46.エピローグ
「「「かんぱーい!」」」
一年生の教室には、これでもかと料理が並んでいた。
闘技大会優勝記念式典だ。
クラスメイト全員が楽しそうに、話したり料理にがっついたりしている。
「よかったのかい。最下生っていう称号のままで」
エレア先生が肩を突いてきた。
「はい。まあ、あれですよ。俺は意外にも最下生っていう称号を気に入っているってだけです」
最下生だからこそ、ユリやサシャ。エレア先生と親しくなれた。もし、普通の生徒として入っていたら話は別だったかもしれない。
「もしかしてドMだったりする?」
「やーい! ドM!」
「もしかしてMなのですか?」
間にユリとサシャが入ってきて囃し立ててくる。
「おいおい。俺は決してMではない」
そう言うと、彼女たちは楽しそうに笑みを見せた。
ちなみに、ロットはトレイ伯爵のもとへ帰った。
今は大人しく、父の仕事の手伝いをしているはずだ。
そう、もう終わったのだ。
暗雲の魔女との戦いは、もう完全に。
「……これからも、よろしくな」
「どうしたんです改まって?」
「ちょっと、顔赤くなってるよー?」
「もしかして照れちゃってるのかなぁ?」
まったく、彼女たちは相変わらずだな。
「……これからもよろしくお願いします」
「うん! これからもお願いね!」
「先生として、頑張るよぉ」
でも、なんだかんだで。
前世では得られなかった最高の友達を手に入れた。
俺は今、最高に幸せだ。
ここまで読んでくださりありがとうございました!




