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恋愛トレード  作者: yuri
13/14

Trade.13




「リント!」

学校に戻ると、校門の前に顔を真っ青にしたリントがいた。


「ミナト、ユイちゃん。

電話でも説明したけど、ミユと連絡がつかないんだ」


「さっき、ミユから電話がきたの。咲…山下咲に連れ去られたみたい。

場所をきこうと思ったら、すぐ切れた。咲に携帯取り上げられたのかも。どうしよう……」


まさか、こんなに早く咲が動くなんて。

私のせいだ……。

何が何でも、今日はミユにくっついておくべきだった。


「後悔してても仕方がない。

先生……いや、警察に連絡を」


「待って!

ミユから電話!」


私はすぐに電話に出た。


「椎本ユイね?」


確認する声は……咲のものだった。


「咲、ミユをかえして。

これは犯罪だよ」

「犯罪?あんたたちの存在の方が犯罪でしょ。

高柳くんにメーワクばかりかけて。わからないの?

高柳くんにふさわしいのはあたし。あんたじゃない。ここにいる須藤でもない」


「そんなことはきいてない!

いいからミユを出して!声をきかせなさいよ!」

「ふうん……まあいいや。

お望み通り、きかせてあげる」


べり、と乱暴に何かを剥がす音がして、


「ユ……イ、来ちゃ、だめ……」


弱々しいミユの声。


「ミユ!ミユ、どこにいるの?

今すぐ助けに行くから!」


私の叫びに、咲の壊れた声が答えた。


「遊園地のお化け屋敷。

あんたたちが昨日行ったところ。

必ず高柳くんを連れて来てね……

警察や学校に連絡したら、須藤の命はないと思って」



私たちは遊園地に急いだ。

何をされたかわからないけれど、ミユはずいぶん弱っているようだった。

あの元気なミユが。

胸がズキズキと痛んだ。


遊園地に着き、お化け屋敷に入る。係の人はなぜか不在で。

三人で手をとりあい、中に入った。


「ミユ、ミユ!」


リントが叫んだ。


「思ったより早かったね」


咲が口を歪めて立っていた。


「ミユはどこ!」


私は必死で辺りを見回した。

すると、咲の後ろに転がっていたモノが動いた。

ミユだ。

ミユは足と手を縛られ、口にガムテープを貼られていた。


「ミユ!!」


リントがいち早く、ミユのそばに行こうとする。

が、それを見た咲は隠しもっていた包丁をミユの首に突きつけた。


「動かないで」


ぐっ、と足を止めるリント。

怒りに身体が震えていた。


「山下さん。

君が欲しいのは俺だろう?」


ずっと黙っていたミナトくんが声をかけた。


「高柳くん!!

来てくれたんだ」


咲が、嬉しそうな声をあげて答えた。


「高柳くん、いいえ、ミナト。

ミナトはあたしのモノだよね、

ずーっと騙されてたんだよね、

可哀想に。

でももういいの。

一緒になりましょう?」


目の焦点が合っていない。

狂ってる。


「やめて……ミナトくんに手を出さないで!」


私は思わず声をあげた。

咲がうるさそうに私に目をやろうとした、その瞬間。


「リント今だ!」


ミナトくんが素早く咲に駆けより、凶器をはたき落とした。

そのすきに、リントが咲のもとからミユを離そうと抱き上げる。


「!……このっ!」


咲は今度は私のもとに駆けてきた。身がすくんで動けない。


咲の手が私の首にかかろうとする、その瞬間……


「ユイ、無事?」


咲の手は私の寸前で止まり、そのまま崩れ落ちた。

首の後ろを叩かれ、気絶したらしい。

咲の後ろにいたのは、不敵な笑みを浮かべたいつものミナトくん。


「ユイ、相変わらず怖がりだね」


私は腰が抜けて、へなへなとその場に座り込んだ。




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