知られたくない真実
「は…?玲於が容疑者リストで絞り出されたの…?」
「あぁ、俺は現場に行ったら 犯行に使われていたナイフを見つけてな 指紋を調べていたら
玲於の指紋と一致したんだ」
空気がいつもより重く感じて 息苦しくなってくる瑠美
若狭の死は魔法学園内でも話題になり 悲しんで後追いする生徒も少なくなかった
「ま、待って…情報が整理できない…それは本当なの?だとしたら、彼女は…」
瑠美は切羽詰まった声で話す、動揺と衝撃が大きく 心が焦っているようだ
「あいつは自分の寮があったはずだ…なのに今は俺達の寮にいる もしかしたら
誰かを殺すつもりでいるかもしれないぞ」
雷が鳴り 落雷する雷は 瑠美と吾郎の顔を照らす
「これからどうするの…?」
吾郎は目を瞑り 息を吸って 大きく息を吐いて ゆっくり目を開けながら 口を開く
「今から寮に戻って 話を聞こう 場合によっては…死刑執行されるかもしれないけどな」
こうして瑠美と吾郎は自分達の寮に戻るため 急いで走って廊下を駆け抜ける
瑠美と吾郎は廊下を駆け出す。
暗い外は足元がおぼつかない。瑠美の身体が傾いた——。
咄嗟に吾郎の腕が伸び、腰を支え、引き寄せられる。
触れた体温に、胸が不思議な音を立てた。
その意味を考える余裕はない。
「大丈夫か、瑠美。足元、気をつけろ」
クールな声に、胸がまた鳴る。
「だ、大丈夫……。急ごう……」
吾郎はドアノブに手をかけて 扉を開ける 部屋の中は静まっており 遥斗はベッドで
寝ている 疲れているのだろう しかし 玲於の姿が見えない
「…おかしいな」
「あれ…戻ってたんですか…?」
女性の声が聞こえて 瑠美と吾郎は振り返ると 玲於が眠そうに立っていた 先程まで少し寝ていたのか
服が少しぶかぶかしている
「れ、玲於…どこに行ってたの…?」
瑠美が少し警戒心が混じった声で 玲於に質問する
「と、トイレですけど…瑠美さんと吾郎さんはどこに行ってたんですか…?」
「俺達は散歩に行って 外を歩いていたんだ」
吾郎は咄嗟に思いついた嘘で 何とかその場を凌ぐ
「そうなんですか…ふわぁ…眠いので私は寝ますね…」
玲於は眠い目をこすりながら 自分のベッドまで よろよろとしながら歩き
向かう すると 吾郎が話しかける
「ちょっと待ってくれ 玲於 話がある…少しだけな」
玲於は振り返って 首を傾げる
「話したい事…?良いですよ…分かりました…」
吾郎は瑠美と玲於を連れて 若狭が死亡した現場に連れてくる 外は雷雨で 風と雨 そして雷が激しい
「か、風邪引いちゃいますよ…?こんな所で話さずに…寮の中で…」
「1か月前 魔法ツバメ学校 1年生 若狭來人が死亡した 死亡したのはここ
魔法ツバメ学校の屋上だ しかしここは普通の魔法使いは行っては行けない場所だ」
「しかし、若狭はヤンチャな性格だった為 そんな事は無視して ここに来たのだろう…
友人と一緒にここに来て 死亡したらしい 死因は不明 他殺の可能性が高いと見られ
調査が進められたが 犯行の凶器は見つからず 犯人は未だ不明 魔法ツバメ学校は生徒数が多く
そこから犯人を絞り出すのは難しく 捜査は難航し 一時的に中断された」
「俺は一向に捜査されていないのをチャンスだと思い 屋上は今は行くのを禁止されているが
夜の皆が静まっている時間にここに来て 色々調査していた すると 犯行に使われた
ナイフが見つかった 血痕と指紋が見つかり 俺はすぐさま指紋を誰のものか
探るため 生徒一人一人の指紋を鑑定して 探し出した
これで忙しくて 俺は1ヶ月間あまり行けていなかった そして ついに犯人が見つかった
秋山玲於…お前だな?」
言葉を終えると同時に 雷が吾郎と玲於の顔を照らし 落雷する 雨は横斜めになり降り注いでいて
風は雨を仰ぎ 激しくなる
「え…わ、私が犯人…?そ、そんなはずないじゃないですか…」
「犯行に使われたナイフはツイストダガーナイフ 刃体の長さは7cm
刃体の長さが6cmぐらいになると 銃刀法違反に引っかかり 所持を禁止される
魔法ツバメ学校でも同じだ 指紋は完全に一致していた…
何故こんなことをしたんだ…?」
吾郎は少し冷たく そして優しい声を玲於に向けると 玲於は片膝をついて 俯く「そんな理由で……人を殺したのか。人間だぞ……」
信じられない、という目で玲於を睨む。
玲於の身体が震え、涙が落ちる。
「ごめんなさい……。私が、殺したんです……」
重く冷たい沈黙。胸が痛い。
「……しっかり償え。
その上で処罰を受けることになる」
そのとき瑠美が口を開く。
「私たちが匿えばいいんじゃない?
どうせ私たちも……“殺してる側”。犯罪者だよ」
稲妻が瞬き、瑠美の横顔を照らす。
「ヒーローなんかじゃない。
殺人犯を殺したって
正当防衛にならないことだってある。
だから、玲於が若狭を殺した事を
知った奴は」
吾郎と瑠美の声が重なる。
「殺す」
玲於は顔を上げて 涙を拭いながら 立ち上がる
それぞれ時間差でお風呂に入り 寮のベッドで眠りにつく




