【短編】儂、国王なのに国を追い出されたのじゃが
初めまして、Konjiです。
今までROM専だったので、初めての投稿です。
よければ読んでいってください。
「なあ、儂、国王なのに国を追い出されたのじゃが」
「違うだろ、面倒でさっさと逃げ出しただけだろが」
「そうなのじゃが。あの頃の忙しさから解放されるとこんなに穏やかなのか」
「そうだな。できればもどりたくはないものだな」
「とはいっても、あの偽王のせいで国は荒れる一方じゃ」
「ちゃっかり情報を各部局にまわしてくいとめてるのは誰じゃ」
「儂じゃ」
「俺もかかわってるぞ」
「そうじゃな。あとどのぐらいもつかの」
「まだまだいけそうな気がする」
「じゃあしばらくまったりライフをたのしもうかの」
「そうだな」
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春のやわらかい風が心地よく吹いている。
夕方なので早く帰らなきゃ。
ふもとの町で買い物してきた荷物を持ち、私リルリアーナはふと、ここに来た頃を思い出していた。
一年前、父上が忙しくして、国内の情勢が把握できないでいるところをつけこまれ、クーデターを起こされたのだ。
王城に寄せてくる敵兵士たち。
寄せ付けずに何とか玉座の間に来ると、玉座に集まる家族3人+宰相がいた。
その前にいたのがヤツである。
立場は伯父らしい。
スキルは「暴虐」。
とにかく乱暴に乱暴を重ねたため、利き腕を切り落とし、廃嫡のうえ、放逐したらしい。
以来、音沙汰なかったが、クーデターの片棒としてここに現れたのだ。
準備も何もできていなかったので、まずはケツまくって逃げろとばかりに隠し通路を使って逃げた。
私たちが隠し通路に入ってから入り口を閉めたので、追手はやってこれない。
出口に隠しておいた魔導馬車(馬が魔道具)を使い、すたこらさっさと逃げた。
ある程度進んだところで、追手が来ないことを確認して停止。
馬だけ回収したのち、馬車を破壊し、ここで盗賊に襲われた状況を作る。
あとは、父上のテレポートで新居地へ移動。
といった具合である。
もともとここは隠し別荘として父上が用意していたらしい。
間違っても逃げ隠れる場所ではなかった。
でも、意外と快適に過ごしている。
そうでなければ、一年も住んでいられないだろう。
ところで、この世ににはスキルが存在している。誰にでもそなわっているものだ。
心のありようともいわれている。
私リルリアーナのスキルは「自由」。
私は自由でいたいのだ。
ただし、自由には責任がある。
相手の自由を奪ってまで自分の自由を求めてはならない。
だから、自由は何かに束縛されている。
私の場合は「家族」。だから勝手に家を飛び出さない。急に旅に出たりもしない。必ず帰る。
まあ、私はそれを求めないのだが。
そして、私には秘密がある。
なんと、前世の記憶があるのだ。
すなわち、異世界転生である。
この世に生まれなおした時、びっくりした。
今はやりのラノベのように、異世界転生をしてしてしまったのだから。
よく、転生人はチートだといわれるが、そりゃあ地球の知識を上手に使えたらチートになるわ。
私の前世はオタク。ゲームオタクにアニメオタク。
様々なゲームをやりこみ、ラノベを読み漁り、アニメを欠かさず見、気に入ったフィギュアやグッズを買う。
コミケにも参加した。時にはコスプレもしたよ。
でも、ニートじゃないよ。お金がないと趣味が続けられないじゃない。
ちゃんと昼間はOLとして働いたんだよ。
だから、憧れの剣と魔法の世界に来て、剣と魔法を練習した。知識だけでは身体は動かないからね。
そんなことを思い出していたら、足が止まっていた。
もう夕暮れ時である。真っ暗になる前に帰らなきゃ。
足を動かそうとしたとき、後ろから気配がした。
「見つけたぞ、小娘。」
振り向くと、見たくもないのがいた。
ヤツだ。王になりたくて父を追い出したヤツ。
荷物を置き、そこから若干離れる。
外に出るときは、必ず武器を携帯することにしている。私の武器は刀だ。
「何の用?」
「弟に合わせろ。」
「なんで?」
「俺を王として認めさせる。」
「無理ね。もともと王は能力で決まる。血筋ではない。別のものに能力あったらそちらが王になれる。」
「今のままではうまくいかないんだ。マニュアルをよこせ。」
「そんなものはない。その時代の王が自分で努力して統治してきた。
どうせ戦争を起こそうとしたものの、何も準備ができなくてやきもきしてるんでしょ。」
「それの何が悪い。」
「王に必要なものは、民を思い、国を思う心。あなたにはそれがない。だから王になれない。」
「うるさい!」
言うと同時に、剣を振りかざし襲ってきた。速い!
急いで刀を抜き一撃を受け止める。女性の私には重い!
急いで無詠唱で身体強化の呪文を発動し、力負けしないようにした。
でも、ヤツの攻撃は続く。こちらは防戦一方となっている。先を取られた!
剣をさばきながら相手の動きを注意深く観察する。
ヤツが剣をふりかぶり、力を込めて振り下ろす。ここだ!
ヤツの剣を受け止めるふりして…
ドカーン、という音とともに、土煙が舞う。ヤツはびっくりしているだろう。
なにせ、受け止められると思っていたのに、感触が全くないのだから。
なんてことはない。受け止める瞬間に後ろにテレポートしただけである。
しかし、すごいスピードと威力だ。利き腕を失ってからも戦いを忘れられず、剣の修行を続けたのだから。
できれば、その労力を別に使ってほしかったものである。
「さて、仕切り直しね。今度は私から攻撃する。ついてこれるかな?」
言うと同時にヤツに突っ込んでいく。今度は万全に、刀には攻撃力増加、身体には身体強化の呪文をすでにかけている。
身体強化の呪文でいつもよりスピードが速い。ヤツはスピードに翻弄されている。
そしてこちらの一撃も重くなっている。これも身体強化の呪文の効果だ。ヤツはびっくりしてることだろう。
さらにスピードをあげると、ついてこれなくなったのだろう、身体に傷がつくようになってきた。
傷が深くならないよう調整し、全身を傷まみれにする。派手ではあるが、致命傷にはならない。
とうとうヤツは刀から手を放し、膝をついた。
それを見て、私は手を止め、剣に残る血を拭い、収める。
「あなたが我武者羅に追い求めてきた剣の道は、所詮その程度だった。
祖父は命まではとらなかったのに。新しい人生を歩んでほしかったのだと思う。
でも、それを違えた以上、ケリは自分でつけないといけない。
いずれ王座を取り戻しに行くから、それまであがいてなさい。」
そういうと、ヤツはのろのろと立ち上がり、トボトボと帰っていった。
どれほど言ったことが響いているかわからないが、言いたいことは言った。
勝ったはいいけど、むなしい勝利だ。
空を見ると、夕焼けが見える。日が暮れるのも時間の問題である。
「まずい、怒られる~」
女の子が暗くなるまで外出していたこと、ヤツと対峙し、追い払ったこと。
怒られる要素しかないのだが、置いていた荷物を持ち、急いで家路に帰る。
国王の逃亡生活?はまだまだ続く。
いかがだったでしょうか?
国王が主人公だと思った?残念!リルリアーナ王女でした。
なお、冒頭の会話は国王と宰相です。
また、この時のリルリアーナは13歳(+α)です。
えっ、と思うかもしれませんが、ある種のチートです。ゲームの技を知っているという。
小さい頃から空いてる時間で必死に練習しました。自分の自由な生活のために。
力がないとダメな場面もありますからね。
魔法は、一般的には呪文を唱えるもの、とされています。
しかし、リルリアーナはほとんど無詠唱です。
気合の乗った時、言葉を発します。これがいわゆる呪文です。
この世界の人はそれを知らないので、無詠唱ができません。
できるのは一部の優秀な魔導師です。
今回は練習として短編を書きあげました。そのためすごく短いです。
39度の高熱で書き上げるのはつらいですね。
状況を見て長編を書くか考えます。
評価が欲しいとは言いませんが、誹謗中傷はおやめください。いかがだったでしょうか?
国王が主人公だと思った?残念!リルリアーナ王女でした。
なお、冒頭の会話は国王と宰相です。
また、この時のリルリアーナは13歳(+α)です。
えっ、と思うかもしれませんが、ある種のチートです。ゲームの技を知っているという。
空いてる時間で必死に練習しました。自分の自由な生活のために。
力がないとダメな場面もありますからね。
魔法は、一般的には呪文を唱えるもの、とされています。
しかし、リルリアーナはほとんど無詠唱です。
気合の乗った時、言葉を発します。これがいわゆる呪文です。
この世界の人はそれを知らないので、無詠唱ができません。
できるのは一部の優秀な魔導士です。
今回は練習として短編を書きあげました。そのためすごく短いです。
39度の高熱で書き上げるのはつらいですね。
状況を見て長編を書くか考えます。
評価が欲しいとは言いませんが、誹謗中傷はおやめください。
追伸:連載版始めました。よかったら読んでいってください。