表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/11

1話:薄暗い朝

「まっじでさみぃ!!」


人って、無意味な発言多いよな。

特に暑いとか寒いとか。言わなくてもミンナ分かってるのに口に出す。

ついでに一人の時でもな。

今はちょうど太陽が顔を出し始めた頃。

真っ暗って程じゃないけど、街灯がない場所だと夜と言える位に暗い。

軽くダジャレを混ぜてみても暗い心は全然明るくならない。

ついでに言えば周囲も真っ暗。

昼間は子供連れの母親が仲間とお喋りに興じる公園。この時間じゃ周りの木のせいで真っ暗。

そんな暗い公園で汚いベンチに座ったまま空を観察中。

正直言って面白くない。中途半端な明るさのせいで星すら見えないし。

ネズミ色の折り紙のような空。

なにも映すことのない灰色の空を見上げて一人考え込む。

ネズミ色の折り紙って、ネズミを折る以外に何に使えるのかな。

朝になったら折り紙を買いに行って色々折ろう。そんな風に一日の予定を決めながら、完全に夜が明けるのを待っていた。

いくら春って言ってもまだまだ寒い。

もう四月半ばなんだから、暖かくなってもいいのになぁ。

コーヒーでも飲んで暖まろう。

公園の入り口近くにある自販機に向かう。

ポケットから小銭を取り出し、適当に自販機のボタンを押す。


「おぉ・・・あったけぇ」


持ってるだけでも十分に暖かい。

チビチビ飲みつつ元のベンチへ。

そして、もう一度空を見上げる。

朝がもうすぐそこまで来ていた。

・・・・・俺の大嫌いな朝が。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ