表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【書籍化】ゴミ以下だと追放された使用人、実は前世賢者です~史上最強の賢者、世界最高峰の学園に通う~  作者: 夜分長文
2.学生生活編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

11/46

11.俺が最下位?

「どうしたのです? 目にクマができていますよ?」

「ああ……ちょっと寝不足でな」

「もしかして成績発表緊張してるの? 僕もー!」


 少し彼女たちとの思考のズレが生じているが、気にするつもりはない。

 そんな重い過去が伝えるのも、なにか違うと思うしな。


 ユリはかなり緊張しているようだ。

 ……サシャは呑気なものだが。


 周囲を見渡してみると、吹っ切れてはしゃいでいる者、項垂れている者と様々だ。


「ホームルームの時間に先生が名指しで発表していくらしいからね。学力促進のためらしいけど、少しやりすぎな気もするよね」


 サシャが明らかに嫌そうな表情をする。

 うむ。確かに名指しで発表されるのは嫌だな。


 俺の場合、上位なのは間違いないが、不安な人は不安だろう。


 待っていると、エレア先生が入ってきた。

 相変わらず、小柄だ。


「それでは成績発表をするねぇ。覚悟するように」


 そして、エレア先生は上から順に発表していく。


「一位、ユリ!」

「やりました!」


 あまりにも嬉しかったのか、思わず椅子から立ち上がってしまっている。すぐに赤面して座り直した。


 かなり不安がっていたようだから、報われたようでよかった。しかし悔しいな。負けてしまったか。


 そして、順々に発表されていくが。


「十五位、サシャ! 頑張ろうねぇ」

「あは! 仕方ない!」


 おいおい……呑気だな。

 というか、あれ。俺の名前……まだ呼ばれていないのだが。


「……十六位、ガルド。あとで魔法術式研究室に来るように」


 おかしいな。

 俺が最下位だと?


 確かに国語、数学、魔法科学は全て満点レベルの解答をしていたはずだ。もしかして魔法術式を省力したのがダメだったのか? 


 うーん。しかしそれでも最下位はありえない。


「おかしいです! なにか不正が働いたとしか思えません!」

「ふっふっふっ! 下位同士仲良くしよ!」


 励ましと共感の言葉を告げられた後、俺は研究施設に向かった。


 無駄に広いから向かうのに時間がかかる。

 転移魔法を使ってもいいが、無駄な魔力は消費したくない。


 そんなことを考えているうちに、研究室の前に到着した。ノックをして「どうぞー」と言われたので室内に入る。


「早速本題なんだけどね」

「はい」


 俺は説教でもされるのだろうか。

 別に慣れてはいるが、苦痛には変わりない。


 さっさと済ませて欲しいところだから助かる。


「ガルド。君は実は、満点なんだ。いや、満点以上を与えてもいい」

「はい?」


 思わず聞き返してしまう。

 それならどうして俺が最下位なのだ。


「国語は文才に溢れ、数学は新たな方式を書き出し、術式は今までの常識を覆すものだったよ」


 続けて、


「君は一体、なに者なんだい?」

「いや……使用人あがりの一般人ですが」


 そういうしかないしな。

 賢者であり、人生二度目なんて口が裂けても言えないし。


「それよりもだ。どうして、君が最下位だったか」

「気になります。ぜひ教えてください」


 うん、と彼女は深く頷いた。

 そして、深刻そうな形相を浮かべる。


「学園長の命令なんだよ。私は反発したんだけどね、認めてくれなかったんだ」


 あの長髭のおじいさんか。

 平民に特待生になられては困ると言っていたが、やはりここまで徹底していたとはな。


 俺はあくまで『最下生』というわけか。


「でもでも。わたしはガルドの味方だよ。安心して欲しい」

「ありがとうございます、先生」


 そう言うと、嬉々として胸を張る先生。

 残念ながら、体躯同様貧相なものだが。


「よし、では少し付き合ってほしいことがあるんだよぉ」


 先ほどは真面目モードだったのだろうか、いつもの語尾に小文字が入るような声音で告げる。


「わたしに術式を教えて欲しいんだぁ!」

「え? 専門のあなたにですか?」

「ああ! ガルドはわたしより優れていると見たのだぁ! だから教えを乞う!」

「は、はぁ」


 そうして、俺は授業をほっぽり出して放課後まで教えることになった。

ブックマーク、評価ありがとうございます!!

あと少し、あと少しでランキング!!


みんなの筋肉パワー(ブックマーク、評価)を分けてくれー!!!


評価は下の☆から出来ますよー!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

↑の「☆☆☆☆☆」評価欄をポチッと押して



「★★★★★」にしていただけると作者への応援になります!



作者に直接応援できる機能ですので、お気軽にお願いいたします!

+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ