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プレゼント

アベリア、レスリー、ローズへのプレゼントのために

アクセサリーとか靴とか服とかを買って回ります

 家に帰り着くと、アベリアが夕食の支度をしていた。ちゃんと全員の分量がある。雨なので、早く帰ってくるかも知れないと思ったそうだ。


 翌朝。冒険者ギルドに行った。依頼達成報告とアイテムの換金、資料室での調べ物のためだ。

 報告と換金は『光の勇者』のメンバーでやってもらうことにした。『光の勇者』なら2級冒険者なので、高額アイテムを持っていても目立たないだろう。と、思っていたのだが、ガーゴイルの心核約240個とリビングアーマーの心核約80個は多すぎたようだ。窓口のトレーに次々と並べられる、心核の大きさと数は人目を引いてしまい、多数の見物人が集まっている。私は無関係を装って、資料室に行った。


 資料室で精神魔法に関する情報や、遺跡に関する情報を探してみたが、参考になるものは見つからなかった。魔王や魔人が関わる伝承も、少しだけ調べてみたが、全く役に立つ情報が見あたらなかった。治療魔法の中に、精神の不調や異常を直す、キュアマインドという魔法があると分かったことが、唯一の収穫だった。

 熟成された薬草の利用法についても調べてみたが、こちらについても情報は見つからなかった。


 今回の報酬と、素材の換金学の合計は、金貨で680枚に達した。光の戦士の取り分は、金貨250枚でどうだろうと提案すると、そんなに貰えないと、断られた。そもそも、収入の半分以上は、私が倒したリビングアーマーの素材で得られたものだという話しだ。その上に、食事・居住環境・移動手段に関しては私に依存しており、能力強化・技術指導までして貰っているので、無報酬でも良いくらいだ、などと言い出す。今後も長く一緒に行動する予定なので、無報酬というわけには行かないだろう。ヒュー達も含め、全員1人当たり金貨30枚で、納得して貰った。

 一応聞いてみたが、レスリーとローズはやはり、報酬を受け取らなかった。現金がダメなら、何か物を買って上げようか。プレゼントなら断られない気がする。しかし、何を買おう。服とかがいいだろうか。しばし考えた後、クロエに相談してみることにした。


 「プレゼントですか。レスリーさんと、ローズさんに?」

 「あとアベリアにも上げたいな。3人とも現金はほとんど受け取らないから。綺麗な服とか上げたら喜ぶかなと、思うのだけれど、どうだろう。」

 「良いかも知れませんね。あと、ちょっとお洒落な靴とかも。普段履きの綺麗な色合いの靴って、あまり売っていないですけど、この町には良い靴屋さんがあるんです。行ってみますか?」

 「なるほど、靴か。良さそうだね。そう言えば、靴はあまり持っていないようだし。」

 「予算はどれくらいでしょう。」

 「1人当たり金貨10枚、いや、30枚以上使っちゃっても問題ないか。」

 「レディク様。一体どれだけ買うつもりなんですか?ミスリル製の防具じゃないんですから、普通の服や靴にそんなに・・。お金をかけても良いなら、アクセサリーを買いませんか?弱い効果ですが、護符の効果を付与したアクセサリーを売っています。小さめの宝石をあしらった、お洒落なデザインの物が、女の子に人気があるんです。きっと喜ぶと思いますよ。」

 「アクセサリーか。それも気がつかなかったな。魔道具屋でも、防具屋でも見かけなかったが、どこで売っているのだろう?」

 「もちろん、宝飾店です。レディク様は関心がなかったので、気づかれなかったのでしょう。この近くにありますよ。」


 クロエの案内で、宝飾店を見に行った。冒険者ギルドのすぐそばの、表通りにある店だった。確かに、店の前を何度も通ったはずだが、ここで買い物をする可能性があるとは思わなかったので、忘れていたようだ。

 護符の効果付きのアクセサリーを調べてみた。魔道具のようなものかと思っていたが、どちらかというと聖具に近いらしい。核の部分は神殿で作られているそうだ。種類も、デザインも、付与効果も様々で選ぶのが大変だった。

 腕輪と指輪は、作業する時に邪魔になるかも知れないと思ったので避けた。クロエの意見を聞きながら、普段身につけられそうな、チョーカーとイヤリングを物色した。ダークシルクとシルクを組み合わせたリボンに、ミスリル製の小さな装飾プレートを取り付け、小粒の宝石をはめ込んだチョーカーを3種類買うことにした。はめ込まれたエメラルド、サファイヤ、ルビーに合わせて、リボンも色違いになっている。


 宝飾店の次に、クロエのお薦めの靴屋に行った。ここも初めての店だ。主に女性用のお洒落な靴を扱っているようだ。かなり品揃えが良く、いろいろなデザインの靴を扱っているため、何を選んで良いか迷うので、かえって困る。自分用の靴ならば、履きやすさを基準に選ぶので、普段はあまり靴のデザインを気にしない。デザインを重視するとなると、何を選べばよいか全く分からない。

 結局、クロエにいくつか候補を選んで貰い、その中から選ぶことにした。選んだのは、折り返しの付いたショートブーツだ。作りがしっかりしていて、履き心地が良さそうだし、カラーバリエーションが多く、色違いを3足買うことが出来た。


 「この靴と合わせる靴下やスカートは、どんなのが良いかな。」3人がブーツを履いたところを想像していたら、つい言葉が漏れてしまった。

 「では、次は靴下を買いに行きましょう。」クロエのテンションがだんだん上がってきた気がする。自分の物でなくとも、買い物は楽しいのかも知れない。


 その後数件の服屋を回り、靴下、スカート、ブラウス、ジャケット、ハーフコートなどいろいろを買い込んだ。

 「結局身につける物を、一通り全部買っちゃったな。」

 「そうですねー・・。」クロエはいったん同意したが、なにやら考え込んでいる。

 「レディク様。まだです。大事な物を忘れていました。」そう言って、クロエはさらに別の店を案内した。

 その店は、女性用の服の専門店らしかった。しかし、クロエに連れられて店の奥に入ると、女性用の下着の品揃えが多い店であることが分かった。


 「身につける物全部なら、下着を忘れてはいけません。下着を忘れるなど、画竜点睛を欠くようなものです。」なんだか随分下着に関する思い入れがあるようだ。

 「そう言うものでだろうか?」

 「もちろんです。」

 「えっと・・どういう下着が・。」

 「下着に関しては、私がアドバイスするわけにはいきません。レディク様のお好みで、最も魅力的だと思うものを選ぶべきですわ。」クロエはそう言った後、店員に近づいて、なにやら小声で話している。何を話してるんだろう?

 「では、私はここで、お先に失礼しますわ。」クロエはにっこりと笑って帰って行った。後は1人で選べと言うことだろう。今日は、クロエの今まで知らなかった部分に出会えた気がするな。

 しかし、男1人で女性用の下着を物色するのはやだな、と思っていたら、店員が商品を色々持ってやって来た。

 「このあたりの商品が、魅力的なデザインで人気がありますがいかがでしょう。」魅力的というのは、つまりエロイと言うことなんだろうな。黒レースとか、布面積の少なめのものとかが多い。しかし、そう言えば、3人ともここまで豪華なレースの下着は持っていなかった気がする。それに、この下着、すごく触り心地が良い。

 3人にレースの下着を着せたところを想像すると、買って帰りたくなった。3人にそれぞれ2枚ずつ、買っていくことにした。


 気がつくと、昼を少し回ってしまっていた。買い物に結構時間を使ったようだ。急いで家に帰ると、皆私が帰るまで、昼食を食べるのを待っていたようだ。私が遅れた時には、先に食べて居て欲しいと言ったが、ローズは「レディク様を差し置いて、先に食べるなんて出来ない」と言う。説得するのが大変そうな気がする。


 昼過ぎに、再び出かけた。

 魔道具店で、キュアマインドのスクロールがあるか調べたが、置いていなかった。やはりマイナーな魔法らしい。練習用にヒールとウォーターショットのスクロールを買い、サンダーのスクロールがあったので、これも買っておいた。

 領主館に行って、ローランに面会を求めると、すぐに通して貰えた。ローランは執務室にいたが、以前にあった時に比べて体調が良さそうだ。暇になったわけではないが、きちんと休める程度には、仕事が片付いたそうだ。

 遺跡に行って調査した結果を話した。まだ全貌は明らかになっておらず、調べなければならないことが多いが、遺跡には魔王が恐れるだけの力があるのかも知れない、という推測も話した。

 予想通り、ヘルミ博士とリンドは既にエドリンに帰っていた。変装用の装備は明日には出来上がるので、明日の昼過ぎには家に持ってきてくれるという話しだった。



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