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Rache・Witch  作者: 晶ノ
最終章
82/85

裏切り

瑠美はスマホのボタンをタップし通話を切ると、ツーっ……ツーっ……とスマホが鳴る。

急いで魔法宇宙船に行き、エンヴォルズ星に向かわなければいけない。

そう思いソファから立ち上がり扉を開けて外に出ようとすると、八村刃が肩を掴む。

「……待て」



八村刃が瑠美にも聞こえないぐらい小さな声でボソッと呟く。

瑠美が八村のいる方向を振り返り鬼気迫る眼で八村を見ると、いつの間にか魔法宇宙船にいた。

八村の使用するワープ魔法だろう。



「八村先生も来られるのですか……?」

瑠美の覇気がなくこの世から消え去ってしまいそうな声に、八村は少し悲しげに眉を下げた。

「行くに決まってるやろ生徒の危機なんやし。こんな危ない場所に4人で行かせてごめんな」

八村がそう発した途端、辺りが白く染まる

一瞬の出来事に、瑠美はぎゅっと目を閉じた。

一方、八村は目を閉じずジッと見つめていた。



「久々に来たな、ここ。随分と変わり果ててるやん」

ハッと目を開けて瑠美は窓の外を見ると、エンヴォルズは地獄のような光景になっていた。

それは炎の海に包まれ 、瓦礫の山となった都市ラルクが見えた。



「えっ……」


「スーリヤの奴、暴れよったな……」

瑠美と八村が同時に言葉を発すると、魔法宇宙船が地上に着陸する。

ウイーンと自動ドアが開く。

瑠美は考えるまでも無く跳ねるように飛び出し、魔法宇宙船を出る。

それに続き八村も魔法宇宙船を出た。


「こっちです……!!」

玲於の目尻が赤く染まっている。

「分かった」

八村はドスの効いた声で返答し、瑠美はこくりと頷いた。

「……私が玲於を守るから」

瑠美の言葉に玲於は少し、安心したような表情を浮かべた。


都市の中心部、火の海に包まれ、子供が泣き叫び助けを呼んでいる声。人々が逃げ回る光景が八村と瑠美の目にき付く。

その光景に瑠美は少し、体が少しブルっと身震いした。

すると、背後から聞き覚えのある声が聞こえた。

「ここにいたのか……!」


「探したぜ……!」


八村、瑠美、玲於がハッと同時に後ろを振り返ると、ぜぇぜぇと息を吐きながらこちらに向かって走っている茶髪の少年(吾郎)緑色の髪の少年(遥斗)がいた。



「良かった、生きてたんか」

八村は安心したようにホッと息を吐いた。

「長身の女性、金髪でした。前に見たことがある。スーリヤだ」

吾郎の言葉に八村は「知ってる」と返した。

こうしてスーリヤを探しに行こうとした途端、背後から殺気を感じる。

その気配はまるで、巨大な悪魔が上から見下ろしているようなもの。



ザシュッ……

目の前から血が吹き出した。それは、玲於の心臓からだった。

フレア……(燃え尽きる魂)


感情のないくぐもった声が耳に届いた途端、玲於は痛みで叫ぶ時間もなく全身が燃えた。

ゴォォォ……!

まるで、太陽のように全身が火に包まれる。

「貴様……!!!」

瑠美の怒声が轟くと、長身の女性は10mまで後退した。


「仲間を付けたようだな?八村。我々を裏切ったか」


「あんな腐った場所、おられるかいな。スーリヤ」

スーリヤは詠唱をブツブツと唱えると、足元に大きな法術陣が浮かび上がる。

八村は額に汗を流し、顔をしかめる。

瑠美と吾郎、そして遥斗は魔法で攻撃しようとすると、氷のように冷たい男の声がその場を制した。



「―――止まれ」

スーリヤは詠唱をやめ、敬礼すると足元の大きな法術陣がサッと消える。

八村の背に汗が滝のようにザーッと流れた。

(この声、まさか……!?)


遥斗と吾郎と瑠美はカッと目を見開き、固まっていた。

「貴様らが、有望な"魔法使い"と謳われてる者か?」

青髪の長身で黒色のコートで身を包んでいる男に、八村は叫ぶ。


「うちの生徒に手を出すな……風間風太、いや、名前を変えてたんやったっけな……。

ディスペア……!!」



風間風太という名前に、3人の魔法使い(瑠美 吾郎 遥斗)は身の毛がよだつ。

「なんで生きてるんだよ、死んだって聞いたぞ!」

遥斗の顔と声にいつもの明るさはなく、ただ怒りをむき出している。

「知らなくていいだろ。それより、こいつに見覚えはあるだろ?魔法使い」

ディスペアがパチンッと指を鳴らすと、顔以外はサイボーグの少女魔夜がディスペアの前にスっと現れた。


「魔夜……?」

遥斗は唇を震わせながら、怒りと悲しみを抑え震えた声で問いかけた。

「魔法使いを狩る為に生まれた、殺人兵器魔夜です。名前に違いはありません」


「お前も死んだはずじゃなかったのか?」

冷静に吾郎は魔夜に向けて話す。

魔夜は無表情で遥斗達も見つめ、言葉を話す。

「えぇ、"1度"死にましたよ。ですが、このディスペア様が助けてくださったのです」


遥斗は顔に一瞬笑顔が戻り、少し明るい声で問い掛けた。

「じゃ、じゃあ戻って来いよ……!また一緒に!」

遥斗が言葉を終える前に、魔夜は「無理です」と返した。


「な、なんで……」

遥斗の笑顔は一瞬で崩れさり、今にも泣き崩れそうになっている。

「もう戻れないのです、こんな腐った魔法の世界なんて無くなってしまえばいいのです」

すると背後にブラックホールなようなものが現れ、スーリヤと魔夜はその中に入り吸い込まれていく。



「また会おう、魔法使い。今度は地球でな」

そう言い残し、風間風太(ディスペア)は背を向けて歩き出しブラックホールに吸い込まれていった。

八村は拳をぎゅっと握りしめ、口を開く。

「今すぐ帰るで、地球に」










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