ここまで来るのにどれだけ苦労したか(してない)
今更ですが、メタ発言ありまくりです。
なんだかんだといいつつトンはせっせと何かを作ろうとしていた。その15分後…
「なんとか完成カプ!ウチダ!僕を地面に置いてほしいカプ!」
「OK〜。そのまま土に埋めれば完成ね!」
「やめっ!ちょっ、…ウペェ!口の中に入ったカプ〜!」
うーん。楽しい。やっぱトンはいじりがいがあるなあ。
「はいはい。そんなに騒がなくてもいいのに。」
「全くですよ。すぐそうやって事を大きくしちゃうんだから。」
「なんで僕が誇張したみたいになったカプ…?こんなことしてるからいつまで経っても進まないんカプ!」
なんだかんだぐだぐだしつつ、トンを地面に置いた後、そのまままるでイリュージョンで帽子の中の鳩を飛び出させるようにそっとカプをめくってみる。そこに現れたのは…
自転車だった。しかも前後に椅子がついてて2人で漕ぐタイプのだ。
「「………あー……。」」
「その『まあ使えるっちゃ使えるけどちょっと期待外れかな』みたいな反応やめるカプ!これでも数少ない材料、いや、材料とも言えないもので一生懸命作ったんだカプ!」
まあ、確かにあの材料(?)でここまで作ったのはすごい。普通に歩くよりはマシだろう。
「じゃあ私前でもいいですか?後ろで何も見えないの怖いので。」
「あ!ずるい!てか、私の方が背が低いんだから普通逆なんじゃないの!?」
「だってそっちには邪魔な帽子があるじゃないですか。身長関係なく見えないですよ。」
「その邪魔な帽子って僕のことカプか!?」
ごちゃごちゃ言いながらも、エミは前に、ウチダ(withトン)は後ろに乗ることにした。
「あれ?でもブレーキがついてないですね。」
「えー?こっちにはちゃんとついてるよー?」
「え、とんでもない欠陥品じゃないですか。」
「なるほど…つまりエミの生殺与奪の権利はこちら側にあるわけね。しかもなんか変なボタンがある。何このいかにも自爆装置っぽいの。」
「自爆装置じゃないカプ!それは加速ボタンで押す力によって加速速度が変わるんだカプ!」
「なんでそんな自転車の全てを後ろ側に預けたんです?これ前に乗る人が子供、後ろに乗る人が大人が前提じゃないですか。大人と大人でこれしても普通に危険なだけですよ。」
「でも、エミはまだギリギリ成人前でしょ?じゃあ子供じゃない。」
「まだ親に抱っこせがんでいる子供と、親を抱っこできる子供を同列にしないでくださいよ。」
そう、この世界では大体15歳前後が大人として扱われる。一応私達の中では15歳からを大人として定義づけている。
「大丈夫!一応私もまだエミのこと抱っこできると思うよ!一応!」
「問題はそこじゃないんですよ…。ていうか、ウチダはもう無理でしょう。だって見た目は私と大差ないですけど、中身は30過ぎだって私知ってますからね。永遠の17歳も見た目だけですよ。見た目だけ。」
「それ結構な褒め言葉カプゥ…。」
う、確かに17歳の時にこの世界に召喚されて、15年経ってるから普通に数えたら32なんだけど、でも地球とこっちの世界じゃ時間の流れが違うかもしれないでしょ!というか心が若いから!心が若けりゃ全部若いつもりでいれるのよ!
「まあ、私の年齢はおいといてだ。とりあえず出発しよう。始まって3話経っているのに未だに一歩も動いてないからね私達。」
「3話?」
「おっと、こっちの話。とりあえず、ポクポク進むかー!」
次回、やっとこのエリアから脱出できる…はず!