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装備品

装備品を注文します

展開がちょっと地味過ぎか

 ギルドを後にして、帰る途中に、注文してあった魔道具材料を受け取り、いくつかのスクロール、ポーションの容器、食材などを買って帰った。


 昼までに、少し時間があったので、女達に、魔道具作成、ポーション作成、回復魔法の練習をさせながら、自分でも魔法の練習・研究を行う。

 ヒールの魔法の魔術構築式の内容が、かなり理解出来るようになったので、より詳細な解析を行った。ヒールの魔法が、傷ついた肉体の状態を調べ、回復の方法を分析した後、具体的にどうやって怪我を治しているのか、以前は全く分からなかったが、今はある程度分かるようになった。まだ全貌は分からないが、損傷を受けた器官を正しい位置に整復する魔術構築式、損傷部位から汚れなどを取り除く魔術構築式、失われた組織や体液を生成・補填する魔術構築式、切断された部分を接合し一時的に肉体を強化する魔術構築式、生理反応を加速・調整する魔術構築式など、多数の魔術構築式を組み合わせているようだ。

 ある程度まで理解が進んだため、回復魔法の魔術構築式が非常に高度であり、ワンドの補助なしでの発動が、絶望的に困難であることが、感じられるようになってしまった。

 回復魔法の解析により、新たに二つのことが分かった。一つは、魔人が使用していた肉体強化魔法と、類似した魔術構築式が、回復魔法の中にもあること。肉体強化魔法を使えるようになるかも知れない。

 もう一つは、土魔法と水魔法で、肉体を構成する物質のほとんどを、作り出すことが出来るらしい、ということだ。この事実と、土魔法で作ることが出来る岩石の種類が限られている、という事実を考え合わせると、土魔法が『岩を作る魔法』という認識は、根本的に間違っているのかも知れない、と言う気がしてきた。今までは、作ることが出来るとは思いもしなかった物でも、本当に作れないのか試してみるべきだろう。

 手始めに、何か作ってみよう、絶対作ろうとは思わなかったような物を。

 アイスクリームを作ってみたら、出来た。ちゃんとアイスクリームの味がした。試食していると、ローズが何をしているのか質問してきた。魔法で白っぽい物を出した後、食べ始めたので、びっくりしたようだ。

 「魔法で食べ物を作る実験をしていた。試食してみたところ、味は問題ない、というよりかなりおいしい。ただ、初めて作る物なので、おなかを壊したりしないか、念のためしばらく様子を見ようと思う。問題なければ、明日にでも、皆に食べてもらうつもりだ。」と説明しておいた。


 昼時にヒュー達が帰ってきたので、食事をしながら話をした。

 午前中に、大きめの武器店、防具店と、金属武器を扱う工房を回ってきたそうで、金属製の武器については、目星を付けてきたという。北門の方にある大きな鍛冶工房が、良い武器を扱っており、値段も比較的安いそうだ。併設店に多数の武器を展示していたので、品質を確認し、店主の話も聞いてきたらしい。特注でもたいていの物は、数日で仕上げられると言うことだ。

 分かっている範囲で、素材ごとの武器・防具の値段を大雑把に教えてもらい。各人にどういう武器・防具を用意するかを、相談した。

 武器の素材は、今使っている鉄より上だと鋼鉄、その上はミスリルになるらしい。手持ちの資金はかなりあるので、ミスリルの剣でも買えそうだが、ダリルの使う斧をミスリルで作ると高く付くので、鋼鉄製にするそうだ。猫耳戦士も、使用する魔法との相性から、鋼鉄の方が良いという。ヒューと猫耳戦士とレスリー用に、鋼鉄の片手剣を各1本、ダリル用に鋼鉄のバトルアックス、猫耳戦士とクロエに鋼鉄のナイフを各1本買うことになった。明日にでも工房に行って、各人に合いそうな武器を見繕ってもらうか、作ってもらうことにする。

 クロエの持っている弓は、かなり良い品だったので、今回はそのまま使うという。私のワンドもそのままで良いので、後はローズ用のワンドについて、ロンザに相談してみよう。

 武器は、それほど高くない物でそろえることが決まったので、防具は良い物を買いたい。今着ているのは、ダリルと猫耳戦士が硬革製だが、他は、皆安物の革の服だ。防御性能は心許ない。

 防具用の革素材は、革の上が硬革、その上がリザード革、さらに上がハードパンサー革になるようだ。重くはなるが、鉄やミスリルの防具という、選択肢もある。魔法使い用ではダークシルクという布素材もあるそうだ。

 実際に売られている防具は、これらの素材を組み合わせて作られているものが多い。高級素材だけで作った高価な防具よりも、高級素材も使ったほどほどの値段の防具の方が、よく売れるからだろう。しかし、選択肢が増えるので、選ぶのが大変だ。品質の見極めも難しくなる。

 結局、防具に関しては、良質の防具を作っていて、評判の良い工房を探し、予算と希望を伝えて作ってもらうのが良いだろう、という結論に達した。ヒュー達には、午後も引き続き、良さそうな工房を探してもらうことにする。

 防具一式の予算は、とりあえず1人当たり金貨10枚くらいとし、金貨6枚はパーティーの共有資金から出すことを決めた。


 午後はヒュー達が工房を探しに出かけると、アベリアがメリーを学校に連れて行くというので、一緒に出ることにする。

 移動しながら、馬車の修理のことなどについて思案した。馬車を本格的に修理することになると、しばらく馬車が使えなくなるかも知れないし、もう一台馬車があった方が良いかも知れない。試しに作ってみるか。この馬車は、町の中で使うには少し大きいし、作るとしたら小さめの物が良いだろう。


 メリーを学校に送り届けた。いろいろあって遅くなったが、今日からしばらくここに通わせることになる。本当は朝から昼までなのだが、メリーの学力等を知るためと、メリーを学校に慣れさせるために、今日だけは昼からだ。アベリアもしばらく話があるらしいので置いていく。


 その後は、魔道具店で魔道具とポーションを売り、それからロンザの工房に行ってローズ用のワンドを購入した。黄色みを帯びたワンドで、イエローメープルという素材で出来ているそうだ。若干の魔法の威力強化と、魔力の操作精度向上効果があり、中級者によく利用されるワンドらしい。

 ついでに、防具の工房についてもロンザに聞いてみると、知り合いのやっている工房がお勧めだと言って、紹介状を書いてくれた。


 ギルドの資料室で調べ物をした。ローズは碑文の解読のための、手掛かりを探しに行った。私はレスリーに手伝ってもらい、予言に関する情報を探してみた。しかし、役に立つ情報が見つからない。どうやら、ギルドの資料室では、予言関係の資料を置いていないらしい。

 予言について調べるのはあきらめ、次は装備品関係の資料を探してみる。こちらはたくさん見つかった。『装備品の選び方』など、参考になりそうな本を、拾い読みしてみる。『複数の素材を組み合わせた装備品のチェックポイント』、『装備品の着ならしと手直し』等々、興味深い記述がいろいろあった。ハードパンサー革は、キラーパンサーなどの皮を、加工して作ることも書いてあった。キラーパンサーの皮を取っておけば良かった。


 家に帰り、ローズにストーンショット、レスリーにウォーターショットを覚えさせ、少し練習させる。

 私は、午前中に引き続き、魔法でどんな物が作れるかを調べ続けた。木綿の布が作れることに気がついたので、絹の布も作ってみる。絹の布も成功したので、ポリエステルの布も試してみる。ポリエステルの布も成功してしまった。

 ポリエステルが作れると言うことは、プラスチックが作れるということだろう。ポリエチレンの袋が、作れるかどうか試す。作れた。手触りといい、透明感といい、いわゆるビニール袋そのものだ。プラスチックが作れると、いろいろなところで使えそうだ。


 ヒュー達が帰ってきて、調べた結果を話した。何件かの工房を調べてみて、腕の良さそうなところを探した結果、2件の工房が候補として残ったらしい。

 私の方でも、ロンザに話を聞いて紹介状をもらった話をする。ロンザの紹介状の宛先が、候補として残った2件のうちの一方だったので、その工房に注文してみることにした。


 翌日、メリーを学校に送った後、全員で防具工房に行った。工房は町の西より、町を東西に貫く大通りに面した場所にあった。入り口には、古びているが立派な板金の看板があり、『ゴンザ防具工房』と書いてあった。

 入り口から入ると、左右に広いが奥行きの狭い店になっており、防具が陳列されている。革の匂いがした。店番の若者に、「ロンザからの紹介で来た。」と告げ、紹介状を手渡す。若者は「少々お待ちください。」と言って、奥に入った。奥の方から「親方。お客様です。ロンザさんからの紹介・・」という声がかすかに聞こえる。若者はすぐに戻ってくると、「どうぞこちらに、お通りください。」と、奥に案内してくれた。

 店の奥は広い作業場だった。いくつかの区画に分かれていて、10人ほどの職人が居るようだ。若者に連れて行かれた一画には、大きな作業机、事務机、革材料、書類などに囲まれ、スツールに座った老人がいた。眼鏡を掛け、立派なあご髭を生やしている。老人は紹介状を読んでいたが、近づく我々に気がつくと、立ち上がった。

 「ローズ嬢ちゃんというのは君かね?」ローズに問いかける。

 「はい。私。」

 「苦労したようだね。」優しい声で言った。それから、我々の様子を見回し、ハッとした顔でさらに問いかけた。

 「もしかすると、そちらのご婦人方も、危難に遭われたのかね?」

 「はい、アベリアとレスリーも家族を失っています。」老人の聞きたいことが分かったので、私が答える。

 「痛ましいことだ。・・しかし、おまえさん、こんなご時世に奇特なことだな。」しんみりした口調から、一転、老人が快活に笑い、私の背中をばしばし叩くので、思わず咳き込んだ。


 我々が希望を伝えると、老人は3人の助手を呼び寄せた。今回は、アベリアとダリル以外の防具を、ここで注文するつもりだ。ダリルは武器を買う店で金属製の防具も買う予定だが、ブーツだけはこの店で陳列されていたブーツの出来が良かったので、ここで注文した。

 2人の助手が我々のサイズを測っている間、老人は我々ひとりずつに、使用する武器、戦闘スタイル、その他希望することがあるかどうかを聞き出し、もう1人の助手にメモを取らせ、次に防具のデザインと使用素材を決定していった。

 私の方からは、靴とベルトに、トレーニングのための重りを入れるため、と言う名目で、特別な構造を追加してもらった。

 出来上がりは5日後の午後だそうだ。


 その後は、武器工房に行った。ヒュー、クロエ、レスリーの武器は、在庫の中から合いそうな物を持ってきてもらい、その中から選んだ。ダリルと猫耳戦士の武器、ダリルの防具は特注品だ。2人と工房の親方の話し合いを、しばらく聞いていたが、2人とも注文が細かい。しかも、親方の応対も懇切丁寧、というより、かなりノリノリな感じ?いつまで経っても話が終わらないので、「先に帰るぞ」と言って、置いていった。


 気がつくと、もう昼近い時間だった。学校にメリーを迎えに行き。家に帰って昼食にした。



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