表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【書籍化】ゴミ以下だと追放された使用人、実は前世賢者です~史上最強の賢者、世界最高峰の学園に通う~  作者: 夜分長文
4.闘技大会編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

44/46

44.俺は賢者だぞ

「仕込み爆弾か……!」


 コンマ単位。ギリギリのところで多くの場所に防御壁を張り巡らせて、どうにか犠牲者が出るのを防いだ。


「お前ら! 逃げろ!」


 俺の声と同時に、多くの生徒が闘技場から逃げていく。

 よし。これでいい。


 あとは変な邪魔さえ入らなければ……。


「最下生よ。なにをいきがっておる」


 転移魔法陣が目の前に現れたかと思うと、そこから学園長が現れた。


 おいおいおい。どうして逃げなかったんだよ。


「これしきのこと、わしの力で――」


 嘆息しながら、学園長の目の前に飛び出して放ってきた魔法弾を弾き返す。どこで暗雲の魔女と知り合ったのかは知らないが、さすがの威力だ。


 少しばかり痛かった。


「な、な、な……」

「ほら。多分学園長さんでも無理だ。だから逃げてください」

「わしを、守るというのか」


 ……学園長を守る。

 考えてみるが、それは少し違う気がする。


 俺は、


「学園のみんなを守りたいんです」

「なにほざいてんだよ! クソガァぁぁぁぁぁ!!」


 連続で放ってくる、高威力の魔法弾を痛みを堪えながら弾いていく。


 これくらい、朝飯前だ。


「暗雲の魔女から力をもらったのか。まったく、お前は少しは後先考えろよ」

「うるさいなぁ」


 諭してみるが、あまり意味はなかった。

 まあ、意味なんてほとんど求めていなかったのだが。


「お前ら。行け」


 そうロットが発した途端、背後から十五人の生徒たちが飛び出してきた。しかし幸運なのは、彼らの目が赤く染まっていいないこと。


 まだ、救いようはあった。

 多分洗脳されているだけだからだ。


「ユリ、サシャ、エレア先生。他の生徒を頼む」

「分かりました」

「おーけー!」

「任せてぇ」


 さて。

 お互い、総力戦と行こうじゃないか。


「サシャ!」


 人数が多い場合、ひとまず全員の視力を奪って一気に殲滅するのが手っ取り早い。


 そんな時にはサシャの出番だ。


「〈光鏡〉!」


 分かっていたので、俺たちは目を瞑る。

 一秒ほど待ったあと、目を開くと案の定多くの生徒がふらふらと彷徨っていた。


「無駄だな」


 一人を除いてだが。

 ともあれ、彼女たちには三年組を任せている。


 彼らの視界を奪うことができただけで上出来だ。


 ユリたちは今がチャンスだと、ロット以外の生徒たちに攻撃を開始する。もちろん気絶する程度にだ。


 時間は稼いでもらっている。

 あとは俺が頑張る番だ。


「ロット。俺はお前を倒す」

「はは。やってみろよ」


 にこやかな笑みを浮かべたかと思うと、突然目の前にロットが現れた。〈時間跳躍〉を使ったか。


 だが、その程度で俺がどうなるわけでもない。

 彼が放ってきた拳を俺は手のひらで受け止める。


「〈時間跳躍〉なんて、つい最近くらったばかりだ」

「ほう。それが?」


 カチッ。

 そんな音が聞こえたかと思うと、俺の手のひらが爆発した。


 くそっ! また仕込んでいたのかよ!

 さすがにそこまでは想像しておらず、もろにくらってしまう。


 吹き飛ばされ、壁に激突する。


「ガルドさん!」


 ユリの声が聞こえる。

 一瞬だが、意識がぷつんと途切れかけた。


 危なかった。

 彼女の声がなかったら、間違いなくこの戦いは負けていただろう。


 ふらふらとよろめきながら、俺は立ち上がる。

 まったく。サシャのような戦闘スタイルだったかこいつ。


 少しは賢くなったようだな。

 だがな。


「俺は賢者だぞ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

↑の「☆☆☆☆☆」評価欄をポチッと押して



「★★★★★」にしていただけると作者への応援になります!



作者に直接応援できる機能ですので、お気軽にお願いいたします!

+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ