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6話:夜の始まり

ちょっと雲行きが怪しくなってきた空を見上げながらオネーサンを待つ。

返事がノーだったらどすっかな。ってよりイエスだったらどこ行こ。

誘ったはいいけど何にも考えてなかった。


「んー、まぁ適当でいっかぁ」


「なーにがいっかぁなの?」


伸びをしながら呟くと横から声をかけられた。


「お疲れです。ちょっと早かったですね」


「そ?ゴジぴったりだったよ、タイムカードの時計はね」


チラッとコンビニの時計を見る。


「それゴフン以上早いじゃないですか。直しましょうよ」


返事をせずに歩き出したオネーサンの後をついて行く。


「どこ行くんですか?」


「ん?どこって、遊びに決まってるでしょ。行こ?」


そう言って手を差し出してくる。

どうやらオーケーだったようだ。

差し出された手を握りながら微笑む。


「どこ行く?の前に、名前教えてよ」


「ユウだよ。って名札に名前書いてあったよ?」


「ユウね、オッケ!ちゃんと記憶したよ」


本当は知ってたけど敢えて訊いてみた。

特に理由はないんだけど嘘付くのが癖。


「君の名前は?」


「俺の名前は・・・・ジンだよ」


「ジン君、ジンちゃん、ジン。どれがいい?」


「どれでもと言いたいとこだけど、呼び捨てでヨロシク。俺も呼び捨てにしたいから」


「うん、オッケー」


俺を見上げながら満面の笑みで頷く。

身長差が結構あるから、自然と上目遣いになるんだよな。たまらん!


「なぁユウ。どこに向かってるん?」


「カラオケー。ヤッパリ最初は定番でしょ」


それに私歌うまいから。と軽く胸を張って自信ありげに微笑む。

おぉ、意外と胸でかい。ユウを見る時は上から見下ろす形になるから、胸の谷間もバッチリ見える。

胸の部分が大きく開けたTシャツってのが最高だ。


「ちゃんと前向いて歩きなよ?エロ高校生さん」


余裕で見てるのバレてました!

大人しく正面を向いて歩く。・・・たまにチラ見。

結構遠いんだよねカラオケ。ってかあの酔っ払い、この時間で出来上がってるとかすげぇな。


「ってか背おっきいよねー。何センチ?」


「確かヒャクハチジュウくらいだったかな」


「私とサンジュッセンチも違うんだぁ」


どんだけちっさいんだよ。

そこまで差があるようには見えないんだけど。


「そんなにちっさいの?って今はヒールでマシに見えるのか」


言いながら足下を見たらカナリ高いヒールが見えた。


「靴脱いだら後ろ姿は子供だよ」


笑顔で話すユウは笑い方も子供みたいだ。良く喋るけど、ギャーギャーうるさい訳じゃない。

見た目がギャルっぽいわりに中身は意外とフツーな感じ。

そんなギャップも俺の好みだな。


「ってか、いつの間にかタメ語ダネ」


「ん?敬語のが良かった?」


意外と敬語好きだったか?

別に喋り方くらいならいくらでも好きなように変えますけど。


「ううん、タメ語でいいよ。敬語キライだしさ」


「そう?良かった。俺も敬語キライなんだ」


こうやって細かい好みも合わせると仲良くなりやすいんだよね。


「ジンて今いくつ?」


「ジューナナ」


「ってことは高サン?」


「せーかい。受験する気ないから気楽っすよー。ユウはいくつ?」


「私はジューハチ。今年卒業したばっかだからヒトツだけお姉さんです」


たぶん並んで歩いてたら間違いなく俺のが上に見えるだろうな。

お互いに質問を重ねながら人通りの多い道をノンビリ歩く。

まだ日は落ちてなくて結構明るい。

日長くなったもんだなぁ。


「ってな訳でとーちゃくぅ♪」


「ってな訳ってどんな訳っすか」


俺の声を無視してカラオケBOXに入っていく。

どうやら細かいツッコミは相手にしないようだ。


「ちょ、まてよ!」


「それ古いから」


ツッコマレタけど、某俳優のモノマネが通じただけで満足。


「ねー、ダムでいい?」


出ました上目遣い。オマケに谷間がっ!

そんなコンボ食らって拒否れる訳もなく。


「いーよ」


「やった♪」


ま、ぶっちゃけなんでもいいんだけどね。

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