プロローグ
「山田 明」、30際はフリーターだ。
彼は、今日も秋葉原にリックを背負ってやってきている。
(AIちゃん、AIちゃん・・)
そう彼は、アイドルの「AI」の大ファンで趣味は、AIのグッズ収集だった。
いつものように駅の改札を出て、ショップに向かおうとした。
明は早足で移動する。
「ドンッ」
二人組の間を通って、道のりを急ごうとしたら当たってしまった。
「ごんなんさない!」
と明は道を急ごうとすると、二人組に捕まれて、細い路地に連れていかれた。「テメー、謝ってすむと思ってるのか!?」
胸蔵を捕まれて、脅される。
「本当に、ゴメンナサイ!」泣きそうになる明。
その時に、一人の男が割って入ってきた。
「もう、やめろよ。謝っているだろ」
小柄だが、ガッシリした体格の男だった。
「なんだよ、テメー、関係ねぇだろ!」
そう言って、その男に二人組が飛び掛かるが難なく交わして足を引っ掛けて、二人を転ばせた。
「おい、いくぞ!」
その男は、明に声を掛けて、走り出す。明も慌てて後を追う。
大分、走り、落ち着いた二人。
明が言った。
「助けてくれて、ありがとう。これ、お礼だけど・・・」
と明は、自分の財布からお金を取り出して、渡そうとする。
すると、男は、
「・・ふざけんなよ、そんなのいらねぇよ」
と、明の胸ぐらを掴んできた。また慌てる明。
「チッ」
そう舌打ちをして、男は、明の胸ぐらから手を放して去っていった。
呆然とする明。
(あの人、どうして怒ったんだろう・・?)
そう明は、思いながらもショップに向かっていくのだった。
【ある晩】
黒い物影が、立体駐車場を逃げていた。
それを追う青い物影。
黒い影が言う。
「頼む、やめてくれ!」
そう言うのも虚しく、黒い影は、青い影にパンチからキックを受けて、倒れこむ。
「うわーーー」
黒い影の悲愴な声が夜の誰もいない立体駐車場に響くのだった。
(つづく)