正面衝突の前に、新しい世界へ
吾郎は目を見合せ ゆっくりと口を開く
「死刑囚の1人 魔法使い狩りのスーリヤだが あいつの居場所は不明だ…
奴はヴィラという 魔法犯罪組織の1人だ」
遥斗と玲於はなるほどと こくりと頷くと 吾郎は続けて話す
「魔法犯罪人撲滅委員会はこの前 ヴィラに攻め入ると説明したが 今はどうなっているかは分からない
恐らく本拠地を特定出来ていないのだろう…」
すると ベッドからゴソゴソ音が鳴る 瑠美が目を覚ましたようだ 瑠美はベッドからゆっくりと体を起こし 身体を伸ばす
「瑠美さん起きたんですね…」
玲於は小さな声でボソッと呟く
吾郎はホワイトボードを本棚の隙間から取り出して ずるずると引きずり
3人の前に置くと ローブのポケットに手を入れて マーカーを取りだして
ポケットから手を離し ボードに文字をスラスラと書く
「八村先生も言っていたが…スーリヤは別格の強さを誇る
俺達がヴィラの組織に責め入れても…死ぬだけだろう
だから魔法の技術を極める為 俺達は修行の旅に出るぞ」
吾郎はホワイトボードに文字を書く
「八村先生の家にしばらく泊まらせてもらう…荷物を詰めて行くぞ 分かったか?」
と 喋りながらホワイトボードに 八村先生の家までの道のりの地図を描く
「こう行けばいい 一緒に行くって訳ではなく 別々に別れ 自分で辿り着け」
吾郎の呟きに遥斗が 「はーいっ…!」と元気よく答える
「俺はもうスーツケースに荷物を先に詰めていたんだ…じゃあ先に行ってくる」
吾郎はスーツケースを手に取りながら 寮の扉を開けて 部屋を立ち去る
足音は段々と遠のくなってきて 聞こえなくなってくると 遥斗が口を開く
「さて…俺達も準備するとするか…!」
「で…でも私…行ける自信がないです…」
玲於は俯きながら 弱々しい声で 体を小刻みに震えながら話すと
瑠美は玲於の前に立ち 肩を掴んで 目を合わせる
「なら、私と行く?別々って言ってたけど 途中で別れれば良いし」
「え、いいんですか…?」
玲於の回答に瑠美は頷くと 玲於は微笑む
「ありがとうございます…では荷物をまとめてきますね…」
玲於はその場から立ち上がり 棚を開けて
自分の服を取り出して 洋服を 畳みスーツケースの中に詰める
遥斗と瑠美も それぞれの服をスーツケースに詰めて
旅に出る準備は出来た 遥斗は先に「じゃあ行ってくる!」
と 元気な声で先に部屋から出た ニコニコしながら部屋を出たが 僅かな寂しさを放っていて
一人で旅に出るのは 少し寂しい感情を抱いているようにも見えた
「瑠美さん…私達もそろそろ出ますか…?」
玲於の言葉に瑠美は「そろそろ出ようと」答えた
そして瑠美と玲於も寮から出て 魔法ツバメ学校の外に出て
八村の家がある東京都新宿区にあるマンションに向かうことにする
東京の渋谷は人が多く 移動が困難で もし魔物が現れたら
対処も困難を極める
「さ、寒いですね…瑠美さんは寒くないんですか…?」
玲於の質問に瑠美は「うん」と答える
「電車に乗るよ」
「は、はい…!」
瑠美と玲於は渋谷駅の電車に乗り 新宿駅まで電車で向かう 電車の中には学校へ向かう学生や
仕事場に向かうサラリーマンが大勢いる
瑠美と玲於は電車の窓際ら辺の椅子に座り 新宿駅に着くのを待っている数分の間に
新宿駅に着く 玲於は瑠美と手を繋ぎながら 椅子を立ち上がり
片方の手でお互いスーツケースを握り締めながら 電車を降りる
新宿駅周辺まで来ると 物凄くデカくて 明らかに家賃が高そうな高層マンションが目に見える
「八村先生…あんな場所に住んでるんだ」
瑠美は眩しそうに手をでこに当てながら 高層マンションを見つめながら ボソッと呟く
瑠美と玲於はラ・トゥール新宿の中に入り 受付の場所に向かう
「905号室に住まいの 八村刃っていう人の友人なんですけど どうやって行けばいいですか?」
瑠美は受付の人に尋ねると 心の中でボソッと呟く
(なんで吾郎こんなこと知ってるの…?)
すると、受付の人が質問に「あちらのエレベーターをお使いください 階は9階でございます」
瑠美と玲於は腰を曲げてペコッとお礼をして エレベーターに乗り 9階のボタンを押して
八村の部屋に向かう
「なんで吾郎の奴 八村のいる場所知ってるんだろうね」
瑠美の言葉に玲於は「さぁ…9行く前に連絡したんじゃないですか…?ナインで…」
と答えた すると 9階に着いてエレベーターのドアが開く
瑠美と玲於は片方の手でお互いの手を握りながら出ると 廊下を少し進んだ先に905号室のマークが見えると 瑠美と玲於はドアの前に立ち インターホンを鳴らす
ドアのガチャっと言う音がなり 八村が扉を開けて出てくる
「上がり」
瑠美と玲於は部屋の中に入ると 広く明らかなに高そうな物が色々と置いてあり
衝撃で目を大きく見開く すると ソファに座っている吾郎と遥斗の姿が目に映る
「あははっ…!八村先生エロ本隠してやーんの!」
遥斗は手にエロ本を持つと 八村は「おい、それ見るなや エロ本ちゃうねん」と叫びながら答える
玲於は「あはは…」と薄く笑うと 瑠美は呆れた目で八村を見つめる
「なんや…その目は…さてっ、全員集まったし 本題移ろうか…」
八村は4人の前に立ち 腕組をしながら 声を大きくして喋る
「お前らは 別の星に行ってもらうで!」
八村の言葉に 4人はキョトンとする
「すまんすまん…いきなり言われるとそりゃそうなるよな…要するに
別の星に行って 魔法の概念学べ言うことや」
吾郎が手を挙げて首を傾げながら質問する
「八村先生…どういう事ですか?別の星?地球みたいに地域がある訳じゃ」
吾郎の質問に八村刃は口を開いて答える
「いや、あるねん 行く方法はちゃんと用意してある 感謝せえ
ちょっと地球とは違うけど…ま、学べればええやろ 神クラスは行くかもやで」
八村の発した答えに 4人は息を呑む すると瑠美が顎に手を当てながら話す
「別の星に行くって…つまり…えっと…何がなんだがやっぱり分からないんだけど…」
オドオドした様子の瑠美に八村は答える
「旅行みたいなもんや アメリカ行ったら日本とは違うやろ?そういう事や」
遥斗は「分かるような分からないような…」とボソッと話す
「行く方法はちゃんと用意してある ちなみに1時間ぐらいやで 早いし 宇宙の景色眺めれるんやし
別にええやろ?」
「いや八村先生…!?なんでそんなに冷静なんすか…!?そんな事可能なんすか…!?」
遥斗がテーブルに両手を置いて 信じられないという顔で八村に話す
「だから可能言うてるやろ 魔法界舐めんなや ま、行けるやつ限られてるけど
お前らは特別や」
八村は小さく息を吐く
「行く方法は ざっくり言うと 魔法宇宙船や クルーズ船みたいなやつ
お前ら4人だけの旅行や ちなみに理由は
間もなくヴィラとの正面衝突に入る 1年生はヴィラに行っても死ぬだけや
お前らだけでも学んで 力付けてこい
だから その星で起きている事件を解決してこい
そして 魔法というのを改めて学ぶんや ええか?」
八村の言葉に玲於は片手を挙げて質問する
「ちなみに…その星は…?」
玲於の質問に吾郎は笑顔になり 質問に答える
「エンヴォルズ星や 地球より多少狭いけど
ちっちゃいけど ま、アメリカ大陸ぐらいは広いわ
俺は1回行ったことあるで」
「ちなみに先生、その宇宙船はどこにあるんですか?」
吾郎の質問に八村は「魔法ツバメ学校や」と答える
八村を除いた4人は口を揃えて「え?」と声を重ねる
遥斗が声を大きくしながら話す
「じゃあここに来た意味ねぇじゃん…!?」
「いやいや…むしろ助かったわ、お前らの寮で話したり 外で話してたら大変や…
他の星に行けるのは教員と 魔法のクラスがBとCクラスのやつだけやねん
だから 入学して 学校見当たる時に 唯一教えてないんや
魔法空港だけはな」
「よし…教えたる これから行くで 魔法空港に」
八村は4人を連れて 1度魔法ツバメ学校に戻り そして
魔法空港に連れていく 魔法空港は 魔法ツバメ学校とは別にあり
魔法ツバメ学校の校長室に入り 本棚の裏に隠された扉をくぐると
ワープして 魔法空港に着くという なんともご都合な移動方法だ
「行きのチケットは用意してある 4人分や 受け取れ」
瑠美と吾郎 そして遥斗と玲於は
同じ席のチケットを貰う
「で、でもクルーズ船みたいなのに…空港って…異色な組み合わせな気が…」
遥斗は呟くと 八村は「浮かぶ船や ちょっと変やけど誰も口出ししてないんや 魔法連邦委員会は変なのばっか作りよる…」とため息混じりの答えを回答する
「さ、あそこのボーディング・ブリッジをくぐれば
すぐ乗れる 死なずに帰ってこいよ 可愛い生徒達」
そう八村は言い残し八村は背を向けて ワープして去っていった
「じゃあみんな!早速乗ろうぜ!」
遥斗はダッシュでボーディング・ブリッジを潜り抜け 魔法宇宙船に乗っていった
瑠美は「はやっ…」と呟く
3人もボーディング・ブリッジをくぐり抜けると まるでそこは世界が違うようで
本当にクルーズ船の中のような感じであり 4人だけでは勿体ないぐらい広い
「操縦士はいるんですよね…?」
玲於は瑠美の背中に体をうずめながら吾郎に質問すると吾郎は
「今ナインから八村先生から連絡もらったんだが 操縦士はいないらしい」
吾郎の答えに玲於は体を小刻みに震えさせると 瑠美は手を後ろに回して
玲於の背中を手でポンポンと優しく叩く
「大丈夫 私だって緊張してるから」
玲於は「そうなんですか…?」と、瑠美の顔を見上げながら話すと瑠美は
こくりと頷く
すると アナウンスが流れる
「魔法宇宙船は 間もなく 離陸します」
アナウンスが終わったと同時に 物凄い勢いで宇宙が宙に浮かび いつの間にか窓際に宇宙の景色が見える
「なんか…突然過ぎて処理が追いつけない…」
瑠美の言葉に吾郎は「確かにな…」と反応する
「おーい皆…!!景色すげぇよ…!見てみろよ!」
遥斗は手を大きく振りながら 瑠美達のいる場所に行く為
階段を駆け足で降りると 玲於が目を大きく見開いて話す
「うわぁ…綺麗ですよ…皆さん…」
瑠美と吾郎は顔を見合わせながら すぐ左をパッと見ると 大きな窓ガラスの前には
宇宙の景色がよく見える 膨大な数の星と キラキラとした流れ星が輝いていて
思わず瑠美は口を開けながら 景色を見つめる
「これが宇宙…凄い…」
瑠美は景色を呆然と見つめる こんな姿の彼女は 何年ぶりなのだろうか
4人は宇宙の景色を眺めながら その場で座っており 話をしながら
あっという間に1時間が経過すると アナウンスが流れる
「間もなく エンヴォルズ星 着陸します」
すると 外は白く輝き 景色は見えなくなり眩しくなると 4人は目を瞑る
眩しくなくなり ゆっくり4人は目を開けると そこは地球とは全く違う
世界だ
「すげぇ…ここが…エンヴォルズ星…」
遥斗は窓に手を置きながら呟く
まるでそこは夢のような世界で 都市ではあるが 地球の都市とは全く違う
「1920年代のアメリカのジャズエイジにそっくりだな…」
遥斗の言葉に吾郎は「別の星なのに地球と同じに例えるのか…」とツッコむ
アナウンスが流れる
「ラルクと呼ばれる国に到着しました 間もなくミンフォニー空港に着きます」
すると 魔法宇宙船はミンフォニー空港に着陸する
4人はボーディング・ブリッジをくぐり抜ける
「ここは地球の空港とそこまで変わらないな…」
吾郎がボソッと呟くと 玲於は遥斗の背中に隠れながら呟く
「で…でも…地球では見ないような人もいますよ…」
玲於が呟くと遥斗は「確かに…すげぇな…!」と目を輝かせながら言う
「空港から出るぞ」
吾郎の言葉に3人は頷き 空港を出るとそこには 広大な夢のような世界が広がっている
「すげぇ…ここがラルク…」
遥斗は目を輝かやせながらまだ話していると
瑠美は横目で遥斗を見つめながら真剣な眼差しで街を眺める
「確かに凄いけど…八村先生は事件を解決しろって言ってた…油断はしないように」
瑠美の言葉に遥斗は少し暗い声で「はーい…」と答えた
「さて…来たのはいいが、ここからどうするかだな 」
「あ…そうだ…!事件について 街の人に聞いてみようぜ!」
遥斗が提案した言葉に 吾郎は「そうだな」と共感する
「あの…すみません!最近ラルクで事件って何か起きたんですか?」
遥斗は椅子に座っている年配の夫婦に 事件について質問する
すると 女性の年配の人が顎に手を置いて膝に肘をつき口を開く
「実は最近…ラルクでは夜しか来なくなったんだわ…原因は不明だけど…あるはずだよ…」
「既にラルクは夜頃だと思っていたが まさか ずっと夜だったとは…」
吾郎の呟きに瑠美は頷く
「なるほど…ありがとなおばちゃん!教えてくれて!」
遥斗は笑顔で返事すると 年配の女の人は「どういたしまして…」と答えた
「よし…皆…!ラルクのこの事件…!解決しようぜ…!」
遥斗が元気よく喋ると 3人は頷く
「今何時…?」
瑠美の質問に吾郎は 辺りを見渡すと 大きなビルには 大きな時計が貼ってあり
そこで時間が確認出来る
「12時3分…お昼時だ」
「ほ、本当に…ずっと夜なんですね…」
玲於がそう呟いたその時 急に槍を手に持った集団が 瑠美達を囲む すると 女性の声が響く
「そこの侵入者達…!この星から出ていけ…!」
目の前からゆっくり歩いてくる女性は 金髪のロングヘアの女性で 鎧を羽織っている
「はぁ!?侵入者だと!?俺達はちゃんとチケット貰って着たわ!」
遥斗は睨み付けながら反論する
「怪しい者はここで…逮捕だ」
威圧的な低い声が 耳元に響くと 吾郎は3人に静かな声で話しかける
「来るぞ…気をつけろ…」




