夫なのか、一応教導室の案内役に確認した後、レスリーとローズの注文通りにして置いた。

 問診の後は、簡単な健康診断も行われた。教導内容によっては、かなり過激な運動を行うこともあるので、健康状態の確認は重要らしい。

 その後は、問診内容と、教導師の空き時間に基づいた、2日連続のスケジュール案が提示された。このスケジュールは、こちらの都合で今変更して貰うことも出来るし、1日のスケジュールが終了した時点で変更することも出来るそうだ。とりあえず、2日目のスケジュールは3日後に変更して貰った。これでやっと、スケジュールが確定した。最初の予定は会話術基礎の座学になるようだ。20分後から始まるらしい。


 午前中は会話術、交渉術、観察術、着こなしの技術の基礎講座と簡単な実習を受けた。盛りだくさんだったので、それほど突っ込んだ内容ではなく、ちょっとしたこつを覚えて練習する感じだった。それなりに興味深いものもあったが、役に立つかどうかは微妙かも知れない。

 昼食は神殿内の食堂で食べた。教導生も利用出来る立派な食堂があるのだ。実際に利用者の内100人近くは教導生らしかった。10代前半から20代後半くらいまでの、様々な人が学びに来ているらしかった。

 午後の初めは誘惑術の基礎講座と実習だった。誘惑術の実習は最も難易度が高かった。歯の浮くような台詞を、情感たっぷりにしゃべる練習をさせらるのは、心理的に難易度か高く、すごく疲れた。実際にこんな台詞を使う機会など無いのでは?と思ったが、教導師の言に寄れば、この程度の台詞は呼吸するが如くに使いこなせなければ、とうてい誘惑は成功しないのだそうだ。そう言うものなのだろうか?私には無理な気がする。


 ようやく誘惑術が終わると、次は愛の技の実技だった。指定された部屋は縦横15メートルくらいのかなり大きな部屋で、床の広い範囲にマットレスのような物が敷かれていた。そこにレスリーとローズと教導師が現れたのだが、なぜか教導師が8人もいる。人数が多いのは、神官長の指示らしい。大勢で何をするのだろう?

 「とりあえず見ていますので、始めてください。」見たところ年かさの教導師が、妙なことを言い出した。

 「へ?始めるって?」

 「かなりの技量をお持ちであることは、神官長から聞いております。普段ご自宅のベッドでなされている通りで結構です。お気軽に愛の行為を始めてください。我々は、それを見て、アドバイス出来るところがあれば、アドバイスしますので。」

 いやいや、何を言ってるんだ、『見てるからやれ』とか、あり得ないだろう。羞恥プレイなのか?見られて興奮する趣味とか、持ち合わせていないぞ。唖然として言葉が出てこない。

 「慣れないと、人前ではやりにくいかも知れませんね。では、我々が先に始めましょう。」

 私がびっくりして、反応出来ないで居ると、8人の教導師達が、スルッと服を脱ぎ、4組に分かれて目の前で始めてしまった。全く躊躇がない流れるような動きだ。すごく手慣れている感じだ。普通なら興奮するようなシチュエーションかも知れないが、驚きの方が強すぎて、今ひとつそう言う気分にならない。だが、レスリーはそうでもなかったようだ。

 「レディク様見てくださいあれ、すごいポーズですー。レディク様は、ああいうのしないんですかー?」

 「やったことはないな。興味はないこともないが。」

 「お好きなんですねー?やりましょう、直ぐにやってみましょー。」

 レスリーは興奮していると言うより、変わったプレイに興味津々な感じだが、やりたがっていることは確かで、服を脱いで絡みついてくる。似たようなタイミングで、別室にいるアベリアと猫耳戦士も始めたらしく、そちらからも興奮が伝わってきて、私も興奮してしまった。ローズにも興奮状態が伝染したようだ。

 我々が始めると、教導師達は我々の様子を見始めたが、彼らの自身の運動も中断せず、ゆっくりではあるが、そのまま継続して取り組んでいる。さすがはその道のプロだ。たいしたものだとは思う。思うが、あまり敬意は感じない。どちらかというと、なんだかおかしくて、笑いがこみ上げる。

 そういえば、神官長は私の夜の運動の技術に興味があるようだった。教導師の数が多いのも、そのためかも知れない。今現在も、強化魔法と思念伝達は使っているのだが、目で見ただけでは分からないだろう。わかりやすい技も、使って見せてあげようか。ちょっとした悪戯心が起こる。

 持参した荷物の中から、肌触りの良い厚手の木綿で作ったベルトを取りだした。腰と、手首と、足首に取り付けられる物で、水入りのタンクが付いている。以前に飛行練習と称して、空中でやってみたのが楽しかったので、こっそり用意して置いたものだ。肌触りや使用感が大幅に改善されている。

 さらに、十数個のプラスチック製のボールを取りだし、40度程のお湯を満たした。こちらは、旅行中に思いついて作り、最近使ってみているものだ。直径2センチから20センチの大きさで、一部のボールは、肌触りの良い木綿や絹で覆われている。

 レスリーとローズと自分自身にベルトを装備して、重力操作で重さを低減させた後、水を操作して3人の体を浮き上がらせた。周囲にボールも浮き上がらせる。久しぶりの飛行練習だ。

 教導師達の驚きの声が上がる。私が妙な道具を取りだしたのを見て、変わったプレイをすることは予想していただろうが、さすがに空中でするとは思っていなかっただろう。しばしの間、教導師達のびっくりした顔を楽しんだ。

 レスリーとローズも少し面白がっていたが、そろそろ本腰で自分たちの相手をして欲しいようだ。普段の夜の運動に比べて、私が集中していないので、物足りないのだろう。もちろん私も、久しぶりの飛行練習をこの程度で終わらせるつもりはない。色々と考えていたこともあるので、ここからは集中して取り組もう。


 その後40分間程の間、運動を続けた。レスリーもローズも気持ちよさそうではあるが、少しぐったりしてきた。最近は少し慣れて、気絶することこそ無くなったが、思念伝達の感覚増幅効果があるので、体力を強化していてもそんなに長時間は続けられないのだ。普通なら休憩を入れるところだろう、しかしアベリアと猫耳戦士がやってきた。

 アベリアと猫耳戦士が別室で教導を受けて、不満を感じていることは、思念伝達で知っていた。さらに、私とレスリーとローズが、空中での運動などと言う、面白そうなことを始めたため、こちらに合流したくなったのだ。アベリアと猫耳戦士の相手の教導師も、技術的に劣ってはいなかっただろう。ただ単に、思念伝達でお互いの感覚が分かる状況での運動に慣れてしまった2人には、思念伝達なしでの運動が物足りなく感じられただけだと思う。

 アベリアにはそれが分かっていたので、教導師に対して不満を口にすることは無かったが、強化魔法によって身につけた体力と、技巧の限りを尽くして、相手の教導師をギブアップさせてしまった。可哀想なのは、猫耳戦士の相手をしていた教導師で、猫耳戦士に「下手くそだにゃー」とか、文句を言われ続けた結果、心が折れてしまったようだ。

 アベリアと猫耳戦士の他に、新たな教導師と神官長まで現れて、見物人が増えてしまったが、少しぐらい見物人が増えたところで、今更気にならない。アベリアと猫耳戦士にもベルトを装着し、2人には初めての飛行練習を堪能させた。


 それから2時間近く程飛行練習を続けたと思う。女達は全員ぐったりしているし、私もさすがに疲れたので、練習を終えることにした。教導師達はボーッとした顔をして、我々を見ているだけだ。たいして期待しては居なかったが、「アドバイスします」とか言う話しはどうなったのだろう?まあいいか。汗ばんだ全員の体を、お湯で洗い流し、乾かした後、女達をマットレスの上に下ろして休ませた。

 体を冷やさないように、女達に服を羽織らせ、私も服を着始めると、神官長が歩み寄ってくる。

 「レディク様。感服・・いえ、感動いたしました。並々ならぬ技量をお持ちとは思っていましたが、まさか、これほどとは思いませんでした。」

 はて?飛行練習がどうして、そこまで高評価なのだろう?楽しい技ではあるが、少し変わった体験程度のものだと思うのだが。

 「あたかも、お互いの思い、望み、感覚が完全に通じ合っているかのような、レディク様と愛人の方々との動き。愛の技の究極のあり方を、この目で見た思いです。」

 あー、そういうことか。実際に望みとか、感覚とか通じ合っているのだが、目で見ただけで気がつく人がいるとは思わなかった。

 「素晴らしい技を見せていただいたお礼も兼ね、レディク様には名誉教導師長の称号をお送りしたいと思います。こちらは証書になります。教導師長は上級神官に相当する位ですので、こちらの神官の印もお渡しいたします。各地の愛の神の・・・」

 神官長に手渡された『神官の印』というものを見て、私は驚愕した。神の名を示す文様は異なっているが、形、大きさ、色調が、ガンダリが持っていた眷属の印とそっくりなのだ。

 「神官長。・・このペンダントは、愛の神の眷属の印ではありませんか?」何かの話を続けていた神官長の言葉を遮って尋ねた。

 「どこでその名をお聞きになったのですか?確かに昔は眷属の印と呼ばれていたそうです。神殿の古い伝承にしか残っていない呼び名ですが。」神官長が怪訝な顔をする。

 「長の印とか、神官長の印とか、そう言う名前のペンダントもありますか?」

 「確かにございます。これがそうです。」神官長は首から下げ、服の下に入れていたペンダントを取りだして、見せてくれた。ゴブリン族の族長の印とそっくりだった。


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