表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Rache・Witch  作者: 晶ノ
ヴィラ編
73/79

ほんの少しの温もり

コンコン…と ドアからノックをする音が聞こえると 瑠美はドアの方によろよろとしながら歩き出し

ドアを開けると 目の前には八村刃先生が立っていた

「少し話があるんやが…ええか?」八村はそう訪ねると瑠美は 大丈夫です」と答えた

八村は瑠美を連れ 学校の校舎裏に連れていき 壁に背をもたれかけて 腕組をしながらタバコを咥えると

八村は真剣な眼差しで瑠美を見つめて 口を開く



「先程起きた榎宮真司殺害事件についてな…何知ってることはないか?」

八村先生はタバコを吸いながら 話しかける

「榎宮真司とは1度話した事があります…けれどまさか今日死ぬとは思いませんでした」

瑠美は顔を俯きながら 答える 彼女は悲しんでいるのか はたまた悲しんでいないのかは

誰にも分からない



八村は肩を竦めながら タバコを吐き捨てて 床に落ちたタバコを足で踏み 火を消す

「なるほどな…1度話した事はあるんか 他には?」

「他にですと…私はフードの人物の顔は分かりませんでしたが…ガタイ的に20代ぐらいに感じました…」

瑠美は顎に手を当てながら話すと 八村はメモ帳を取り出して ペンで書く

「なるほどな…じゃあ、魔法は使ってたか?」



「魔力は感じ取れませんでしたので…魔法使いではないかと」

瑠美が発した言葉に 八村は目を瞑り 少しずつ開きながら 大きく息を吸って 吐く

「多分…元ヴィラやから分かるんやけど…多分そいつは…ソリスや

魔法を使えないけど 拳の威力が半端ない化け物や…おまけに

銃の腕前も凄い…そりゃ確保出来ないのも仕方ないで 落ち込まんときや」



八村の優しさが混じった素っ気ない慰めの声に 瑠美はクソっと歯噛みする

取り逃がしてしまったのは余程悔しいんだろう

「今吐ける情報は全部言ったんか?」

八村の問いかけに瑠美は「はい」と答えた

「じゃあそろそろ俺は事件現場に戻るわ、今日は休んでもいいから ちゃんと休めや」



そう言い残して 八村は背を向けて去って行った

瑠美はかがんで自分の胸を抑える ヴィラの存在を思い出して

トラウマが蘇ったようだ 悲痛な叫び声 家の焼け焦げた匂い

ピリピリとする殺伐とした雰囲気が脳内をよぎる

瑠美は口元に手を当てて 何度か嗚咽を繰り返す 「おえっ…」と何度も嘔吐く


「はぁ…はぁ…クソっ…私が弱くなかったら…」

目尻に涙を浮かべながら 俯いていると 背中に優しくて暖かい温もりが全身に広がる

その手は大きく 全身を包み込んでくれるような感覚がして

胸の痛みが少し収まり 温もりが広がる 「大丈夫だ…瑠美」

優しくて 少し素っ気ないクールな声が聞こえた 吾郎の声だった



吾郎は瑠美の背中にそっと手を置いて さすってくれている

「寮に戻るぞ 立てるか?」吾郎は瑠美の目の前まで移動して 手を伸ばすと

瑠美は吾郎の手を取りながらゆっくりとふらつきながら立ち上がる

「立てる…」

少し落ち着きを取り戻した声が混じり

吾郎は少しほっとした



吾郎は瑠美の手を取りながら ゆっくりと歩く 吾郎の手は暖かく

瑠美は少しウトウトしてしまうが (寮に戻るまで寝ない…)と

肝に銘じていたが 突然倒れる 吾郎はすかさず抱えて自分の胸の辺りに引き寄せると

瑠美は眠ってしまっていた 疲労が溜まりすぎていたのだろう

吾郎はボソッと「仕方ない…」と呟き 瑠美を自分の背中に担ぎ

持ち上げて歩く



そして吾郎は自分達の寮に戻り 瑠美のベッドに瑠美をゆっくりと降ろして 横にさせて布団をかける

「遥斗…玲於…話はもうナインで伝えたから分かるだろ 榎宮真司を殺害した犯人を確保するぞ」

そして 遥斗と玲於の言葉が重なる

「おう…!」とした元気の中に真剣さが混じった声に

「はい…」と元気の無いがやる気に満ちた声に

吾郎は心配な眼差しで見るが 同時に覚悟を決めた眼差しを遥斗と玲於に向ける



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ