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Rache・Witch  作者: 晶ノ
エンヴォルズ
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才能

そして、探そうとした途端吾郎のスマホがブーッブーッと振動する。

吾郎は自分のローブの懐からスマホをスっと取り出し画面を確認すると、知らない番号からの着信のようだ。

念の為、電話に出ることを決め画面をタップしてスピーカーをオンにして通話に出る。


「もしもし、どちら様ですか?」

吾郎がそう質問した途端、聞き覚えのある声が響く。


「俺や俺、八村先生や。

ちょっと至急1度魔法ツバメ学校に戻ってきてくへん? 話がある」


吾郎は眉間に皺を寄せ、質問を口にした。

「……話とは、一体?」

吾郎は質問を口にすると、八村は答える。


「君達の今後についての話や、瑠美だけでも帰ってきてくれ」

瑠美は「は……?」と口にした。そして八村は「瑠美だけでもええから、1度帰ってきてくれ」と答えた。


すると、遥斗が口を挟む。

「でもそれって、直接電話で言えば良いじゃん?」

八村は、はぁ……と一息ため息を吐くと、

「あまり周りに聞こえたらダメやろ、だから1度瑠美だけでも戻ってきてくれたらありがたい」と、答える。


圧をかけられた為瑠美は「分かりました」とだけ応答し吾郎のスマホの画面を操作し通話を切った。


遥斗が不安そうな表情を浮かべ、ゆっくりと遥斗は瑠美に目を向ける。

「なぁ、本当に1人で大丈夫か……? 何なら俺もついて行くけど……」

遥斗は不安そうに瑠美を見つめながら言うと、瑠美は「大丈夫、私は一人でも大丈夫」とばっさりと断った。


玲於は少し口を半開きにしていて何か言いたげそうにしていたが、すぐに閉じた。


「……魔法宇宙船はミンフォニー空港にある。気を付けて行けよ、距離は近い」

吾郎はそう言うと、背を向けてラルクの駅口に向かう。情報収集のために移動するようだ。


「また後でな……! 瑠美!」

遥斗は元気よく手を振りながら、もう片方の手で玲於の手を握りながら駅口まで向かう。


瑠美はすぐに背を向け、駅の出口まで歩く。

この時、若干瑠美の耳が赤くなっていた事は誰も知らない。


瑠美はラルクの街を歩いている、この街には色んな人がいる。。酔っ払いながら妙なダンスを踊っている中年魔法使いらしき人。喧嘩をして魔法の能力で勝負している人。

そんな喧騒でさえも、瑠美の耳には届かない。

すると、少し頭痛がしてきた。

あの日、周りが焔に包まれ家族が死んだ事。


鮮明に目と脳裏に焼き付いている、家は崩れ逃げた記憶。

あの日から何か忘れた気がする。そんな気が瑠美はした。


少し息が荒くなり、疲れてきた。

と、そんな時。鼻腔をくすぐる甘い匂いが近くでした。

場所は、よく分からない。でも自分の好きな甘い香りがする。



目をパチクリさせ辺りを見渡すと、頭に白いハチマキを巻いて、青いエプロンを着用している中年のおじさんが「焼き芋今なら450円!」と大きい声でアピールしていた。


瑠美はボソッと「焼き芋……」と呟いた。

おじさんは瑠美に気付き、ニカッと笑う。


「お嬢ちゃん、ひとついるかい?」

その問いかけに、瑠美はコクリと頷いた。

瑠美のお腹からグゥっと、可愛らしい音が鳴る。

瑠美はおじさんから差し出された焼き芋を手に取り、片方の手でローブの懐から小銭を取り出しおじさんの手の平に渡す。


「また来てな、嬢ちゃん!」

おじさんはそういうと、また「焼き芋今なら450円!」と街の人々に大々的にアピールしていた。


瑠美は焼き芋の甘い香りに空腹を刺激され、焼き芋を手で折って2つにする。

焼き芋を少し齧り、口の中に放り込むと、ホロホロとした食感と甘い香りが口いっぱいに広がり、思わず目を細め口角を上げる。


その後も焼き芋を食べながら空港まで向かい、今は復讐のことを忘れ、街を歩いている1人の少女のようになっていた。


しばらくして空港に到着して、ボーディング・ブリッジを渡り終え魔法宇宙船に乗船する。

すると、アナウンスが流れる。

「この魔法宇宙船は、魔法ツバメ学校行きです。揺れに注意してください。」

アナウンスが言葉を終えた途端、船が激しく揺れ、思わず転びそうになるが手すりに掴まり転ばないようにする。


しばらくして、辺りが白色に包まれ、瞳を閉じる。

揺れが収まり、ゆっくりと瞳を開けると魔法宇宙船は魔法ツバメ学校の校門前に立っていた。

ゆっくりと扉のハッチが開き、プシュっーと音が鳴り自動で開く。

瑠美は魔法宇宙船から出て、辺りを見渡す。


生徒達はおらず、休日のようになっていた、すると前方から見知った人影の人物が走ってくる。


「戻ってきたんか……!!」

関西チックな言葉を喋り、金髪でスーツを着用している人物、八村先生がこちらに向かってきている。


瑠美は「用件とは何ですか?」と八村に問うと、八村は不敵な笑み浮かべる。

「それは後ほど話す、今は俺の部屋まで同行頼むで。」


瑠美は八村に連れられ、八村のいる寮へと向かった。

学校の中はとても広く時間がかかると思っていたが、意外と近かった為早く着いた。

八村はドアノブに手をかけ、キィッと扉が開いた音を鳴る。


「さぁ、入りな。」

瑠美は八村の部屋の中に足を踏み入れると、そこは少し和風の部屋で、

少し広く本棚が沢山あり本が沢山置いてある。

少し歩くと、ソファが置いてあり、そこに腰を下ろすと、八村は瑠美の丁度目の前の位置のソファに腰を下ろした。


八村はすぅっと一息吸い、口を開いた。

「率直に言う、君はこの魔法学校の中でかなり才能がある。それもトップクラスに。

正直怖いぐらいやけど、これは良いことやで?」


八村はタバコを咥え、ライターでタバコの先端に火を灯すと、すぅと吸いタバコの煙を吐いた。

瑠美は少し顔をしかめるが、(こういう人なので仕方ない……)心の中で留めた。


瑠美はタバコの煙を手を振り払いながら質問する。

「才能があるって、それがどうしたんですか?」

瑠美の問いかけに、八村は答える。


「つまり、君は強いんや、この魔法を使う世界で一番に輝けるぐらいには。ヴィラ討伐のうってつけのカードや」















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