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Rache・Witch  作者: 晶ノ
最終章
84/85

復讐の終着点

東京の街ではサイレンが鳴り響き、ニュースでは今の東京が映し出されている。

「そこを動くな! 警察だっ……」

パシュッ……!!!

1人の警察官が言葉を終える前に、頭部から血が吹き出し刎ねる。

まるでバスケットボールのように。

「魔夜、お前の出番だ。」

ディスペア(風間風太)が魔夜に対し、命令を下した。

魔夜は感情のなく冷たく冷酷な声で「はい」と告げた。


―――

一方、八村達は魔法宇宙船に入る準備をしていた。

「さ、魔法宇宙船に入りや。早く戻らんと大変や」

魔法使い(瑠美 遥斗 吾郎)は魔法宇宙船の中に入り椅子に腰を下ろした。

「早く行かないと、地球がめちゃくちゃに……!!」


瑠美は額に汗を浮かべ、焦りと怒りが混じった声で言う。

「落ち着け、瑠美。焦る気持ちは分からなくもないが冷静になれ」


吾郎が優しくそして凛とした声で瑠美に話すと、瑠美はハッとしたように目を見開きそのまま俯いた。

「なぁ、八村先生。ハッキリいって勝算は少ない。だから、今の内に作戦を立てないか?」


遥斗がいつもの明るくおちゃらけた口調ではなく、覚悟を決めた目つきで八村の眼差しを見つめている。

その眼差しを受け、八村はホッと息を吐いて口角を上げた。


(成長したな。魔法使いとしても、人間としても……)

八村は心の中で、成長を喜ぶ。それと同時にほんの少しだけ、寂しくなった。


「せやな、作戦立てようか。ハッキリ言うと立てても無駄や。

でも、0.1パーでも確率は上げる方法はある」

八村は懐から石ころを取り出して、吾郎に向けてポイッとキャッチボールをするかのように投げた。

吾郎は八村の投げた石ころを受け取り、手のひらの上に置いて見つめる。



「これは、ただの石……?」

吾郎は首を傾げ、顎に手を当て考える。


「それはただの石やない、魔法具の1つシールドや。恐らく、

スーリヤの魔法とディスペアの魔法を6回は防げる」

八村の言葉に、吾郎はなるほどと頷いた。


「これしかない、一か八かの賭けとして使い。ほな、頑張ろうな」

すると、突然周りが白く染まる。移動が開始されたようだ。

(ここで絶対に、ヴィラを倒して皆を救わなきゃ……)

瑠美は心の中でそっと言葉をしまい、胸に手を当てた。


白く染まった視界は突如として収まり、

目の前にはまるでエンヴォルズと同じように地獄のような光景が広がっていた。

魔法宇宙船は地上にゆっくりと着陸して、ウイーンという音と共に自動ドアが開く。

遥斗、瑠美、吾郎、八村は互いに目を合わせ外に出る。


「ここも酷い有様や、人は多分過半数はもう……」

八村が奥歯をギリッと噛み、拳をギュッと握り締める。

4人の魔法使いは外に出て、ゆっくりと歩き出した。


すると、背後から当然爆発音が轟いた。

瞬時に反応して、振り返ろうとした途端


魔夜の足が音もなく八村の脇腹にめがけて放たれた。

八村のの脇腹を狙ったそれは、まるで影が伸びるように素早く、しかし確実に重さを乗せて迫る。



八村は咄嗟に体を捻ったが、間に合わなかった。

ガツンッ.......!



鈍い衝撃音が肉に響き、八村の体が横に吹き飛ぶ。

肋骨が軋む感触が一瞬遅れて脳に届き、息が詰まった。



「テメェ……!!!」

遥斗の怒声が、魔夜の追撃を防ぐ事に成功する。

今まで見たことのない、聞いたこともない遥斗の怒りの声に驚いたのだろう。



「あいつの相手は俺がする。瑠美と吾郎は先に行っててくれ……!!!」

吾郎と瑠美はコクリと頷き、走ってその場を去る。

「遥斗さんなら、私を受け入れてくれますか?」

突然の質問に、遥斗は「は……?」と間の抜けた声で返した。

すると、すぐに言葉返した。



「受け入れる。ただそれだけだ。でも、それは戦いの後だ……。八村先生をよくも傷付けやがって!!!」

遥斗は草魔法を使用し、槍のようなものに変形させ切っ先を魔夜に向けた。

魔夜はニヤリと笑い、両手を広げて狂ったように笑い叫ぶ。

「あははははっ……!!! 来なさい遥斗! 殺してあげますから!」


遥が槍を構えた瞬間、風が一瞬止まる。

魔夜の笑い声だけが廃墟に響いて......次の瞬間、二人が同時に動く。


―――

一方、その頃瑠美と吾郎はスーリヤとディスペアを探すため、火の海に囲まれてる東京の街を走っていた。

「いたのか、魔法使い」

ドスの効いた女性の声が、吾郎の背後から聞こえる。


吾郎は足を止めて、ゆっくり振り返る。

目を細め、睨みつけたーーが、その視線は静かすぎて、逆に怖い。

「先に行け、瑠美。俺はこいつの相手をする」


声に感情がほとんど乗っていない。

ただ事実を述べるだけのような、冷めた響き。

瑠美は一瞬、悲しげな表情を見せたが、すぐに首を振って走り出した。

彼女の背中が遠ざかるのを確認してから、吾郎は小さく息を吐く。

「スーリヤ......」


「私を愉しませてくれるか? 少年」


―――

瑠美はひたすら走り織け、ディスペアを探し続けた。

しかし、1キロ走っても見つからず、東京は崩壊し続けるだけだった。

諦めかけたその瞬間

暗閣のブラックホールが目の前に裂け、長身の青髪の男がゆっくり姿を現す。

「また会ったな、魔法使い」


凍りついた目で、こちらを睨みつける。

瑠美の背中に、冷たい汗が一気に流れ落ちた。

「.....風間風太。今はディスペア、か」

声が震えていた。怒りか、恐怖か、それとも両方か。

「私の両親を殺した張本人」

ディスペアは小さく鼻で笑う。

「綾瀬瑠美か。借金もあるが、魔力が一番の原因だ」

瑠美の目が見開く。

「魔力って......私の両親は魔力なんて少ししかーー!!」



「黙れ」

ディスペアの声が、低く、重く、響く。

「お前の両親の魔力は特殊だった。

俺たちヴィラと、お前と近くにいるときだけ、半減して少ないように見せかけていた」

一瞬の静寂。


崩れるビルの破片が、遠くでドサリと落ちる音だけが聞こえる。

「....それが原因だ。お前の両親は俺の魔力量に近い。

越される可能性があった。この俺の座が奪われるのは、屈辱だ。だから殺した」



瑠美の唇が、ゆっくり歪む。

「ははっ......」

笑顔だった。

でも目は笑っていない。

涙が一筋、頬を伝う。



それは、殺意と怒りと、呆れと、すべてが混じり合って押し潰された、壊れた笑顔。

「そんな......自分勝手な理由で.....」

声が、掠れる。

「私の家族を.....灰にした理由が、それだけ.....?」



ディスペアは肩をすくめる。

「そうだ。文句あるか?」

次の瞬間一一

瑠美の足元に雷が炸裂した。


ビリビリと空気が震え、髪が逆立つ。

両手から青白い稲妻が迸り、周囲の瓦礫を一瞬で炭化させる。

「もう......いい」

瑠美の声は、低く、冷たく、震えていた。

「あんたを殺す。それだけ」

雷が、まるで生き物のように彼女の全身を纏う。

紅色だった瞳が、青く光る。

「殺してやるよ、ディスペア.....!!」


ディスペアの口元が、初めてわずかに吊り上がる。

「ようやく、その目になったか。魔法使い」




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