ワープ
ミラウが口角を吊り上げる。
足元の床が黒く染まり、複数の魔法陣が重なって展開された。
「お遊びはおしまい!ここからは本気で殺しに行くからね? エモリージューム!」
瞬間、空気が歪む。
球状の光がいくつも生まれ、断末魔のような叫びを響かせながら瑠美と吾郎を包囲する。
轟音。空気が裂ける。
「下がれッ!」
八村が床を蹴り、姿勢を低くして疾走した。
ワープの光が弾け、彼の手が瑠美と吾郎の腕を掴む。
一瞬の光。気づけば、三人は無人の電車の中にいた。
「ここも長くは持たん。ちっ、また来るで!」
外ではミラウの魔法が暴れ狂い、断末魔の球が車両を次々と破壊していく。
金属音、焦げた匂い、揺れる照明。
八村は低く身を沈め、二人の腕を掴んだまま走る。
すれ違う車両が爆ぜ、破片が頬をかすめた。
「伏せろッ!」
八村は天井に手を伸ばし、吊り革を片手で掴むと、勢いのまま足で窓を蹴り割った。
粉々になったガラスを突き破り、瑠美と吾郎を外へ放り出す。
風を切る音。外気が肌を裂く。
八村も飛び出そうとしたその瞬間、
腹部に重い衝撃。
アーヴァントの蹴りだった。
「っ──!」
息が漏れ、身体が宙に浮く。
次の瞬間、アーヴァントの足元が赤く輝き、特級呪具の刃が閃く。
一閃。
腹を貫かれた八村の口から血が溢れた。
「先生ッ!」吾郎の声が遠く響く。
ミラウが笑いながら魔法陣を展開し、銃弾のような光弾を乱射する。
八村は反射的に体を捻り、ワープで位置をずらす。
光弾が壁を貫き、壁を溶かす。「危ない危ない……あんなもん当たったら即死や。」
かすれた声で言い、八村はワープで吾郎の側へ戻った。
「おい、大丈夫か。立てるか?」
「はい、立てます先生。瑠美も多分……」
「そうか。ええか、俺が合図したら逃げろ。絶対に振り向くな。」
瑠美は唇を噛む。
(逃げる……だけ?)
心の底で、雷が静かに鳴る。
ミラウが再びステッキを掲げ、光の球を形成した瞬間、
瑠美は雷魔法で自身の足に雷を纏い 床を蹴り踏み出した。
「……終わりにする。」
ミラウの腕を掴み、その勢いのまま背負い投げ。
地面が砕け、魔法陣が霧散した。
「ぐぅ……くそっ、中々やるじゃん?」
ミラウが血を吐きながら笑う。
「まずは半殺しにして その後にヴィラの情報を聞くから 絶対」
瑠美の瞳には 殺意と冷たい視線が靡いていた
「怖いねぇ 君 中々 ミラウ 油断するなよ?」
「分かってるってー…!さぁ、終わりにしてあげる…♡」
不敵な笑みが零れた ミラウは勝利を確信した
「ばいばい、魔法使いちゃん達…♡」
そう言い放った瞬間 広範囲にビームが放たれた




