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【書籍化】ゴミ以下だと追放された使用人、実は前世賢者です~史上最強の賢者、世界最高峰の学園に通う~  作者: 夜分長文
3.暗雲の魔女編

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27.セウトぉー


 教室に戻ると、ちょうどホームルームが始まる時間だった。エレア先生もすでにいる。どうやらギリギリだったらしい。


「セウトぉー」

「いや、どっちですか」


 エレア先生にツッコミを入れたところで、俺は席に座る。こほん、と咳払いをした後、エレア先生は、


「今日は擬似戦闘訓練をするよぉ。みんなで安全にボコりあおうねぇ」


 なんて恐ろしい授業なんだ。

 最初に聞いた時、字面がすごく恐ろしいなと思ったが、実際に実施されるとなるとさらに恐ろしくなるな。


「それじゃあ移動するねぇ。闘技場に行くよぉ」


 どうやら、あのドーム状の場所に行くらしい。


「ガルドさんと戦えるなんて光栄です!」

「ボコられちゃうなぁ、あはは!」

「さすがに手を抜くさ」


「「それはそれで……」」


 そう不満な顔をされるとなぁ……。

 しかし、本気出すと多分ドーム吹き飛ぶからな。


 バレない程度に手を抜くか。


 ◆


「それじゃあ、適当に戦ってねぇ」


 そう言って、去っていくエレア先生。

 いや、おいおいおい。


「どこ行くんですか」


 聞くと、ふふふと笑って耳打ちしてくる。


「〈死者蘇生〉のことについて、ちょっと気になることがあってね」


 …………。


「ありがとうございます」


 俺は深々と頭を下げた。

 本当に、彼女にお願いしてよかったと思う。


「よーし、それじゃあ僕とやろっか!」

「ああ、いいぞ」

「私が審判しますね」


 そして、俺とサシャは向かいあう。

 お互いがどういった魔法を使ってくるのか探り合う状態。少し、緊張してきた。


「開始!」


「〈光鏡(フラッシュ)!!」


 唐突に彼女が仕掛けてきた。

 一気に周囲が真っ白になる。


 なるほど、目をつぶしてきたか。

 なかなかいい戦略だ。


 戦闘に於いて、視覚聴覚は特に重要である。

 その一つを奪えば、相手は動揺して動けなくなる。


 だが、それだけだ。

 『視覚』しか奪えていないのだ。


 俺にはまだ聴覚がある。


 彼女が一歩踏み込んだ足音から察するに、距離は二メートルほど。なら、俺は跳躍して上から魔法を降らす。


 地を蹴り飛ばし、


「〈五月雨インターミタントゥ・レイン〉」


 傷はつけない。

 ただ、びしょ濡れにするだけだ。


「うわぁぁぁぁぁ!!」


 視覚が回復する頃には、びしょ濡れになったサシャの姿が前にあった。……ちょっとやりすぎたな。


 生地が薄いせいか……色々と透けている。


「負け負け。僕の負けぇー」


 白旗を振るかのように、手を左右に振っている。

 

「勝者、ガルドさん!」


 ふぅ、まあこんなもんか。

 というか、濡れたくらいで白旗をあげるのもどうかとは思うが。


「ユリもするんだろ?」


 しかし、ユリは首を縦に振らなかった。


「いや、ちょっと怖くなっちゃいました……」


 おいおい。それでいいのかよ。

 その後は適当に雑談をしていた。



「あらやだ、私も混ぜて♡」

「いや、だめだ」


 オネェは求めていない。

 というか、お前は本当に誰なんだ。


 いいかげん名前を名乗れ。


「ところで、時間あるわよね?」

「ああ、別にあるが」


 オネェが何か言いたげである。


「私ともバトりましょうよ♡」

「はあ。まだ時間があるから構わないが。一応、どっちの意味だ」

「どっちも♡」


 身震いしたのは言うまでもない。

 よし、逃げよう。

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