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Rache・Witch  作者: 晶ノ
ミラウ アーヴァント編
56/79

いけいけっ、ビーム

アーヴァントがふっと姿を消した。空気が歪み、同時にミラウの気配も掻き消える。

残されたのは、張り詰めた静寂と、八村の叫びだけだった。


「避けろ! あいつらの攻撃が来るで!」


反射的に、吾郎と瑠美は地面へ伏せる。

直後、空気を裂く音。特級呪具の斬撃が一直線に飛び、二人の頭上を掠めた。

衝撃波が背中を叩き、風圧で瑠美の身体が揺れる。体勢を崩した瞬間

「っ……!」

地面に頭を打ちそうになる瑠美の頭を、吾郎の手が支えた。掌に伝わる細い骨の感触。

「しっかりしろ。まだ終わっていない」


息を整える間もなく、ミラウが現れる。口元に笑みを浮かべ、魔法ステッキを構える。

淡い紫の魔法陣が空中に展開し、眩い光が漏れ始めた。

「ゆけっ!エレクトリックビーム!」


「ゆけっ――《エレクトリック・ビーム》!」


白い閃光が視界を焼く。

目を細めた瞬間、八村の怒号が飛ぶ。


「右に避けろ! 次は左や! 三発目は読めへん、気ぃつけろ!」


吾郎は咄嗟に瑠美の腰を抱き、地面を蹴る。

右へ 左へ。

重心を低く、稲妻のように。

雷鳴と衝撃が交錯する中、かろうじて二発をかわす。三発目が来るはずなのに、空気が止まった。


「油断したら死ぬって、アーヴァントくん言ってたよね?」


ミラウの声が、妙に冷たく響く。

嫌な予感が走る。

八村が瞬時に振り向いたその先

三発目の光線が、吾郎と瑠美に向かって放たれていた。


「くそっ!」


八村は咄嗟に二人の腕を掴み、空間を裂くようにワープする。

光線が通り過ぎた跡の地面が、灼けて黒く溶け落ちた。


転移先 ミラウの背後。

八村は空中で身体をひねり、回し蹴りを叩き込む。


「これでどうやっ!」


鈍い衝撃音。

ミラウの首元に蹴りが命中し、彼女の身体がふらついた。


「ぐっ……痛いわねぇ……何してくれんのよ……」


「それはこっちの台詞や。うちの生徒に何してくれとんねん、サイコ共が」


「まあまあ 落ち着きなよ2人とも 特にお前 焦りすぎだぜ?」


またアーヴァントの姿が消える


「どこや…今度はどこに逃げたんや…」


アーヴァントが瞬時に背後から手を伸ばし 八村の顔を手で覆い 掴んでしまう


「っ…!?」


「お疲れさん これで死ぬなよ?死んだらお前はただの脆いお人形さんだ」


八村が怒気を露わにする。だが、アーヴァントの声が背後から響いた。


「まあまあ、落ち着けよ。焦りすぎだぜ?」


次の瞬間――再び、姿が掻き消える。


「どこや……どこに逃げた……」


八村が周囲を探るが、反応はない。

直後、背後から音もなく伸びた腕が、八村の顔を鷲掴みにした。


「――っ!?」


「お疲れさん。死ぬなよ? 死んだらお前は、ただの脆い人形だ」


床に叩きつけられる衝撃音が、函館駅のホーム全体に響き渡った。

コンクリートが割れ、八村の血が飛び散る。


「ぐっ……」


アーヴァントが唇を歪める。

「おいおい、汚ぇな。血、飛んでんぞ。俺の頬に」


その言葉を合図に、吾郎が動いた。

岩魔法を発動――地面の破片がせり上がり、細い通路を形成する。

岩の軌道に沿って、吾郎が低く構え、瑠美を庇いながら突進した。

ミラウが放つ球状の断末魔を、岩壁が次々と弾く。


「はぁっ!」


吾郎が叫び、岩の槍を生成。

それを全力で投げつける。

速度は閃光。アーヴァントの目にも捉えられない。

だが、アーヴァントは特級呪具を横に振るい

岩は衝撃の刃で粉砕された。


「……クソッ。当たると思ったのに」


岩片が頬をかすめ、血が滲む。

その隙を縫うように、アーヴァントが瑠美へと歩み寄る。


「テメェ、殺すには惜しい顔だな。まあいい、女には興味ねぇ」


瑠美の瞳が微かに震える。

「うぅ……この、人殺し……」


「人殺し? ははっ、そうだ。俺は人殺しだ。それがどうした?」


冷たく笑いながら、アーヴァントが特級呪具を瑠美の首に突きつけた。

空気が止まる。

瑠美の呼吸が詰まる


「このまま死ぬか、犯されてから死ぬか、どっちがいい?」


その瞬間


「やめろッ!」


吾郎の怒声が響く。

岩の破片が宙を舞い アーヴァントの方に向かうと アーヴァントは岩の破片を指で弾き粉砕する。」

同時に、彼は瑠美の前に立ち塞がった。


「ヴィラのクソ幹部が……お前の頭、砕いてやる」


「ははっ、それは楽しみだな?」


アーヴァントが嗤う。だが背後に ミラウの影が忍び寄っていた。


「こんなボロボロのおもちゃ、すぐ壊れちゃいそうだねぇ」

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