アイテム売却
遺跡編終了です
ギルドに行きます
雨がやまないので、少し早めに昼食を食べ、魔道具作成の練習、ポーション作成の練習、魔法の練習をする。クロエは子供達と遊んでいる。ダリルとヒューは武器・防具・道具の手入れを始めた。猫耳戦士は昼寝中だ。
午後2時過ぎた頃にようやく、雨が小やみになったので、薬草採集をする。今日は野営地からあまり離れず、今までにあまり調べていなかった、南の方を調べる。ニオイアサトウが多かったが、いくつかの薬草でそれなりの収穫があった。
4時前には再び雨脚が強くなったので、野営地に戻った。仕方がないので半分休みの日と考えて、のんびりすることにする。
アベリアが洗濯を始めると、することがない者が、皆洗濯を始めた。干す場所が無くて困っているようだったので、水分を吸収して乾かしてあげる。
「レディクさんの魔法はすごいです。」クロエが感動していた。お風呂と洗濯は、ポイントが高いらしい。もう一度お風呂を入れてやると、いそいそと入っていった。ローズとレスリーも一緒に入り、長湯しすぎで少しのぼせていたようだった。
暇なので、ダリルの言っていた、ウォーピックという物を作ってみた。柄と持ち手の長さ、先端の形状など、ダリルと相談し、試作品を一つ作る。小さめなので、戦闘用の道具には見えない。
「おお。これはかなりいいぞ。十分使えそうだ。俺が使うには、もう少し重みがあった方がいいか?・・」などと言いながら、岩をゴンゴン叩いていると、ヒュー、クロエ、猫耳戦士も集まってきた。皆欲しそうだったので、意見を聞き、少しずつ形状を変えて、後5本のウォーピックもどきを作ってみた。予備も含めてこのくらいあればいいだろう。皆で感触を調べるために、岩をたたいている。鉱山労働者の集まりのようだ。今まで暇をもてあましていた、ヒューとクロエは特にうれしそうだった。
暇だったためか、それとも竈が出来たためか、その日の夕ご飯は豪華だった。
翌朝、夜明け前に起きると、空はきれいに晴れていた。
昨日は皆、休憩所にこもっている時間が長かったので、目を覚ますととりあえず外に出て、体を動かしていた。
朝食後に遺跡に出かけた。
ウォーピックを使うのは初めてなので、初めはガーゴイルを1体ずつ倒してみる。4人とも感触はつかめたようなので、次からは戦闘3人、後方警戒・バックアップ1人で、後方警戒役を交代しながら、戦うことになった。
クロエはやはり腕力が弱いらしく、穴開けに少し時間がかかっていたが、特に危なげなく心核を回収した。ヒューとクロエが慣れてくると、ペースも速くなり。大通りのガーゴイルが少なくなったので、左右の通路のガーゴイルも、少し狩った。
10時頃から薬草を採集した。
今日は野営地の北東方面に進んで、薬草を探してみた。少し進んだあたりで、かなりバランスよく、各種の薬草が取れた。
午後も遺跡で狩りをして、3時頃から野営地で、魔道具作成の練習、ポーション作成の練習、魔法の練習を行った。
翌日は最終日だったので、朝食中に予定を相談する。
朝のうちにもう一度、遺跡で狩りをし、その後、薬草を軽く採取しながら、遺跡の正面入り口に行き、碑文などを調べた後で帰ることにする。
休憩所は、次回来た時にも使えるように窓を塞いでおき、入り口の扉も念のため固定しておいた。
遺跡での狩りは、今朝も順調で、1時間半ほどで狩りやすい位置の、ガーゴイルが居なくなってしまった。十分狩れたので、もう良いだろうと、皆の意見が一致したので、正面入り口側に移動することにした。
移動中の薬草採集は、1度だけウスベニゲッコウ草の大きな群落が見つかった他は、収穫が少なかった。
11時を少し回った頃に、遺跡の正面入り口に到着した。正面入り口にも、南北に続く大きな通りがあり、全体の印象は、今まで狩りをしていた東側の大通りと似ていた。目立つ違いは、入り口の左右に太い柱状の構造物があることと、大通りの左右の端に、幅5メートルくらいの、歩道のような道が付いていることだった。
左右に立つ柱は、直径2メートル、高さ4メートルくらいある。右の柱には何か文字のような物が書いてあり、左の柱には円形の図が描いてあった。「碑文」とは、右の柱の文字のことだそうだ。
「しかし、魔道具作成とこの碑文に、何の関係があるのかな。」
「この碑文に使われている文字、魔術構築式に使われる記号と一部が似ています。それから、この奥の建物の中。碑文と同じ文字が書かれた部屋に、大きな魔道具がある。きっとこの碑文、魔道具のことが書かれている。」
「なるほど。どちらかというと、奥の大きい魔道具を調べたかったのかな。とりあえず碑文を調べるとなると、書き写すのか?」
「はい。写してかえって、調べます。」ローズは既に、紙を取り出して、文字を1文字ずつ書き写していた。少し時間がかかりそうか。待っている間に休憩しよう。少し早いがここで昼食にしてしまってもいいか。
ローズが文字を書き写した後、昼食を食べ、遺跡を後にした。
余裕を持って町に着ける見込みだったのだが、途中で運悪く、馬車の車輪が壊れてしまった。魔法のバッグを使って重量を軽減しているとはいえ、リビングアーマー2体などの重量物があるため、負担が大きかったようだ。それにこの馬車は、盗賊が使っていた馬車を、そのままもらってきた物だ、特に点検等はしていなかった。初めからかなり痛んでいたかも知れない。と、思っていたら。
「この馬車、ずいぶん痛んでいるな。他にも壊れそうな場所があるぞ。かなり悪路を走ったんじゃないか?」ダリルが言った。
「確かに、森の中をずいぶん走っていたかも知れないな。」
「すぐに壊れそうなところは、少し手を入れておかないと、危ないぞ。」
仕方なく、ダリルとともに、馬車の点検と修理を行った。馬車のような、動く物の修理には、やはりそれなりのこつがあるもので、ダリルが居てくれて助かった。修理に1時間半近くかかり、町の門が閉まる直前に、なんとかアスターに帰り着いた。
帰りが遅くなったので、ギルドには翌日行くことになった。その後は、アダーの店にも行って、状況を確認しておきたい。
その日は、夕食を食べ、風呂に入って寝た。
夜中に、久しぶりに、奇妙な夢を見た。見知らぬ女が語りかけている。しかし、言葉がほとんどわからない。「・・グレ・・プレディ・・・協力・・・・武器・・」言葉の断片が散り散りになって、頭の中に渦巻き、消えていく。別の男が語りかけてくる、夢も見たが、どんな顔の男かもよくわからない。不快な感じだけが浮かんで消えていった。
目覚めると、まだ夜明けまで少しあるようだった。
女達3人は既に起き出していた。庭でも、物音がする。ヒューとクロエが起き出して練習しているのだろう。窓越しに、庭の様子を見ると、ダリルも起きていた。早くギルドに行きたくて、うずうずしているのかも知れない。
身支度をして、顔を洗い、1階に下りると、玄関近くには、今日ギルドに持っていく物が用意されている。レスリーがバッグの中を確認していた。皆、冒険者ギルドに出かける準備をしているようだ。しかし、比較的朝が早い冒険者ギルドといえども、まだ開いては居ない。たしか7時頃からだ。
朝食の準備が出来たので、食堂に集まった。おや、一人足りない?
「みんな、早いにゃー。」猫耳戦士が遅れてやって来た。一人だけ平常運転のようだ、いやむしろ、普段より眠そうか?実戦が無くなると、気が抜けるタイプなのかも知れない。
皆で、冒険者ギルドに行った。ぞろぞろとカウンターに行き。ヒューが代表で、話しかける。
「常時依頼のゴーレムの心核、ニオイアサトウ、ウスベニゲッコウ草を持ってきました。それと、ガーゴイルの心核と、リビングアーマー、ヒイロスズランの買い取りをしていますか?買値次第では、こちらで売りたいのですが。あ、8人パーティーです。」
受付の女性はしばしの間、固まっていたが、再度内容を確認した後、一度奥に行き、他の職員を連れて戻ってきた。品目が多くて、混乱していたのかな?
「いろいろとお持ちいただいたそうで、ありがとうございます。まずは、常時依頼のゴーレムの心核から、お見せいただけますか。冒険者登録証もお願いいたします。」少し年配の職員が言った。
ダリルがゴーレムの心核を取りだして、カウンター上のトレーに乗せ始める。女性職員は冒険者登録証を受け取り、「6級と7級?」と言って、首をかしげている。ダリルがトレーいっぱいに心核を並べて、さらにその上に積み上げようとするのを止めて、職員が新しいトレーを持ってきた。トレー1枚に30個くらいか。
「100個近くあるはずだから、トレーはもっと必要だな。」というと、職員がさらにトレーを2枚持ってきた。
「ゴーレムの心核、95個。確認いたしました。ガーゴイルの心核も、ある程度まとまった数を、お持ちでしょうか?」職員が質問する。
「ガーゴイルの心核の方が、数は多いぞ。170個くらいか。」ダリルが答える。
「実は、これから掲示する予定だった、急ぎの依頼がありまして、本来ならば3級以上の指定なのですが、既に現物をお持ちなら問題ないと思います。ガーゴイルの心核1個を銀貨25枚でお引き取り出来ますが、いかがでしょうか。」
「予想より良い値だな。」ダリルがにやりと笑ってヒューに言う。
「それでお願いします。」ヒューも笑顔で、職員にうなずいた。
再びダリルが、トレーに心核を並べる。今回は職員が交換用のトレーを脇に重ねて用意していた。ガーゴイルの心核は一回り大きいので、トレー1枚に20個と少ししか乗らない。トレーを次々と交換する。一杯になったトレーは職員が運んでいき、奥で調べている。
「えらく多いぞ。いくつあるんだ?」後ろからひそひそ声が聞こえる。振り返るといつの間にか、見物人が集まっていた。
「ガーゴイルの心核、173個。確認いたしました。リビングアーマーの心核も、お持ちでしょうか。これは依頼ではありませんので、ポイントは付きませんが、今は大きい心核の需要がいくつかあります。引き取らせていただけますでしょうか?」
「リビングアーマーは、心核だけじゃなくて、丸ごと持ってきています。条件次第では売りたいです。重いので、ここで出すと、カウンターが壊れそうですが。」
「では、こちらにおいでください。」職員の案内で、ギルドの裏にある作業場のような場所に連れて行かれた。
やや低い、頑丈そうな作業台の上に、2体のリビングアーマーを置くと、数人のギルド職員が集まり、しばらくの間、中を調べたり、重さを量ったりした後、なにやら相談を始めた。
ヒューとクロエとダリルも相談している。
「金貨3枚くらいは行くでしょうか?」
「心核と魔石だけで、金貨3枚近くなると思うわ。本体素材もあるからもっと高いわよ。」
「心核も魔石も上物だ。本体含めて金貨4枚はかたい。それ以下なら別で売った方がいいぞ。」
猫耳戦士は、あまり関心がないらしく、通りの方に顔を出して臭いをかいでいた。
「リビングアーマー。確認させていただきました。心核、魔石、本体、すべて含めて、1体当たり金貨5枚と銀貨14枚でいかがでしょうか」相談がまとまったらしく、年配職員が言った。予想よりだいぶ高いようだ。
「はい。それでお願いします。」ヒューも笑顔で答えた。
その後、ギルド内のカウンターに戻り、引き続き、薬草や魔石の売却を行った。
「ところで、今回のギルドポイントですが、心核で得られたポイントは、6級の4名様に分配という形でよろしいでしょうか。」物の確認が終わった後で、職員が質問する。
「とんでもないです。心核は8割方、レディクさんが稼いだようなものなのに。」ヒューが答えた。ポイントって何だっけ?
「レディク様というと7級の方ですよね。試験を受けられないのでしょうか。」職員が困惑した顔だ。
「そのうちに受けようとは思っている。時間が無くてな。今日もこの後に用があるので、あまり時間が取れない。」
「それに7級の女性3名は、全員治療魔法を使います。僕は何回もヒールを掛けてもらいました。」
「ヒーラーの方達でしたか。それですと、評価しないわけにはいきませんね。しかし7級ですか、困りましたね。」
「ランクが上がらなくても、さして困ることもないようだ。当面ポイントとか言うものもいらないから適当でいいぞ。」困っているようだし、さっさと終わらせて欲しいので言ってみたが、なんだか周囲の人間が全員、あきれた顔だったり、困った顔だったり、人によっては怒った顔だったりしている。
「ダメなのか?」何がまずいのかよくわからなかったので、一応聞いてみる。
「ダメです。ギルドとしては、冒険者の方々に適切な仕事を斡旋するために、このポイントシステムを、重要と考えています。適当というわけにはいきません。今回は特例として、技能職クラスの冒険者登録証を発行しますので、なるべく早期に一般冒険者の試験を、受けていただくようお願いします。」
「技能職?」
「はい。非戦闘タイプの特定の分野の仕事について、豊富な実績と高度な技能を持っていると、ギルドが認めた方に発行します。通常は数年以上の実績がないと発行しません。」
「わかった。おまかせする。」適当でいいよー。
しばらく待つと、冒険者登録証が返却された。
「おめでとうございます。8名様ともランクが4級に昇級しました。」女性職員に言われたが、ランクがポンポン上がるので、あまり感激がない。
新しくもらったカードは緑色で、ヒューたちのカードは青だった。タイプによって色が変わるらしい。




