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飛行練習2

実戦練習が続きます

どんどん強くなっていくようですが

これは本当に飛行練習?疑問を感じなくもないです

 昼食後はしばらく、レスリーとローズの能力の確認を行った。

 まず、岩と水で、直径1センチ、5センチ、10センチ、15センチの、4種類の大きさの球を作らせる。発動の早さも見る。二人とも問題ないようだ。

 次に、ローズには、土埃のような細かい岩の粉を作らせる。実際に作った物を触らせてみると、イメージがつかめたようで、作ることが出来た。レスリーには霧を作らせた。

 粉と霧を自分の周囲に薄く広く展開させ、魔力を通して周囲にある物を探る練習をさせる。だいたい把握出来るようだ。

 目をつぶった状態で、魔力を通して私の立っている位置を探り、指さし続けるように指示する。私が歩いて移動すると、二人の指も追随して動くことを確認する。

 「では、これは分かるかな?」言いながら、自分の前に、等身大の氷の固まりを作った。私は右に移動し、氷の固まりは左に移動させる。

 二人の指は少し迷ったが、正しく私の方を指し示した。

 「よし。合格だ。そのくらい感知出来れば十分だろう。二人とも優秀だな。」二人を褒めておく。1日半でここまで習得できれば優秀だろう。


 次の課題だが。このあとは、二人にも少し強化魔法を練習してもらうつもりだ、と話すと、二人とも顔が赤くなった。

 「わかりました。レディク様に喜んでもらえるようにがんばる。」ローズが赤らめた顔に、真剣な表情を浮かべている。

 「夜にここですると、ヒューさんと、クロエさんにも分かってしまうと思うので、恥ずかしいですー。でも、レディク様がしたいとおっしゃるのでしたら、満足していただけるように、がんばりますー。」レスリーは恥ずかしそうではあるが、まんざらでもないという顔つきだ。

 「待て待て、何か勘違いしていないか?夜するって、どうしてそう言う話になるんだ。」

 「すいません、勘違いでしたー。昼間からするんですねー。アオカンですかー。確かにそれなら、少し離れた場所に行けば大丈夫ですよねー。」レスリーがうれしそうに言う。


 とりあえず、強化魔法についての二人の認識を改めてもらうよう、詳しい説明をした。二人とも、納得はしたが残念そうだった。

 「少し離れた場所に行けば大丈夫」というレスリーの意見には、同意出来たので、二人を連れて、少し離れた場所に行った。


 昼間から、予定外の運動をしてしまったが、少し離れた場所から帰った後、強化魔法の習得法について教え、かなり習得が難しい魔法なので、気長に練習するように説明した。回復魔法の練習、魔力の操作範囲拡張の練習なども、平行して行うよう指示した。


 再び遺跡に向かい。午前中より難易度を上げた練習を始めた。

 午前中は1体だけ孤立しているガーゴイルを探して、練習台にしていたが、午後からは同時に2体以上のガーゴイルを相手にする。受ける攻撃の数が増えるだけでなく、前後から同時に攻撃されることもあるため、視覚と魔法による感知の両方を使って、攻撃を避け続ける。高速の回避運動の連続に、頭がクラクラし、遺跡の外に待避することもあったが、何度も続けるうちに、次第に体も慣れ、攻撃を避けるこつもつかめるようになった。

 複数のガーゴイルの攻撃を同時に予測し、どのガーゴイルからも攻撃されにくい場所に回避する。ガーゴイルの体勢を崩すと同時に、別のガーゴイルからの攻撃を妨害する位置に移動する。または、ガーゴイル同士をぶつけてしまう。翼の先端を押したり引いたりすると、比較的容易にガーゴイルの体勢を崩せることも分かった。

 1時間弱ほど続けると、複数のガーゴイルとの練習も慣れてきたので、さらに、難易度を上げる。回避を続けながら、ガーゴイルの胸と背中に、ウォータージェットで落書きをする。胸に123、背中に456と数字を書こうとするが、自分の体もガーゴイルの体も動き回っている状態で、文字を書くのはやはり難しい。ミミズののたくったような線しか書けず、最初の数回は読める文字にならなかった。

 ウォータージェットを、素早く正確に、発動出来るように集中する。一瞬で文字を書き終わるには、ウォータージェットの強さも上げる必要がある。もちろんウォータージェットに気を取られすぎて、回避がおろそかになってはいけない。

 その後20回以上の練習を繰り返し、納得のいく文字が書けるようになった頃には、周りにいるガーゴイルのほとんどが落書き済だった。回避の方もすっかり慣れて、数体のガーゴイルに囲まれた状態でも、無理なく回避を続けることが出来る。ガーゴイル相手の練習は、これくらいで良いだろう。

 落書きガーゴイルは、片付けておくことにする。少し距離を取って、一度に数体のガーゴイルの心核と魔石を切り取ってしまう。攻撃を回避しながら文字を書くよりはるかに簡単だ。落書きガーゴイルを全部片付けると、心核と魔石の数は33個ずつあった。


 次の練習は、リビングアーマーに相手になってもらうことにする。リビングアーマーは飛べないが、スピードはガーゴイルより上だしリーチも長い。盾を使った防御もうまい。地上すれすれを飛行して、リビングアーマーの攻撃を回避し、頭を殴る練習をするつもりだ。もちろん、殴って倒そうと言うことではない。素手に比べて3倍はリーチの長い、リビングアーマーの剣による攻撃を、回避する練習が主目的だ。

 遺跡の奥に移動する。移動する時に、途中にいるガーゴイルやゴーレムに付いてこられると面倒なので、上空の高い場所を通過しても感知されるかどうかを調べておく。20メートルくらいの高さまで上がれば、ガーゴイルでも感知しないようだ。

 孤立しているリビングアーマーを探す。適当な相手を見つけると、近くの地上すれすれまで降下した。リビングアーマーはこちらを感知して、走り寄ってくる。練習しやすい場所に誘導してから間合いを詰めた。

 剣の切り下ろし攻撃を横に避けると、すぐに、斜めに切り上げる攻撃が追ってくる。さすがに動きが速い。いったん下がる。速いが、全く避けられない、というほどではない。剣の攻撃をかいくぐって、密着状態になれば、頭に手が届くかな、と思った。

 しかし、実際にやってみると、うまく行かなかった。密着状態からでも、多彩な攻撃を使ってくるのだ。盾の叩きつけ、盾を構えた状態での体当たり、盾でのかち上げから蹴りの連続攻撃、盾のフェイントから剣の連続攻撃。技の多彩さは、上級の冒険者に匹敵するかも知れない。しかも、スピードとパワーは、人間とは比べものにならない。少しでも体勢を崩すと、恐ろしいスピードの斬撃が襲ってくる。氷の盾でかろうじて回避した。

 30分ほどの間、接近しては振り払われる、という攻防が続いた。ガーゴイルに比べて攻撃のバリエーションが多く、次の行動が予想しにくい。素早く弧を描いて背後に回る方法は一応有効だが、リーチが長いだけにこちらの移動時間が長くなり、リビングアーマーの反応も早いので、決定打にならない。重いだけあって、安定感も抜群で、体勢を崩すことも難しい。

 通常攻撃の回避には慣れてきたが、頭に手が届く距離には全く近づけない。時々繰り出してくる、鋭く、隙の少ない連続攻撃は、氷の盾なしでは、回避することも難しい。これは、無理かも知れない。一応、練習になったし、このあたりであきらめるべきか。

 もう少しだけ粘ってみることにした。盾の攻撃を浴びにくいぎりぎりの距離で、回避を続けて、どこかに隙がないかを探る。剣では攻撃しやすい距離なので、リビングアーマーの剣の動きが速くなる。連撃に気をつけて、回避を続ける。

 しばらく粘り続けた後、リビングアーマーの右脇腹近くに接近した状態では、あまり攻撃を受けないことに気がついた。肘打ちとか、剣のこじりでの打撃を使ってくるかと思っていたが、そう言う攻撃はしないらしい。この状態になると、ほとんどの場合、リビングアーマーは体の向きを変える、まれに、1歩下がるか、飛び下がるか、肘を回して剣を当てようとするが、どの動きも遅いので、危険を感じない。

 何度も右脇腹に接近して、動きを確認した後、向きを変える瞬間にリビングアーマーの足を叩いて、動きを妨害してみた。リビングアーマーがよろめき、その隙に、初めて頭を殴ることに成功した。体重が重いだけに、体重移動が起こる瞬間に、足の位置をずらしてしまうと、修正に手間取るのかもしれない。

 左右に回避を続け、リビングアーマーが体の向きを変えようとした瞬間に、足を押したり、殴ったりして効果を調べた。十数回試した結果、4-5回に1回は、リビングアーマーがバランスを崩して、よろめくことを確認した。さらに、練習を続け、崩す方法やタイミングを工夫する。2回に1回は、リビングアーマーをよろめかせ、頭を殴ることが出来るまでになった。

 最後の一発を当てた瞬間、やけにいい音が響いたと思ったら、リビングアーマーの頭が外れて転がった。腕で殴ったくらいで、壊れるとは思わなかった。当たり所が良かったのだろうか。リビングアーマーはまだ動いているが、動きが悪い。良い練習台にはなりそうもなかった。


 気がつくと、またもや汗びっしょりになっていた。高度を上げ、遺跡の外に移動する。防具を外して、汗を流した。日没まではまだしばらくありそうだが、疲労で全身が重い。今日はこのくらいで切り上げることにしよう。


 レスリーとローズの様子を見に行くと、レスリーが強化魔法の習得に成功していた。数日練習を続けても、習得出来ない可能性もあると思っていたので、うれしい誤算だった。強化魔法の適性が高いのだろうか。その他の練習の成果も確認すると、ローズの方は魔法の操作範囲がかなり伸びていた。


 少し早めに練習を終え、のんびり風呂に入って、夕食を食べた。


 翌朝。

 夜明け前に目覚めると、全身に身動き出来ないほどの、ひどい筋肉痛を感じた。

 ヒールを掛けると治った。治らなかったらどうしようと思っていたが、治って良かった。普段は運動をしていなかったし、筋肉痛になるのも仕方ないか。これからは、毎日軽い運動くらいするように、心がけよう。


 朝食後に、レスリーの強化魔法の効果を確認しようとした。立ち幅跳びの記録を比較する方法を説明する。

 「まずこうやって、強化魔法を掛けていない状態で、立ち幅跳びをする。」説明しながら、実際に跳んでみせる。

 「この距離を測ると2メートル・・・あれ?」

 「3メートルくらい。」ローズが指摘する。

 「前回は、2メートルとちょっとだった気がするが。・・まあ、とにかくこれを記録した後で、強化魔法を掛けて跳んで。」実際に跳んでみせる。

 「すごいですー。」レスリーに言われるまでもなく、今回は跳んでいる途中でわかった。すごく距離が伸びている。目測で5メートルくらいか?

 「・・・こうやって、時々飛距離を調べて効果を確認すると良いだろう。強化魔法の効果は変わってくる可能性があるようだ。」何が起こったのかよく分からないので、適当なことを言ってお茶を濁した。

 レスリーの強化魔法の効果は、やはり2割アップくらいだった。


 ローズには岩の盾で攻撃を防ぐ練習をさせてみた。3センチくらいの水球を20個ほど出し、かなり加減したスピードでだが、いろいろなコースでローズに向かって飛ばす。

 ローズはなかなかうまく、全部の水球を防いだ。


 「おお。なかなかうまいな、ローズ。どうせなら、少し実戦形式の練習をするか。二人で私を攻撃してみろ。」

 「レディク様に勝てるわけがないですー。」

 「んん?まあ、そう思うかも知れないな。では、ハンデをやろう。私が使う武器は水球、・・3つにするか。3センチの物と。このナイフだけだ。」水球3つと、木製の柄の先に付けた水のナイフを見せた。

 「レディク様。存在そのものが反則。ハンデがあっても勝てる気がしない。」ローズがジト目で見ている。

 「そう言わずにがんばってみろ。一つでも攻撃が当てられたら、おまえ達の勝ちだ。勝てたらご褒美に何でも一つ、・・あんまり欲しいものとか無いのか?」

 「お願いでも?」ローズの質問。ちょっとやる気が出てきたかな。

 「ああ。私が出来ることならいいぞ。」


 レスリーに木製の剣と盾を渡し、武器でも魔法でも好きな方法で攻撃して良いと説明した。


 最初はローズが3センチくらいの石を3つ飛ばしてきた。狙いは正確だがスピードが遅いな。セーブしているのか?石をあっさり避ける。

 レスリーが遠慮がちに近づいてきて、木剣で攻撃してくる。それを、横にかわし、素早く踏み込んで、レスリーの喉を水の剣でなでた。

 「ひゃー。冷たいですー。」レスリーが自分の喉を触っている。


 ローズが再び石を飛ばしてきた。正面から1発。上から弧を描くように1発。両方避けて、ローズに2発、レスリーに1発の水球を飛ばした。ローズは岩の盾で回避したが、レスリーに飛ばした水球はまともに額に当たった。

 「ひゃん。・・でも水なら痛くないから安心ですー。」

 「あんまり安心されても困るから、次からは少し痛くしようか。」

 水のナイフの水を高速で回転させ、レスリーの盾に当てる。「ビシッ」と音がして盾に小さな穴が開いた。

 「ひいいい。痛くしないで欲しいですー。」レスリーがあわてて跳び退った。

 「レスリー。お馬鹿。レディク様の水魔法の威力忘れたの?」

 「レスリー。真面目にやらないと、本当に痛いの当てるぞ。」

 「ひーん。」レスリーが木剣で攻撃してくるのを、水の剣ではじく。レスリーが盾と剣を引き寄せながら、横に回り込む。やっとまともな動きになってきた。

 ローズが8発の石を次々と飛ばしてくる、しかも最後の3発はこちらの回避動作を確認した後で加速させた。回避すると同時に水の剣ではじく。なかなか良い攻撃だ。

 レスリーに2発の水球を飛ばす。今度はレスリーも盾で防いだ。ローズにも1発飛ばした後で、さらに2発飛ばす。さらに1発ないし2発ずつコースを変え、少しずつスピードを上げて行った。どのくらいのスピードまで反応出来るかを見定めながら、40発ほど水球を飛ばし続けた。

 ローズの岩の盾を使った防御はかなり素早く正確だった。


 20分ほど練習を続けたあと、休憩すると、途中から見学していたクロエとヒューも参加したいといいだした。休憩後に1対4の練習を行った。



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