表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【書籍化】ゴミ以下だと追放された使用人、実は前世賢者です~史上最強の賢者、世界最高峰の学園に通う~  作者: 夜分長文
2.学生生活編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

13/46

13.ロットの報告(トレイ視点)

「ロット……お主、落ちてしまったのか……」

「はい。申し訳ありません、父上……」


 ロットは、暗い表情を湛えて父上に不合格の知らせを告げる。トレイは額に手を当て外ながら、嘆息した。


 一応、どこまで試験を進めたのか聞いておこう。

 そう思ったトレイはロットに尋ねる。


「最終試験です……」


 最終試験で落ちてしまったのか。

 しかしなぜだ。ロットの実力ならば、間違いなく合格の範囲のはずなのに。


 ふと嫌な予感がする。


「誰に負けたのだ」


 血が出るのではないかと思うほどに、ロットは下唇を噛み締める。しかし、ロットは認めることにする。


 自身が誰に負けたのかを。


「ガルドに……ガルドに負けました」

「……どうしてだ!!」


 トレイは分かっていた。

 ガルドは一人で結界を張り、魔物から領地を護っていたと。それほどの実力者なのだと。


 しかしトレイは認めたくなかった。

 自分が役立たずだと思っていた人間に、自身の息子が負けたという事実を。


「お前の鍛錬が足りなかったのだ!!」

「し、しかし!」

「黙れ!」


 ロットが言葉を紡ごうとするのを遮り、自分勝手に叱責する。トレイ自体、ストレスが溜まっていたのだ。


 優秀な兵士は出ていき、領地は魔物に犯されている。

 そのせいで領民も引っ越しを始め、違う領地に移り住み始めた。


 そうなるとどうなるか。

 経済が回らなくなるのだ。


 野菜を生産する人や道具を生産する人はいない。

 そしてそれを買う人もいない。


 もちろん、税金を納める者も。


 だから、息子であるロットに八つ当たりをする。


「ふざけるな! お前がせめて受験に合格すれば、私はまだ見栄を張れた。しかしどうだ! もう私の領地はお終いだ!」


 机に何度も拳をぶつけ、叫び続ける。


「お、落ち着いてください……」

「黙れ! 部外者は引っ込んでいろ!」


 執事長が抑えようとするが、突き飛ばされてしまう。

 壁にぶつかり、そのばに倒れ込む。


 打ちどころが悪かったらしく、死んではいないが気絶してしまっているようだ。


「ロット! お前は冒険者となって出稼ぎをしてこい! いいな!」

「冒険者なんて、そんな危険な仕事……オレしたくありま――」


「さっさと行かんか! 行かぬなら処刑するぞ!」

「ひっ!!」


 脅され、ロットは震えながら部屋を出ていく。

 彼がさってしばらくした後、トレイは執事長をベッドまで運び、自身も床に就いた。


「どうすれば……どうすればよいのだ……」

ランキング上がれぇ…上がれぇ……!

ブックマーク、評価ありがとうございます!!


まだしてないって方はぜひしていただけると作者が喜びます!!広告下に評価☆ボタンがあるので、クリックまたはタップしていってねぇー!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

↑の「☆☆☆☆☆」評価欄をポチッと押して



「★★★★★」にしていただけると作者への応援になります!



作者に直接応援できる機能ですので、お気軽にお願いいたします!

+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ