ヴィラとMHO
ゴーナウトがダウンした後
ゴーナウトの両手両足を吾郎が岩魔法の触手で拘束して
動けなくする
「こいつは私が魔法犯罪人撲滅委員会に引き渡す。あんたたちはギルを連れて行って。」
吾郎は眉をひそめ、訝しげに尋ねる。「別にいいけど、なんでだ? 一緒に引き渡せば済む話だろ?」
瑠美の目が一瞬、深い悲しみに揺れた。彼女の手がわずかに震え、過去の記憶――両親の笑顔と燃える家の光景が脳裏をよぎる。だが、すぐに表情を硬くして答える。「私が仕留めた。それだけ。…引き渡しが終わったら、福岡魔法病院に行こう。」
「あぁ、わかった。ギルを引き渡しに行くぞ、衿。」吾郎は衿を連れてその場を去る。1時間後、ゴーナウトが目を覚ます。そこは薄暗い地下室だった。
カビ臭い空気が鼻をつき、遠くで水滴が落ちる音が響く。目隠しされた彼の視界は真っ暗で、冷たい鉄の椅子に魔法の鎖で縛られ、身動きが取れない。恐怖が胸を締め付ける中、瑠美の声が響く。低く、凍てつくような殺意と悲しみが混じる声だ。
「聞きたいことがある。答えなかったら、殺す。」ゴー
ナウトは喉を鳴らし、軽い口調で恐怖を隠す。
「へっ、瑠美さんか。ずいぶん怖い声ですね。良いですよ、答えてあげましょう。」
ゴーナウトが余裕綽々の声で言うと、瑠美は少しイライラしながら
震えた声で話す「ヴィラ。私の両親を殺した組織だ。…知っている情報をすべて話せ」
ゴーナウトは一瞬黙り、口元に薄い笑みを浮かべる。
「ヴィラ? そいつらは暗殺を生業にする魔法の掃きだめさ。子会社にMHOってのを作った。俺はその一員だが…幹部の数? ボスの名前? そんな大事な話、ただで教えると思うか?」
彼の声には挑発と計算が滲む。瑠美の呼吸が荒くなる。彼女は手を握りしめて、怒りをなんとか抑える。「答えろ。でないと…」
彼女の声は震え、両親の最期の叫びが頭の中でこだまする。「ふん、ヴィラの幹部は12人。ボスは…知りません。俺はMHOで働いてるから、会ったことはないし教えてくれねえよ。」
ゴーナウトは肩をすくめようとするが、拘束で動けない。瑠美の目が燃えるように光る。「もういい…お前は用済みだ。」
彼女の声は、抑えきれぬ憎しみで震えていた。用意されていた槍を持ち 槍を構えてゴーナウトの首めがけて
槍が一閃し、ゴーナウトの首が宙を舞う。血の音が地下室に響き、静寂が戻る。ゴーナウトは魔法犯罪人撲滅委員会に引き渡されることなく、その場で息絶えた。




