そのいち。悪は時を選ばない
どーせだれも読まない小説ならマジ勝手にいくよ!
『ヒロインクラブの先輩が言いました。悪は時も場合も選ばないと。
けど、定期考査のとちゅうって、こんな状況はひどすぎではないですかあ?
これ透き狙いだよね?ぜったい狙ったのよね?!
いま、私の前にいるのはびっしりした問題と真っ白な答案用紙、そして、なぜか、グラウンドで暴れている悪者たちがいます!!ああ、わかる。よおくわかる。わざわざここまできて暴れてくれているあなたたちの苦労がなああ!!!!』
なんかしらん?!魔法少女!!
そのいち。悪は時を選ばない
ペンを握った手が震えてくる。ブルーは密かに頭をあげて周辺を見回す。クラスメートのみんな【知ったことではない】というように平穏な時を過ごしている。って、なんであんなに平和な顔ができるんですか?!!顔あげて?ほら、手前に悪者さんがいますよ?!
「えっへん。」
「ひいいいい!!!」
他の子供たちに悲しい視線を送るブルーに先生が近づいて注意を与える。ブルーはびっくりして早く問題に視線を移した。先生は何か文句いって再び教壇に戻る。
外はすでに大騒ぎになっている。そとは混乱しているのに、うちのクラスはおろか他のクラスの生徒たちも全員自分のクラスで静かに試験を受けている。もう悪者たちはちょうど目の前まで来ているのに、誰も避難しない。いや、そのうえに、淡淡と試験だけ受けているなんて!!ブルーはどうしても注意を呼び起こす必要があると思う。
「あのお、先生?」
ブルーが先生の顔色をうかがい、おそるおそる手をとりあげる。皆の視線がブルーに集まる。
「何の用だ!!!」
激しい視線がブルーを襲い掛かる。ブルーはそびえても勇気を出してとつとつ話し始める。
「あ、あそこに悪者がいますが」
「だからなんだ」
「だからって、早く逃げなきゃ…」
ブルーを思い切り睨んだ先生はかっと声を張り上げる。
「気にすることはない!!学生の本分は勉強!!勉強のはなは試験!!これこそ学生の最高の美しさ!!!以上なにかいう必要があるのか!!」
「でっでも、学校のすぐ前に悪者が!」
「悪者退治は魔法少女のしごと!!!すぐ町内の魔法少女が必ずやっつける!!だから諸君は安心して試験に熱中すればいいのだ!!」
「そんなことではなくー」
「うるさああい!!これ以上の乱暴はゆるさん!!教官室に行きたくないなら静かに問題を解け!!」
ーと風がさっとすぎる音を起こして元のの席に戻る。泣き顔になったブルーはウウウ憤りを抑え、心だけで叫ぶ。
『その魔法少女が私なんですけど!!』
ブルーは涙を流しながら唇をくちゃくちゃかむ。もう仕方ない。逃げるしか!そう決めたらどこかで恐ろしい視線が感じる。ブルーの前では先生が棒を威嚇的に振り回しながらこちらをずっと睨んでいる。多分しっかり疑心されてるようだ。
『だめです。もう逃げられません。どうすればいいですか、レッドさん?』
『…』
『レッド、さん?』
『うるさああああい!!!』
『ひいいいい!!!』
非常に熱い視線と共にレッドがこちらを睨む視線が感じる。びっくりしたブルーはいすごと後ろへ倒れてしまうどころだった。いすががくんとする音にもう一度クラスの視線がブルーに集まる。
『私は今2ページの12番問題を解いている』
『そ、それで…?』
『こたえは、知っているのか』
『え?』
『こ、た、え、しっ、て、い、る、の、か、あ!!』
『ひいいい!!知らないです!!』
『なら邪魔しないでテレパシー切れ!』
『ごごごごめんなさい!!』
レッドが頭を冷やす間私たちはほかの教室に行ってみよう。決して怒ったレッドが怖くて逃げるわけではない。
ここもまた試験が行われている。みんな一生懸命に問題に専念するうち、1人の少女だけが机に足をあげておいたまま窓の外だけ見ている。少女の答案用紙にはすべての答えが一列にマークされている。誰よりも早く試験を終えた少女はつまらないように口を尖らせて瞳をくるくる回す。何か、楽しいことが起らないかと期待して。
『つっまんねえ。なんかおもしれーなことおこらねえかな?』
どかんと鳴らす音とともに退屈だった時間がぱっと覚めた。窓外に砂のぼこりがもやもや焼ける。目をパチパチしていた不良はだしぬけの客ににやりと笑った。
「へえ、おもしろそーじゃねーか」
こんな所で雲の糸目を数えるか。それとも楽しく暴れちゃうのか。1秒も経たないうちに決心を固めたイエローは席を蹴って立って教室を出た。
「ねえ、君、どこに行くのですか?」
「ちょっと外へ。頭冷やそうと。」
「試験中の離席は許されません!!早く席に戻ってください!」
「へえ、まじですかそれ?おいらなんかいねえ方が先生にもいいじゃん?平均下がるし。どうせおいらみてえな馬鹿たれはこんなテスト受けなくても成績同じだよ?」
「まあ、それはそうだけど。」
「じゃーな!」
瞬間、納得してしまった先生はイエローを追うことまで考えつかなかった。
さって再びブルーたちの教室に帰ろう。
要注意人物と烙印を押されたブルーは今先生の過度な関心を受けている。一体どうすれば抜け出すことができるだろうか。いろいろ考えてみたブルーは、どうせかかるものなら堂々と出ていけばいいと思った。
「どこ行くのだ!!」
やっぱり、先生はブルーが動きを見てすぐに反応した。鋭い声が背後を突くとブルーはドアの前に立って、頭をかきながらたわいもなくへへ笑った。
「ちょっと、トイレに…」
「トイレか!!排泄作用を過度にこらえると集中はできん!!速やかに行って来るがよい!!」
「ありがとうございますっ!」
生真面目な先生は意外とこころよく許してくれた。ブルーは先生の心が変わる前にさっさと教室を飛び出した。
「イエローさん!!」
遠くから飛んでくるブルーを見たイエローは手に握っていたザコを全部山の向こうに飛ばしてきれいに空いた手を振った。
「なんだ、ひよこじゃねえか。餌取りにきたのかい?」
「ひよこと呼ばないでください!」
ブルーてつんつんと叫んだ。ブルーをからかうで続けたイエローは額に流れる汗をぬぐった。ブルーの目にイエローの手の甲の刻み目が入った。
「イエローさん、手が…!」
「ああ、これか?平気平気何でもねえ」
とにやり笑う。そうはいうけど、思ったより傷が深い。一人で戦ったから無理もないでしょう、もっと早く来るべきだった、とブルーは心深く反省する。
「それで、今日の敵はどこですか?」
「あ、それがね、ああっち。」
「は…えええええ?!」
イエローが手で反対側を指す。そちらを見たブルーは当惑して声を上げた。
「三幹部プラス一編一匹のザコモンが三匹。それに戦闘員まで??何ですか今日団結会でもするのですか?」
「ああ、それになんかあいつら、気合いまんまんと入れていてさ」
イエローが頭をかきながら空笑いをした。慌てるてあちこち見回したブルーはザコモンスターの後ろの幹部たちにかっと声を張り上げる。
「ちょっと。まってください!!もともと幹部たちは一度に一人ずつ出没するのではなかったですか?」
「おいおい、考えてみろよ。いままで俺たちに何ができた。人ずつ倒れてお前らのレベルアップに献身するだけじゃないか。なのにお前らなら一人で出たいのかよ。」
「おれたちだって頭があるぞ?」
「卑怯です!」
「きさまら三人の袋だたきの方こそ卑怯ではないのか?」
「正義の見方だから許されるのです!!そしてあなた!!」
ブルーが裏に回って中ボスに指を指す。
「悪者いちにさんはそうだとして、なんで中ボスがこんな所にいるのですか?」
「ああ…だからさ…こんなやり方では勝ってもかっこわるいのに…」
「どうぞ気にしないでください、中ボスさま。いまでも十分かっこいいです。」
「その通りです、中ボスさま。まずはあいつらをぶっ倒すことです。」
「勝ち負けなんか…俺は悪者だと思ったのに実は過去の悲恋のヒーロだったという設定で…こんあバレるコンセプトはにがてなのに…」
「自分からばれるな!」
顔を覆って陰に横になる中ボスを見ながらブルーがかっと声を上げた。そしては中ボスの裏に隠れたずるい三幹部を見ながら、今日何番目になるかも知らない声を上げた。
「何ですかいったい!!友だちに殴られて兄呼ぶ小学生でもないし!!」
「べえーだ。毎日きさまらに殴られていくら叱られたのかわかるか?」
「削るボーナスがなくて月給まで削られ、いつの間に無給で働いて…。」
「今日の雪辱のためおれたちは一月ずっと夜勤までしたんだよ!!これまでの苦労を思い出したら涙が…クウッ…」
涙を流す悪者1を悪者2が慰めてくれる。悪者たちは全員気合いっぱいって燃え上がっている。ばかげてあっけないが何か緊張する。
「イエローさん、これ、ちょっと危ない状況見たいですけど。」
「おい、しんぱいすんな。おいらがついているぞ?」
「イエローさん?」
「見てろよ。このねえさまが全部やっつけてしまうから!」
レッドは問題を解いているけど解いているのではない。しきりに窓の外に目が行くのはやむを得ない。戦闘は困難になって行くのに問題は頭の中では複雑に絡んで脳は答えを出さない。結局あきらめたレッドは次の問題を解き始めた。
「イエローさん!」
ブルーは戦闘員を手で押さえながらイエローを呼んだ。イエローはその隙に早く道を作ってグズグズモンスターに近づいた。しかし、いつの間にか集まった戦闘員が先を塞いだ。
「これじゃきりがねえーってなんだよおまえら。マジめちゃくちゃ」
イラットいっぱいになったイエローは全身が黄色に輝きはじめた。
「めえんどおくせええ!!」
黄色い光と大きな爆音と共に戦闘員が全部転び倒れた。
マーキングは終わった。ただし、一の問題が残った。12番の問題。さっきから解けなかったその問題だ。レッドはいまは爪をぎゅっと噛みながら、いらいらし時計の針を見ている。何をしても問題は解けない。
どのくらい戦闘員は追い返したが、そのうち幹部たちはザコモンスターグズグズを出す。ブルーとイエローは攻撃をよく避けている。それを見た悪者1は学校の教室を狙って攻撃し始める。それを防ぐため、ブルーは空身で悪者に飛びかかる。
「大切な友だちのテストを邪魔しないでください!!」
すとん、という声と一緒に壁にひびが入る。驚いたレッドがさっそく隣の窓をみる。建物の外部にブルーの足が半分刺さっている。ブルーは手を伸ばしてグズグズモンスターの手が学校に触れることを全力で止めている。その姿を何秒の間見ていたレッドは最後の答案を無造作にマークして飛び出した。
悪者2は学校を守るために足止めされたブルーの横腹にパンチをかます。悪者2の拳はブルーに届く一寸の前に止まる。レッドが悪者の拳を押し止めたのだ。レッドはファイアボールを放って悪者とグズグズモンスターを学校からはなす。
「レッドさん!」
「あれ?まじ来たのかい?おめえだから絶対こねえんだと思っていたのにさ」
「なあによその言い方」
「おめえは試験に非常に執着するからさ。ほっといて出てくるろは想像もできなかった。」
「ほっといていません。全部解いて出たんだよ。途中に誰がテレパシーで邪魔しなかったらもっと早く解いたはずだけど。」
「ぎくっ」
「はいはい。やっぱり。名門大学に命を賭けるレッド様が試験をすっぽかして出てくるわけねえだろう?」
「嫌みはあとで。まずあいつらを倒そう!」
この三人は『キズナのチカラ』というきまり悪い力を合わせて、20話ごろに出てくる『変身アイテムを売るための何だかわからない新技』でグズグズ三匹と三幹部、その他のザコ(戦闘員)まで瞬時に飛ばした。こんなわざあるなら早く使えよ君たち。
「悪者もテストもおわりっ!もう帰ってゆっくり寝てばいいよね~」
「二人ともお疲れ様!」
「そうだよ。特にイエロー!きょういっぱすっぱサンキューだよ!!」
「けっ、なんだよ。てめえに礼を言われるつうじあいはねえんだよ。」
「なあにいってるの。さっきまで私たちと一緒に『これが絆の力だ!!』とさけんだのはだれだっけ?」
「そうです。魔法少女同士はみんな仲間です。だから私たちはもう友達です!」
「残念だな。おいらは友情ごっこには興味ねえんだ。」
いつのまにかイエローの手に入ったパズルピースを見て、ブルーはああっ!と大声を出した。
「あ、あ、あれ!!」
「とにかく今日のピースはおいらがいただくからな!」